5月29日(金)<シリーズ> 新型コロナ解説:私が推薦する わかりやすいガイダンスNo11

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。

 

私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。

『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【最後に】

以上のように、新型コロナウイルス感染症はとてもやっかいな感染症であり、私達の歴史の中でも最大級の世界的大災害です。感染症であるが故に、お互いに助け合うことや絆を強くつなぐことが難しくなりがちです。しかし幸い、私達人類はこれまでかなり科学を発展させて来ました。

ウイルスは宿主であるヒトを根絶やしにすることはありませんし、これまでの全ての伝染病と同様に、医学的な解決は必ず成されます。それまで通常の診療ができなくなっていることを、どうかご理解のほどお願い申し上げます。

 

感染する人は一部でも、引き続く経済的困難や政治的困難といった社会の混乱は全ての人の生活に影響を及ぼします。距離が離れていてもお互いを思いやり、ひとりひとりの役割を果たして行きましょう。

 

コメント:

わが国では、自宅待機中の患者の中に病状が急激に悪化して死亡した例が続いたため、自宅療養患者を減らす方針です。発症前後から1週間ほどは、家族からも切り離した方が良いはずです。

しかし病状が悪化するリスクのある期間が過ぎても入院させるのが隔離の目的のみであれば、患者さんの精神衛生上も自宅での療養を推奨することが望ましいと思います。

なぜなら、いつ終るのか先の見えない急激な精神的ストレスは患者の免疫力を短期間で大きく損なってしまうからです。

 

家族を含め周囲への感染リスクがないとなれば、発症後1週間経った患者の多くは自宅療養を希望すると考えられます。

新型コロナウイルス感染症で入院する患者の大部分は発症から1週間以上が経過していることから、患者に接触する医療従事者の感染防御も簡素化できるかもしれません。
 

折しも、5月13日から新型コロナウイルス感染の診断に抗原検査が保険適用となりました。抗原検査は30分間で判定結果が出るので、今後は新型コロナウイルスの診断の際に、最初に使われるようになることでしょう。

抗原検査は定性検査であるので、リアルタイムPCR法を併用できなければ、重症化や感染力の有無を予測できず、単なるおみくじになってしまうであろうことを危惧します。

コロナ患者に対して、より的確な対応を可能とするためには、徹底した予防、それも積極的予防法と感染拡大を減らすことを同時に行える段階での介入が一層必要になります。

それは、発症前後のウイルス量の多い時期が最も無防備になり易いということを常に念頭に置くべきでしょう。

 

<明日へ続く>