ドイツ語旅行:いまだからこそ<クナイプ自然療法>No1

皆様6月になりました。そして、あっという間に梅雨入りです。引き籠ってPCと向き合う生活は反自然のライフスタイルです。さあ、工夫をしながら自然の恵みを肌で感じてみましょう。杉並国際クリニックは『自然志向の医療が理念のクリニック』。それが、どのような背景に基づくものなのか、今月から、少しずつご紹介させていただきたいと思います。

 

杉並国際クリニックの前身である「高円寺南診療所」を開設してから取得した私の最初の医師の追加資格が、『温泉療法医』(2020年4月1日現在、全国で1004名)でした。実は、今でもこのタイトルを保持しています。温泉療法医とは「正しい温泉・気候・物理療養指導を行えるよう教育研修会全課程を修了し、当学会入会年より3年を経て、認定を受けた医師」を指します。

 

この温泉療法医の専門性と杉並国際クリニックでの日常診療は密接な関係があり、この両者をつなぐのが、実はドイツ発祥のクナイプ療法なのです。

 

温泉療法医とは、日本温泉気候物理医学会が認定するものです。その認定基準によると「温泉専門医を認定するのではなく、一般医師に対し温泉治療学の啓蒙をはかるとともに、温泉療養者に対する一応の療養指導を行い得る医師の教育とその認定を目的とする」となっています。

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ドイツ・フランス・イタリアなどをはじめとするヨーロッパ諸国では、各温泉地に温泉の専門医が常駐し、その指導のもとに温泉療養が行われているのが通常です。しかし、日本では、そのような温泉地は大変少ないと言わざるを得ません。 そこで、私は1997年にドイツのバート・ヴェーリスホーヘンを訪れドイツ人医師(主にこれからドイツ国内で開業しようとしている医師たち)に交じって«クナイプ医学療法»の研修を受けました。

 

わが国には、世界に冠たる温泉文化を持っていますが、主として観光や遊興目的であり、古くから湯治も盛んでしたが、素人的な経験則ではなく科学的な温泉医学に通じた医師の絶対数が少ないことが指摘されています。 日本では、医師になるために温泉医学の履修は義務づけられておらず、そればかりか、温泉医学の講座を設けている大学がほとんど皆無に等しいことも要因になっているようです。そこで日本温泉気候物理医学会では、ヨーロッパ諸国のような温泉医の制度を日本にも創設することを検討し、その経過措置のひとつとして昭和51年から「温泉療法医」の学会認定を開始しました。しかし、残念なことに近年は、温泉医学を研究してきた大学付属の研究施設や病院が閉鎖される動きも出てきています。また、現在の保健医療制度の中で、温泉を利用した治療については、ある程度の制限があることも関係しているようです。

 

そこで、さっそくドイツのクナイプ療法を紹介させていただくことにします。私は、ウィキペディアを写し書きすることは好みませんが、今回は例外的にドイツ語版のウィキペディアの情報が参考文献付きで良くまとまっているので引用の上、翻訳してご紹介いたします。

 

Kneipp-Medizin
クナイプ医学

 

aus Wikipedia, der freien Enzyklopädie

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Wassertreten in einer Kneipp-Anlage

クナイプ施設での水踏み歩き

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コメント:

水氣道の会員の皆様は親しみを感じる写真ではないでしょうか。

 

Die Kneipp-Medizin oder Kneipp-Therapie ist ein nach dem Pfarrer Sebastian Kneipp (1821–1897) benanntes Behandlungsverfahren, das Wasseranwendungen, Pflanzenwirkstoffe, Bewegungs- und Ernährungsempfehlungen beinhaltet. Diese können sowohl vorbeugend (präventiv) als auch zur Behandlung bestehender Erkrankungen (kurativ) eingesetzt werden. Eine Wirksamkeit ist nicht belegt, als Kur gegen einige wenige Symptome wie zum Beispiel Krampfadern gibt es jedoch Hinweise auf eine Linderung der Beschwerden.[1] Eine klinische Studie ergab, dass durch regelmäßige Kneipp-Anwendungen eine Verbesserung der Lebensqualität für Bronchitispatienten erreicht werden kann, wobei diese Studie allerdings an einer kleinen Patientenzahl (20 Patienten) durchgeführt wurde.[2]
クナイプ医学またはクナイップ療法は、司祭のセバスチャン・クナイプ(1821-1897)にちなんで名付けられた治療法で、水の塗布、植物の活性物質、運動、栄養の推奨などがあります。これらは、予防(予防)と既存の病気の治療(治療)の両方に使用することができます。有効性の証明はないが、静脈瘤などのいくつかの症状の治療薬として、症状の緩和の兆候がある [註1] 臨床研究では、少数の患者(20人)を対象とした研究であるが、クナイプの定期的な適用が気管支炎患者の生活の質を改善することが示されている [註2] 。


[註1] Krista Federspiel, Vera Herbst: Die Andere Medizin. Stiftung Warentest, Berlin 2005, ISBN 3-937880-08-9. Zur Pressemitteilung
もう一つの医学。Stiftung Warentest, Berlin 2005, ISBN 3-937880-08-9出版へ

 

[註2] K. Goedsche, C. Uhlemann, C. Kroegel: Kontrollierte klinische Studie zum Einfluss der Hydrotherapie auf das Immunsystem der Patienten mit chronisch obstruktiver Bronchitis (COPD). In: Phys Med Rehab Kuror. 12, 2002, S. 215–234.
K. Goedsche, C. Uhlemann, C. Kroegel:慢性閉塞性気管支炎(COPD)患者の免疫系に対する水治療法の影響に関する対照臨床研究. :Phys Med Rehab Kuror. 12, 2002, S. 215–234.

 

 

Im Dezember 2015 wurde das Kneippen von der Kultusministerkonferenz als Kulturform in das Bundesweite Verzeichnis des immateriellen Kulturerbes aufgenommen.[3] Am 11. März 2016 erfolgte die Auszeichnung im Sinne des Übereinkommens zur Erhaltung des Immateriellen Kulturerbes der UNESCO.[4]

2015年12月、文部科学大臣会議により、クナイプは文化形態として全国無形文化遺産リストに登録された[註3] 2016年3月11日、クナイプはユネスコ無形文化遺産の保存に関する条約[註4]に基づき、その称号を授与された。

[註3]

Pressemitteilung der Kultusministerkonferenz
文部科学大臣会議のプレスリリース

[註4]

Pressemitteilung der Deutschen UNESCO-Kommission, abgerufen am 21. März 2016.

ドイツユネスコ委員会のプレスリリース、2016年3月21日にアクセス。