COVID-19に対する鍼灸治療介入に関するガイドライン(第2版)速報No1.自宅でできる抗コロナ鍼灸療法

現論文タイトル:中国针灸学会 新型冠状病毒肺炎针灸干预的指导意见 (第二版)

The China Association of Acupuncture and Moxibustion issued Acupuncture Treatment Guidelines for COVID-19

 

日本語翻訳・解説:杉並国際クリニック 飯嶋正広

 

世界鍼灸学会連合会

 

WORLD FEDERATION OF ACUPUNCTURE AND MOXIBUSTION SOCIETIES (WFAS)
TCM(Traditional Chinese Medicine鍼と漢方治療)はCOVID-19(コロナウイルス)の治療に効果的であるとのことです。北京保健委員会は、北京のCOVID-19患者の87%が伝統的なTCM治療(鍼と漢方治療)を受けたとのことです。そこでTCM治療を受けている患者の合計有効率は92%であるとしました。

 

同員会の広報担当者Gao Xiaojun氏はTCMは「治癒率の改善と死亡率の低下に積極的な役割を果たしてきた。」と発表しました。同委員会は、COVID-19患者の予防と治療のための治療プロトコルを確立するために、市、区、病院レベルのTCM専門家グループを設立しました。

 

TCM施術者がコロナウイルスの予防、治療をするため、中国鍼灸協会はCOVID-19の鍼治療ガイドライン(第2版)を発行しました。世界鍼灸学会連合会を通して、英語、フランス語、スペイン語の他、ドイツ語やポルトガル語にも翻訳されていますが、日本語の翻訳はありません。

 

 

このガイドラインは以下の3部立てで構成されています。

 

Ⅰ.針治療介入の諸原則

 

Ⅱ.鍼灸治療介入の方法
 

Ⅲ.医師の指導下での家庭鍼灸治療介入

 

逐次翻訳を進めていきますが、本来の順序と換えて、一般向けの内容である、第三部からご紹介することにしました。

 

以下、青文字が中文(中国語原文)、黒文字が日本語(日本語試訳)です。
そして、最後に杉並国際クリニックでの実践例をご紹介させていただきます。

 

 

三、居家人员在医生指导下的自我针灸干预

Ⅲ.医師の指導下での家庭鍼灸治療介入

 

(中文)

为助力新冠肺炎的疫情防控,在减少外出、避免交叉感染、
阻断传染源、保障安全的同时,对居家隔离与出院居家康复的
患者,可通过网上诊疗、线上指导、科普宣教,在专业人员指
导下进行相关的针灸干预:

 

(私訳)

COVID-19の感染拡大を予防し制御することの助けとするために、外出を控える一方で、交差感染を避け、感染源を遮断し、安全を確保し、自宅隔離して病院から退院した患者は、オンライン診療、指導パンフレット、科学教育番組を通して、専門家の指導の下に鍼灸治療をすることが可能

 

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灸療法:

足三里(ST36)、内関(PC6)、合谷(LI4)、気海(CV6)、
関元(CV4)、三陰交(SP6)などの経穴上に自分でお灸をしてみましょう。
それぞれのお灸には約10分をかけてください。

 

応用療法:

足三里(ST36)、内関(PC6)、気海(CV6)、関元(CV4)、
肺兪(BL13)、風門(BL12)、脾兪(BL20)、大椎(GV14)などの経穴上で灸熱ペーストまたは温灸クリームを施してみましょう。

 

経絡マッサージ:

上肢の肺および心経、下腿の脾および胃経の経絡上で捏ねる、圧する、こする、叩く、なでるなどの方法を使ってみましょう。それぞれの経絡施術は15から20分をかけてください。施術部位に痛みがでるのは適切です。

 

伝統的体操:

易筋経,太極拳、八段錦、五禽戯など適切な伝統的体操を御自分の回復状態に応じて選びましょう。1日1回、1回につき15から30分間行いましょう。