脂質異常症の治療指針(杉並国際クリニック2020初版)
C.
非薬物療法: 生活習慣の改善(食事療法、運動療法)
嗜好改善:禁煙(受動喫煙防止も含む)⇒動脈硬化症予防に必須
食事療法:
① 制限すべきもの:
脂肪(飽和脂肪酸・トランス脂肪酸・コレステロール)、エネルギー・アルコール・糖質
②摂取すべきもの:
適量のビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取
高カイロミクロン血症では中鎖脂肪酸
運動療法:
❶ 有酸素運動:中強度、≧150分/週、≧3回/週
運動をしない日が2日以上続かないように実施
\❷ レジスタンス運動:2、3回/週、連続しない日程で実施
心身医学療法:水氣道®
<解説>
レジスタンス運動、あるいは両者を組み合わせた運動は、血中脂質を改善させることが実証されています。特に水氣道®は有酸素運動、レジスタンス運動の両者を組み合わせた優れた運動プログラムであり、血圧や血糖の降下効果の他に、血中脂質を改善し動脈硬化予防効果の実績があります。
D. 薬物療法:
❶ 薬剤選択の原則
〇 スタチンを選択すべき条件:
高LDL-C血症、家族性高脂血症
特に、二次予防or低下させるべきLDLコレステロールの落差≧30㎎
の場合はストロングスタチン⇒
アトルバスタチン(リピトール®)、ピタバスタチン(リバロ®)
ロスバプタチン(クレストール®)
〇 フィブラート系薬を選択すべき条件:
高TG血症単独or TG≧500㎎/dL
❷ 病型ごとの薬剤選択
Ⅱa型・Ⅱb型⇒第1選択薬:スタチン
薬物相互作用の可能性の少ない薬剤⇒
プラバスタチン(メバロチン®)、ピタバスタチン(リバロ®)
ロスバプタチン(クレストール®)
第2選択薬:エゼミチブ、陰イオン交換樹脂
高度の高C血症を呈する家族性高脂血症:PCSK9阻害薬を併用
Ⅲ型・Ⅳ型⇒
第1選択薬:フィブラート系薬(特に高尿酸血症を伴なう場合など)
第2選択薬:ニコチン酸系、多価不飽和脂肪酸(ω3脂肪酸;ロトリガ®)
❷ 第一選択薬のない病型の治療法
Ⅰ型⇒
(食事療法);Ⅴ型⇒フィブラート系、ニコチン酸系、多価不飽和脂肪酸製剤
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