取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究
新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。
以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は緑文字として区別しました。
症例4:集団感染 それから起きたこと
4月2日取材 北見放送局 関口祥子
新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。集団感染が起きた北海道北見市の展示会に参加していた60代の男性。激しい症状とのたたかいや感染後の苦境を明かしました。
症例4(その1)
第1節:“クラスター(註)”の現場で
註: “クラスター”とは厚生労働省によると、「1カ所で5人以上のつながりのある感染者が出たケース」と定義されます。新型コロナウイルスがヒトからヒトへと感染するときには、共通の感染源があるとされ、この5人以上の感染者の集団は共通の感染源(ヒト、場所、時間等)を持つことを前提として分析しているようです。
しかし、共通の感染源によるものと強く推定できるのは国内感染初期のみではないかと思います。なぜならば感染から発症までの経過は各人でまちまちであることが多く、感染経路を1か所のみに特定することは容易ではないのではないかと私は考えます。共通する1か所のみで発生したというのも推定に過ぎないということになるはずです。
またクラスターは規模に応じて分類されています。感染経路が追えている数人から数十人規模の患者の集団は「小規模患者クラスター」といいます。また、こうしたクラスターの中の感染者数が50人以上になると「メガクラスター」と呼びます。
・・・・・・・・・・・・
北見市で電化製品の販売店を営む男性。2月14日と15日(北海道の網走支庁の中心都市ですが北国の、しかも厳寒期です。インフルエンザをはじめとするウイルス感染症が流行しやすい時期です)、のちに11人の感染が確認(小規模患者クラスターに分類されます)される展示会に参加していた
合同展示会って言って、案内状出して招待して、品物見てもらって、相談にのって(「密接」の要件に該当か?)買っていただくってかんじですね。会場は広くて体育館くらいあるかな。長い机あるでしょ。それを4つくらいをひとかたまりにして、そのスペースを20個くらい(「密集」の要件に該当か?)作ってって感じ。
お客さんを招待する時間は午前10時から午後5時。2日目は商品の片づけとかあるから10時から午後4時半くらい(長時間同じ場所⇒感染リスク高)かな。
会場内ざわつきがありますからね、声のトーンはこういう会話よりは大きい(大声⇒感染リスク高)。対面のお客さんと1メートルは離れて(現在では社会的距離2m以上が推奨されています)いますが、大事な話になるとぐーっと寄って話しますね、価格の交渉とかそういうときは。ふだんの商売と同じですね。それは結構、密接な距離になると思います。まぁ30人から50人くらいとは話してるんじゃないですかね。
3密ですか? 密接、密閉に、密集か。それにはあたってない気がする(残念ながら誤解のようです)、広いから(広さは相対的な概念に過ぎません。30人から50人と長時間に及ぶ大きな声での会話、ということが3密に繋がるという総合的な理解が必要です)。換気はしてない(「密閉」に準じる環境と考えるべきでしょう)よ。体育館みたいに広いから。僕のイメージ(イメージに頼りすぎて、言葉の意味を深く理解しておかないと、根拠の乏しい先入観によって正しい判断を妨げてしまいがちです)する密閉はスナックとかですけど、ああいうところを想像するからどうしても違うかなって。
展示会の会場 消毒が行われた
コメント:窓開かず、換気のない中で大勢でしゃべる職場の窮状を訴える人も少なくありませんが、同調圧力に屈してしまいがちなのが日本人のようです。ですから、厚生労働省からの以下のメッセージだけでは不十分であるということです。
「国民の皆さまへのお願い. ◇ 換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まる.ことを避けてください。」
そこで、改めて強調されているのが濃厚接触・濃厚接触者という概念です。
濃厚接触者とは感染した人との距離の近さと時間の長さなどで総合的に判断されます。濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は二つあり、➀距離の近さと➁時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(目安として2メートル)で一定時間以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。
<明日へ続く>
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