5月19日(火)特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』症例4:集団感染 それから起きたこと ④

特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』

 

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤もしくは緑文字として区別しました。

 

症例4:集団感染 それから起きたこと

4月2日取材 北見放送局 関口祥子

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。集団感染が起きた北海道北見市の展示会に参加していた60代の男性。激しい症状とのたたかいや感染後の苦境を明かしました。

 

症例4(その4)

第4節:“売り上げゼロ”でも前を向いていく
入院中に男性の頭をめぐっていたのは営んでいる店のことだった
仕事への不安は重たいものがありました。とにかく入院して何が不安だって言ったら仕事の不安ですよね。


商売しているのに、感染したといううわさが流れたらどうなってしまうんだろう。きっと流れるなって。店が何週間も閉まってるぞって。入院中お客さんから電話来ました。

 

「今、お店の前通ったらシャッター閉まってるんだけど、やっぱりあれかい?」「今入院してるよ」「俺、あれほしいんだ。退院したらカタログ持ってきてくれな」って。

 

僕はそのとき、そのお客さんの言葉がいちばんの薬だって言って「本当にありがとうございます」って言いました。そのお客さんはまた電話くれて「つらいだろうけど、応援するからね」って、そういうお客さんがいます。

 

男性は退院後、自主的に2週間、自宅で待機。4月1日に仕事を再開した。休んでいる間、収入はなかった。再開にあたり、取引先にあいさつのはがきを送った

 

元どおりの自分だから元どおりのようにつきあっていただきたい。感染する前の体に戻っているから、一生懸命仕事させてくださいって。

 

あいさつのはがきを回したから偏見があるっていうことはないです。ないけど、退院してからのいろんなことっていうのはごまんとあります。やっぱりうわさだよね。「関わったら、コロナうつるよ」って。仕事の影響は100%ある。売り上げゼロ。不安はあるよ、売り上げなかったら生活できない。借金払っていけないし。

 

時間だと思います。安心していただくのも時間がかかると思う。

ひと月かふた月。秋にはみんな忘れてるんじゃないかなって。

僕より被害にあってる人いると思うけど、飲食業界は大変だと思うけど、早くみんなして立ち直って、経済立て直したいっていう気持ちが強いです(<戦略4:『人助けをしている人々を助ける』ことの大切さを知る>)


みんなと飲んで騒いで遊びたいです(お気持ちは、痛いほどわかりますが・・・!<戦略3:『自分や自分の家族と同様に、親戚や知人を助ける』ための活動を開始する>)

 

(4月2日取材 北見放送局 関口祥子)

専門家会議は、「海外からの流入は続いており、また、一般に感染症の増減には一定の小幅なサイクルが存在していることなどから、引き続き、その動向を注視していくとともに、市民や事業者の皆様に、最も感染拡大のリスクを高める環境(1.換気の悪い密閉空間、2.人が密集している、3.近距離での会話や発声が行われる、という3つの条件が同時に重なった場)での行動を十分抑制していただくことが重要です」と述べていました。

 

<この項終わり>