<杉並国際クリニックの戦略、皆様と共にできること!>
ここまでで、皆さんと考えてきたことを振り返ってみると、私たちは自分たちの健康と安全を守るためには、国や自治体の対応に依存することなく、自分たちでしっかりと判断し、早期に適切な行動をとることが不可欠なようです。たしかに国の戦略は、法制度という原理・原則に基づく国策に基づくため、平時においては法的安定性に優れ、制度矛盾は皆無ではないにしても決定的ではないという既存のメリットは認めておくべきでしょう。
しかし、今回のパンデミックのように、刻一刻と状況が変化し、望ましくない方向での勢いが強まる非常時においては、かえって状況の変化に迅速に対処することができず、柔軟性と機動性に欠けることによって、臨機応変の有効な対応を困難にしてしまうように思われます。
具体的には、どのように考えれば良いのでしょうか。
それは、なるべく現行の国策に逆らうことなく、国策の及ばない領域に対して、私たち自身が自主的に戦略を打ち立て、解決モデルを提案することです。しかし、提案しても国はおろか自治体さえも容易には動こうとはしないでしょう。
早期の行動無くして、早期の成果を確認することはできないからです。
たとえば、私が皆さんに、新型コロナウイルス感染症の予防法と発症初期の迅速な対応を提案したとしましょう。
結論から言えば、現行の健康保険診療では限界があるということは、すでにご理解いただけるかと思います。
❶ 一定の症状が出現し、
❷ 一定期間自宅待機し、
❸ PCR検査許可を受け、
❹SARS-CoV-2抗体陽性となった者のみにCOVID-19の確定診断名が下されます。
それまでの間にどれだけの日数を要することでしょうか。
10日前後であれば、まだましな方だという声もちらほらです。しかも、たとえ診断が下されても、どのような指示を受けるか不明であり、一部の方のみが❺ 専門医療機関への入院が可能となります。
武漢ウイルスを世界にまき散らした中国や、それに事実上加担したWHOのテドロス事務局長は論外として、欧米先進国のリーダーも西洋医学の制度的ドグマから抜け出せず、よって多くの人々を苦しめています。そのドグマとは、「診断あって治療あり、診断無くして治療なし、検査無くして診断なし」という偏狭な思い込みです。これは、世界中を支配している誤った戦略です。
もし、その検査が何らかの理由で迅速に実施できないとしたら、その検査の精度が十分でないとしたら、その検査の結果が陰性だとして、いつ陽性になるかもしれないとしたら、その検査のために多くの医療従事者のマンパワーが奪われて、救命するための資源が枯渇してしまったとしたら、いったいどんな意味があるというのでしょうか。
当面の間、『すべての国民が自らをCOVID-19の患者であるという意識で団結して、身を慎むなり、工夫を凝らすなりの行動変容』が求められるのではないでしょうか。自分でできることは、可能な限り自主的に早急な対策を講じることです。
それでは、どのような工夫ができるでしょうか。それは、予防と早期治療介入です。当たり前のようですが、遅くともPCR検査が必要だと感じられた時点で増悪予防対策を講じることです。
繰り返しますが、もし、あなたが『すべて保険医療で』と考えたとしたら、とても後悔することになるかもしれません。これに対して、東洋医学は、手当てをしながら見立てていくことを得意とします。確定診断がつかない段階であっても、より適切な全身管理をすることによって免疫機能を維持することが可能だからです。
その漢方処方ですが、これは保険医療で扱えることもありますが、未曽有の非常時にあって、初診からの遠隔診療を解禁している割に、役所の反応は良くありません。あまり期待しないでください。なぜならば、この間の社会保険診療報酬支払基金の反応をみると、たとえば「柴苓湯」などといった感染症に有効、有力、有用な漢方薬を1日あたり1包のみの処方でさえ減点の対象として狙い撃ちされているからです。当局は、医療機関がどれほど苦労しているのかをまるで理解せず、執拗にペナルティを課そうとしているかのようです。
行政は、国民を助ける個人や組織を支援してこそ、非常時においても存在価値があるというべきですが、残念なことですが、私自身は30年以上の間、足を引っ張られることはあっても、助けてもらった経験はほとんどありません。
今回は戦略論でしたが、次回は、いよいよ具体的な戦術論に入っていきたいと思います。
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