特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』:症例7:母の死 親戚にさえ言えず ⑥

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ

 

症例が増え7症例目に入ります。

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤もしくは緑文字として区別しました。

症例7:母の死 親戚にさえ言えず(その6)

 

第7節:“コロナ後”の不安

母親の死後、女性が今、最も心配しているのは80代の父親のことだ。感染が確認され1か月入院。回復したため退院する見込みだが、入院中に体が弱ってしまった様子だという

 

退院になりますって言われて、今はとっても困っています。どう考えたって80代で1か月ベッドにいたら動けるわけはないので、その人をどうやって家で見ていくのか(註:課題1)


(父母どちらか)1人になった時にはいろいろ考えなきゃいけないっていうのは常々、姉と相談していたところなんで。私が腹をくくれるか、どこまで面倒みられるかっていう、今はその葛藤しかないですね。悲しみよりも、そっちの葛藤ですね。

 

変な言い方ですけど、亡くなってる人よりも生きてる人のこと考えなきゃって。みんなが健康になって出てくるわけではないですよね。

 

復帰してきた人たちを今度どうするか(註:課題2)。退院して来ましたっていう人たちを受け入れられるのか、うちの父みたいに寝たきりになってしまうかもしれない人たちを、ちゃんと受け入れてくれるのか。

 

復帰してきた人たちを社会はどういうふうにしてくれますか(註:課題3)っていうところも考えてもらいたいなってすごく思ってます。

 


コメント:

この最後の節では、誰もが取り組んでいかなければならない大切な課題が投げかけられています。

課題1は、当事者としてできることの範囲、

課題2は、社会の一員としての視点から、

課題3は、個人の努力では賄いきれないことは社会一般(ボランティア、地域共同体、自治体をはじめとする行政)に期待せざるをえないという立ち場からの問いかけのように思われます。

皆様は、どのようにお考えですか。

一人で考え込んでも容易に答えが出ない課題ではないかと思います。皆で話し合うべき課題であって、そうした機会を積極的に見出していくことが最初の課題なのかもしれません。

 

<この項終わり>