5月27日(水)<シリーズ> 新型コロナ解説:私が推薦する わかりやすいガイダンスNo9

東京歯科大学市川総合病院循環器科の大木先生は、新型コロナウイルスに関して、とてもわかりやすい解説を掲載されています。御経歴からすると私より大分若手であるようですが、見習いたいと思いました。

 

私は、同市内にある昭和学院短期大学の客員教授として10年ほど勤務していたことがあり、この病院の前は数えきれないくらい通過していたのを懐かしく思い出します。

『知っておきたい新型コロナウイルス感染症COVID-19』

 

【新型コロナウイルス感染症の治療】

ウイルス感染症の治療は、体内からウイルスを除去することが目的ですが、その方法には、ウイルスを直接攻撃して破壊する方法、ウイルスの増殖を抑制して身体の免疫力に頼る方法、および免疫力を増強する方法などがあります。

 

新型コロナウイルスを直接攻撃する薬剤は今のところ見つかっていません。

増殖を抑制する薬剤として、既存の他のウイルスの増殖を抑制する薬剤の効果が試されているところです。

免疫力を増強する方法としてワクチンや薬剤がありますが、いずれも開発中です。

新しいワクチンや薬の開発には長い年月を要しますので、今のところ他のウイルスに対する治療薬を使用する方法が一番期待されています。

 

コメント:

他人に感染させるリスクがなくなれば、隔離は不要です。その期間が1週間程度だとすれば2週間以上の隔離は絶対ではありません。

感染難治性血液疾患などを専門とする小島勢二・名古屋大名誉教授は、最新の知見では、発症から1週間経てば他人に感染させるリスクはほぼなくなると紹介しています。ただし、その判断根拠となるデータは、日本のものではなく台湾のものです

台湾のデータはわが国のものより信頼できます。

中国のデータをそのまま鵜呑みにしている政府や研究者の一部が未だに存在しているのは不思議です。

中国のデータで信用できるものは、おおざっぱに言えば、文化大革命よりずっと以前の医学情報に限ります。ただし、中国の医学データを信用するためには、他国のものとすり合わせて比較検討することが必要だと思います。

 

台湾で、新型コロナウイルス感染の確定診断がついた100人に濃厚接触した2761人の濃厚接触者のうち、二次感染したのは22人(0.8%)でした。

軽症患者よりも重症患者に接触した人の方が感染するリスクが高く、無症状の患者に接触した91人のうち、二次感染をおこした人はありませんでした。これは、単独でも信ぴょう性が高い情報ですがドイツのデータとも符合しています。
  

二次感染した22人のうち、10人は患者に症状が出る前の接触歴があり、9人は症状が出た日から3日以内、3人は4日目あるいは5日目でした。

すなわち、発熱やせきなどの症状が表れてから6日目以降に接触しても感染しませんでした。二次感染者の半数には患者に症状が出る前に接触歴があったが、この時期に患者との接触を避けるのは不可能ということになります。
   

台湾では、今回の結果をもとに、発症後1週間経過し、病状が悪化する恐れがなければ隔離する必要はないとして、自宅療養を勧めることになりました。
  

残念ながら、日本では海外に向けて指標になるような調査・研究が見当たりません。

 

すぐれた医学情報は、すぐれた行政対応を抜きにしては獲得できません。ドイツや台湾の政治指針や危機管理システムは日本のものより数段優れていることを謙虚に見直して、今からでも改善を図るべきだと思われます。

 

<明日へ続く>