特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』感染者 実名で証言 その思い ③

6月25日(木)

 

前回はこちら

 


症例12(その3)

 

第3節:9日間続いた自宅待機 
埼玉県の相談窓口に電話したが、PCR検査を受けられたのは発症から6日後だった。入院できるまで9日間、自宅待機を余儀なくされた

 

結構何回も電話していますね。子どものこともあったので(註:そうですよね。超濃厚接触者である家族がクラスター化するリスクは高いです。しかし、クラスターの定義は5人以上ですから、家族が4人以下のふつうの核家族の家庭では、全員が感染しても、行政上の報告ではクラスターとしては認識されず、統計上の闇に葬られてしまうことになります。ですから、杉並国際クリニックでは、家族ぐるみでの感染予防行動を推奨しております。)まず「4日間自宅にいてください」というのと、発熱からとりあえずは4日間(註:4日間自宅待機は誤りではないですが、あわてて市販の解熱剤を内服しないように指導すべきであったのではないかと考えます。この方針は100年以上も前の大正時代の内務省衛生局時代には、すでに知られていた注意です。この経験が生かされていないのが残念です。)というのがあるみたいで。

とにかくいろいろな所に連絡をしたりとか、かかりつけの先生に相談したりとかいろいろなことをして、それでやっと保健所から「近所の病院に行ってください」ということです。


でも相談できる先生がいてよかったなとは思いますね。「新型コロナウイルスを疑ったほうがよいんじゃないかな」って。その先生は決め手でしたね。それで「うちの病院には来ないでくれ」と。「小さいクリニックだし、そういうレベルじゃないから」という話をして、それで保健所に改めて相談をして大きい病院に行きました。


僕の時は症状があからさまだったと思うんですけど、入り口も別の入り口を用意してもらったりとか看護師さんもそれなりの防備をした格好で、きちんとした状態でPCR検査(註:小島さんは運が良かったと思います。東京23区の西部のいくつかの区では、杜撰な扱いを受けていました。)をしてもらいました。陽性は電話で聞きました。直接、保健所の方から電話をもらって、PCR検査を受けた段階から毎日電話を頂けるようになって経過観察みたいなことをしてくれて。

 

<明日へ続く>