4月11日(土)イタリア語旅行

なぜイタリアでの混乱が収まらないのか?No1

 

イタリアの全国紙を覗いてみよう!

 

私が最初にイタリアの地を踏んだのは15年ほど前のことです。イタリア人は朝、バールやタバコ屋、また街角の新聞スタンドで新聞を購入していました。

 

イタリアでは、新聞は配達されないことや、各紙は日刊のみで、夕刊が無いこと、多くの人々は毎日ではなく、必要なタイミングで購入して読んでいることは帰国後に知りました。

 

イタリア在住の方の話では、日本ではタブー視されかねない、宗教や政治が話題となり、よく「右か左か」と政治的傾向を気軽に問われるそうです。

 

イタリアの代表的な全国紙としては"La Repubblica紙"(ラ・レプッブリカ紙)は中道左派、Il Giornale紙(イル・ジョルナーレ紙)は中道右派など、それぞれの新聞に政治色が反映されています。私は、イタリアの実情を良く知るためには、この両方の新聞を読み比べてみることは、とても意味があることだという予想をたてています。

 

なぜイタリアでの混乱が収まらないのか?

 

この問いの答えを探すためには、まず、現政権の立場と距離が大きい、Il Giornale紙
を読んでみたいと思います。そこで、簡単にこの新聞の紹介をしておきます。

 

 

il Giornale (dalla fondazione sino al 1983 il Giornale nuovo) è un quotidiano a diffusione nazionale fondato a Milano nel 1974 da Indro Montanelli, il quale lo diresse ininterrottamente fino al 1994. Dal 1977 è di proprietà della famiglia Berlusconi (dal 1992, di Paolo Berlusconi).

イル・ジョルナーレ(創立時から1983年まではイル・ジョルナーレ・ヌオヴォ)はインドロ・モンタネッリが1974年にミラノで創刊し、1994年まで運営した全国紙です。1977年からはベルルスコーニ一族(1992年以降はパオロ・ベルルスコーニ)の所有となっています。

 

Di orientamento liberale e conservatore, Montanelli gli impresse una linea fortemente indipendente dai partiti politici. Dopo l'uscita del fondatore, in occasione della «discesa in campo» di Silvio Berlusconi, si attestò invece sulle posizioni di Forza Italia, e in generale dell'area italiana di centro-destra.

リベラルでありかつ保守的リーダーの一人であるモンタネッリは諸政党から明確に独立した路線を打ち出しました。モンタネッリは創設者として出発した後、シルヴィオ・ベルルスコーニが「下野した」ことを契機として、フォルツア・イタリア(イタリアの力:がんばれイタリア)の支持に回りイタリアの中道右派の幅広い層の上に立ちました。

 

註:フォルツァ・イタリア(イタリア語: Forza Italia, "FI")は、イタリアの政党。フォルツァとはイタリア語でがんばれを意味し、「フォルツァ・イタリア」という言葉は本党の設立以前から使われてきました。1994年、シルヴィオ・ベルルスコーニにより結成され、ベルルスコーニは初代党首に就任しました。2008年の総選挙前、先に合同を果たした中道左派政党の民主党(PD)に対抗すべく結成された連合を基に、2009年3月創設された新党の自由国民(自由の人民)結成に伴い、解党してこれと合流しました。しかし、中道右派陣営の分裂は深まり、2013年には自由国民の解党により、ベルルスコーニは党再建に舵をきりました。ただし、党勢はしばらく低迷し、2018年の総選挙では同盟に中道右派第一勢力の座を奪われ、かつての中道右派陣営の盟主としての地位は危機に瀕しています。

 

 

おまけ。2018年3月4日の総選挙にて左派ポピュリズム(大衆迎合)の五つ星運動が大勝し、5月21日に同党は右派ポピュリズムの同盟と共に閣僚評議会(内閣に相当)の議長(首相に相当)として政党に属さない法学者のジュゼッペ・コンテ氏を首相に担ぎ出し、セルジョ・マッタレッラ大統領に推薦し、同月23日に大統領はコンテを首相に指名し、組閣を指示しました。

 

なぜイタリアでの混乱が収まらないのか?

ベルルスコーニの中道右派陣営が破れて、コンテ政権が樹立したことが、現在のイタリアやEUにとって良い結果をもたらしたのか、ということを、今後検討してみたいと思います。