令和二年度の日本医学会所属各分科会の開催延期の動きから見えてきたこと
4月1日から「東京都受動禁煙防止条例」・「改正健康増進法」が全面施行され、決められた場所以外では、喫煙できなくなりました。
さて、私が関与する医学の各学会の開催の延期の連絡が続いているため、今後の学会出張に伴う休診日の変更の見通しをつけることは難しいことを御報告いたしたばかりです。
4月と5月の学会出席はすべて開催側からキャンセル(延期決定のため)となりました。
休診とせず、すべて通常通りの診療となります。
本日、ついに、無期延期(期日を定めずに延期すること)を決定した医学会があらわれました。以下は、本日私宛にとどいたばかりのメールの本文です。しかも、4月2日に臨時理事会(メール審議)が開催されるのは、異例な緊急事態であることを示唆するものです。
この学会(日本温泉気候物理医学会)は、昭和9年に設立され、温泉療法・気象医学・鍼灸を含む物理療法やリハビリテーション医学に関する日本医学会の第15番目の分科会です。昭和9年当時、東京大学医学部内科物理療法学教室(後に東大アレルギー・リウマチ科に改称)、日本温泉協会学術部を母体として結成され、今日に至る長い歴史を誇る学会です。私はこの学会での研鑽によって薬物以外の治療方法(自然療法を含む非薬物療法)の重要性と有効性を深く認識し、当学会が認定する「温泉療法専門医資格」を得ており、水氣道®や鍼灸療法をはじめ非薬物療法による痛みのコントロールやリハビリテーションに力をいれてきました。
私が関連する医学会で、アレルギー専門医・リウマチ専門医・漢方専門医といった専門性を順次獲得することができた契機も、また、開業医としての臨床の現場を一切離れることなく、水氣道を続けながら、保健学修士、医学博士の学位を東大から授与されたのも、この学会にモチベーションの原点があったからだといえます。
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会員番号1276 飯嶋 正広 様
一般社団法人日本温泉気候物理医学会
会員 各位
この度の新型コロナウイルス感染症に罹患されました皆様には謹んでお見舞い
申し上げるとともに最前線で対応されておられる皆様に心より敬意を表します。
早速ですが、今般の新型コロナ感染症(COVID-19)の拡大の影響を鑑み、
4月2日、臨時理事会として、第85回総会・学術集会の開催についてのメール審議を行いました。
理事全員の了承により、5月を予定しておりました第85回総会・学術集会は、
延期と決まりましたので、ご報告申し上げます。
今後につきましては決まり次第、速やかにお知らせ致しますので、
今しばらくお待ちいただきますよう、お願い申し上げます。
温泉療法医会総会、第41回温泉療法医教育研修会、役員会議等につきましても
併催のため、同様に延期とさせて頂きたく存じます。
皆様には、ご迷惑をおかけいたします。
何卒、ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
理事長 宮下 和久
第85回総会会長 武田 淳史
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実は、私は、近々この学会からの連絡が届くことを想定していました。この学会に限らず、もし日本の専門家や医師集団が、まともな判断ができずに予定通りに実施するようであれば、取り返しのつかない事態となると心配していたため、とりあえず最悪のシナリオは免れたものと考えています。ただし、想定通り、忌々しき事態であることには変わり在りません。それが、より具体化してきました。
まず、この学会の会員の中ですでに新型コロナ感染症に罹患した医師が存在することが第一点です。
次に、4月2日に至って緊急に臨時理事会を開催せざるを得なかったのかの背景があることが第二点。
さらに、『理事会の満場一致での了承』という確固たる見識の集約であることが第三点。
それから、繰り返しになりますが、「現時点で、延期時期については決定できない」、というのが第四点です。
これまでを振り返りますと、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、首都圏においても外出の自粛要請が発表された直後に、4月10日に開催予定の日本内科学会から一葉の葉書が届きました。
第117回日本内科学会 講演会の開催延期について
と題したものです。
4月10日(金)~12日(日)の開催予定が、8月7日(金)~9日(日)への延期はすでに決定しておりましたが、一抹の不安がありました。
その一つは、優秀であるはずの日本内科会が、来年であればいざしらず、今年の8月開催という決定を、本当に妥当なものと判断した結果なのか、という大きな疑問が残ったからです。それに付随して以下の懸念材料がありました。
まず第1点は、新型コロナ感染の広がりの中で、その中核となる内科医、それも一定レベル以上の医師が全国の医療現場を離れることは、どのようなことを意味するか、ということ
第2点は、内科学会総会で多くの内科医が感染してしまうことのリスクおよびその後の医療供給の主戦力を損なってしまった場合にもたらされる医療危機
しかしながら、学会の方針は、講演会についてはLIVE視聴配信(事前登録制)等での参加方法を採択したとのことでした。
これは新型コロナウイルス感染症の収束は、当面の間、見込めないということ、いくら優秀な内科医が束になっても、医学の素人である大衆と何ら変わることのないウイルス弱者に過ぎないという事実に改めて直面せざるを得ません。
ウイルスによる猛攻に対して、素手で立ち向かわざるを得ないのが現状の内科医の実像だということを意味します。
そこで、私個人の基本的方針として、今年度は都外の地方での学会出席は可能な限り制限していくことにしました。
さて、オリンピック2020の開催予定日が来年の7月24日に延期されました。そのあと、今年6月に開催される予定であった仙台でのある学会が、来年の8月中旬に延期されました。この決定は3月31日になってなされました。
実は、この絶妙なタイミングでの一連の延期情報から、コロナ問題にまつわる課題の深刻さが、ある程度推測できるのではないかと思います。
以下は、私、飯嶋正広個人の推測に過ぎないことを予めお断りいたしておきます。
わが国のコロナ対策をリードしている学術的エキスパートの一大拠点は東北大学と東北医科薬科大学関係者です。そして来年8月中旬に延期した学会の事務局は福島県立医科大学です。学会会場が仙台国際センターということもあり、両者間では事前に密接な情報のやりとりがなされていないと考えるのは不合理です。
この事実関係から、来年8月にコロナウイルスの国内での流行が収束するであろうと判断するのは早計だろうと私は推定しています。むしろ、収束する見込みが少ないために、オリンピック開催決定日より3週程後の期日に設定したとも考えられるからです。その背景としては、コロナ問題が解決せずに事実上2020年オリンピックが中止となった場合、当該学会開催の再度延期の決定の根拠が明確になるからです。残念ながら、この間の事情を学会事務局に問い合わせることはナンセンスであるので確認することは差し控えます。
そのように考えると、来年7月のオリンピック開催決定も掛け声だけに終わってしまう可能性があるものと推測することも可能だと思います。
以下、4月3日現在での私の学会出席の予定プラン(改訂版)です。
赤い数字は休診日、緑の数字は診療日です。
4月:学会出席はありません。
第64回日本リウマチ学会総会およびアニュアル・レクチャー
⇒8月に延期
5月:学会出席はありません。
第85回日本温泉気候物理医学会(早大・井深大ホール)
<温泉療法専門医>としての研修
⇒無期延期
6月:学会出席2件
第71回日本東洋医学会(仙台国際センター)
⇒2021年8月13日~15日に延期
<漢方専門医>としての研修
第61回日本心身医学会(札幌コンベンションセンター)
26日(金)・27日(土)
<心療内科指導医・専門医>としての研修
2020内科生涯教育セミナー(大阪)
28日(日)
7月:学会出席はありません。
8月:学会出席4件
第64回日本リウマチ学会アニュアル・レクチャー・コース(京都国際会館)
3日(月)
<リウマチ専門医>としての研修
第64回日本リウマチ学会総会(京都国際会館)
4日(火)~6日(木)
<リウマチ専門医>としての研修
第117回日本内科学会(グランドプリンスH新高輪)
7日(金)・8日(土)・9日(日)ただし、LIVE配信
<認定内科医>としての研修
第14回相模原臨床アレルギーセミナー(パシフィコ横浜)
21日(金)・22日(土)・23日(日)
<アレルギー専門医>としての研修
9月:学会出席1件
第69回日本アレルギー学会(京都国際会館)
17日(木)・18日(金)・19日(土)・20(日)
<アレルギー専門医>としての研修
10月:学会出席1件
第25回日本心療内科学会(仙台国際センター)
31日(土)
<心療内科指導医・専門医>としての研修
11月:学会出席1件
第25回日本心療内科学会(仙台国際センター)
1日(日)
<心療内科指導医・専門医>としての研修
2021年
1月:学会出席はありません。
2月:学会出席1件
第54回日本痛風・尿酸核酸代謝学会
11日(木)・12日(金)
<認定痛風医>としての研修
3月:学会出席はありません。
2020年に引き続き欧州での国際学会出席は辞退することにいたしました。
8月:学会出席1件
2021年8月13日(金)~ 15日(日)
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