2月27日 造血器悪性腫瘍の緊急初期対応を要する局面(No.4)

‐上大静脈症候群‐

 

肺および縦隔病変による上大静脈の直接圧迫や、上大静脈内の血栓などが原因となります。

 

症状は、頭頚部、上肢および上部胸郭を環流する血流の障害により発生します。原因疾患としては、小細胞癌などの肺癌が最多ですが、悪性リンパ腫による頻度も高いです。
 

部位診断は造影CTにより可能ですが、治療方針を決定するためには何らかの組織診断を行う必要があります。
 

 

原疾患に対する治療としては、以下のように選択します。

 

化学療法に対する感受性が高い場合:抗がん化学療法単独
化学療法に対する感受性が低い場合:放射線療法
 

 

対症療法としては、閉塞した上大静脈内にステントを留置して静脈環流を確保する方法をとります。

 

そうすることによって即効性の症状緩和が期待できます。原疾患が治療抵抗性の場合は、特に有効かつ有意義な症状緩和療法となります。