御報告:痛風協力医療機関の新規「認定痛風医」の役割

本日、認定痛風医の証書が本日早めに届きました。

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そこで、あらためてこれまでの診療歴を振り返ってみると、高円寺南診療所(現、杉並国際クリニック)は痛風協力医療機関として

 

平成10年9月30日付けで認定されていました。

 

およそ20年余りの痛風協力医療機関として診療経験を重ねてきたことになります。

 

この間、痛風関連の医学は大きく変化してきました。

 

2018年12月に8年ぶりの改訂となる「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」が出され、去年(2019年6月)にはそのダイジェスト・ポケット版が刊行されました。

 

最近の研究では、尿酸値が基準値を超える「高尿酸血症」を放置すると、痛風だけでなく、メタボリックシンドローム(肥満・高血圧・高血糖・脂質異常症)や尿路結石、腎障害、脳・心血管障害の危険因子となる可能性も指摘されています。

 

ですから、痛風認定医は、代謝疾患としての痛風だけを診ていればよいのではなく、循環器系、脳神経系をはじめ腎臓・泌尿器系、整形外科系などの総合的な診療がますます必要となってきます。

 

杉並国際クリニックとしては、上記の各疾患ごとの個人シートをデザインして、実際に使用しているので、すでにこうした変化にお気づきの方も多いものと思います。

 

また、痛風や高尿酸血症は精神的なストレスによって増悪することは知られていますが、私自身が心療内科指導医であるにもかかわらず、この方面の研究に関与できなかったことを大いに反省しております。

 

証書が少し早めに届いたというのは、正式な認定開始が令和2年4月1日からだからです。

 

認定痛風医の認定番号は0066です。

 

これは国内で66番目の痛風認定医ということです。

 

現在、都内痛風認定医の数は13名なので、

 

4月1日には都内で14番目の痛風認定医になる予定です。

 

 

痛風患者数は2016年の国民生活基礎調査を元に算出すると110万人。

 

高尿酸血症の患者「尿酸値が高めだけれども症状が出ない人」はその十倍以上、少なくとも1,000万人以上と推定できます。

 

今後、中高年の人口が増え続ける間は、患者の増加傾向がしばらく続くことが想定されています。

 

糖尿病が予備群合わせて2,000万人に対して糖尿病専門医 4,555 名(平成24年)ですから、痛風診療のエキスパートも2000人以上は必要となるはずです。

 

14人の痛風診療エキスパートだけで都内のすべての痛風患者を診療することは不可能です。

そこで私の役割とそしては、数少ない開業医の立場のエキスパートとして、これまでの診療スタイルを堅持しつつ、将来に向けての痛風診療実践システムのモデルを構築していきたいと考えております。

 

なお運動療法として水氣道®による高尿酸血症・痛風の治療には長年の実績があります。

 

また、4月中旬には、食事療法のテキストとして

 

「わかりやすい臨床栄養学第6版(三共出版)」が刊行される予定です。

 4月中に改めてご紹介いたします。

 

 令和2年3月26日