水気道稽古報告 2月26日(水)

令和2年2月26日(水)

10:00~11:00

藤村温水プール

参加総数:9名

監督指導者:水氣道正七段飯嶋正広

指導員:水氣道正五段 村上健介

受付:主当番修錬生(水氣道1級) 加藤博文

副当番訓練生(水氣道5級) 野口将成

報告者:野口将成

 

 

稽古内容

1) 浅い主レーンにて指導員の主導の下、参加者9名が揃うまで村上流で合同稽古をした。

 

2) 浅い主レーン(指導員)から分かれて、深い副レーン(監督指導者)を編成した。

 

A組:浅い主レーンは、引き続き村上流で行った。

 

B組:深い副レーンでは、監督指導員より階級ごとに、イキイキ体操新項目を伝授した。

 

第1陣:監督指導者の下、修錬生3名、2級中等訓練生がインストラクション

 

第2陣:監督指導者の下、2級中等訓練生が訓練生2名のインストラクターを務めた

 

 

3) 浅い主レーンにて指導員主導の下、全員合同で水中ダッシュ訓練<6秒四肢振り法>を実施した。

 

 

 

所感:

参加者が一桁となり、少人数の稽古でした。しかし、その分、全体の合同稽古が質の高い稽古ができました。支援員が参加できなかったことは残念でしたが、その分、村上指導員をはじめ修錬生3名が積極的に充実した稽古を支えてくれました。

 

 

解説:村上流稽古法についてご紹介します。

村上流の稽古の流れは、以下のように整理することができます。

 

① ウォームアップ:特に下半身を動かして水環境に馴らす(村上流親水航法)

 

② 下肢→上肢のストレッチ:股関節、肩関節を中心に(村上流準備体操)

 

③ 四肢(下肢、上肢)の負荷運動:負荷漸増法(運動負荷を徐々に強くしていく)

 

④ 6秒四肢振り(腕振り⇒足振り⇒腕足振り)(村上流無酸素パワー運動)

 

村上流水氣道に参加して、間に休みを挟みながら(インターバル・トレーニング)、徐々に負荷の高い運動へのメニューの組み立て(負荷漸増法)が参考になりました。

 

それに加えて運動中に体の何処を使っているか(ボディ・スキャニング)の説明が解りやすかったです。運動の意義・目的を理解して稽古することによって、運動効果を一層高めることができることも改めて学ぶことができました。

 

また<6秒四肢振り法>の意義について、指導員と監督指導者からブリーフィングがありました。<6秒四肢振り法>は無酸素運動トレーニングです。無酸素運動とは、短時間に強い力を発揮する運動です。

 

無酸素運動とは言っても運動中に呼吸をしていないということではありません。筋を収縮させるためのエネルギーを、酸素を使わずに作り出すことからこのように呼ばれています。

 

筋を収縮させるための直接的なエネルギー源はアデノシン三リン酸(ATP)です。安静時から筋にはATPが蓄えられており急な運動時にすぐに使えるようになっていますが、蓄えられている量には限りがあるため6秒程度ですぐに枯渇してしまいます。

だから、村上指導員は、間に休憩を挟むインターバル運動を指導するのです。

 

指導監督者の解説の要点は、無酸素運動は短時間しか継続することができませんが、大きな力の発揮や速い運動を行うことができるということです。

そのため筋線維の中でも特に速筋(タイプⅡ線維、白筋)が使われます。

速筋は速い速度で強い力を出すことができます。しかし、主として遅筋を使う有酸素運動とは違って、酸素を利用したエネルギー生産能力やATP利用効率は低いことが特徴です。

 

<6秒四肢振り法>は、加齢にともない萎縮しやすい速筋を鍛えることを目的とします。速筋は無酸素運動の際に働くため、無酸素運動を行うことで年齢に関係なく速筋の筋量・筋力を高めることができます

。速筋の筋量・筋力と、障害の有無や転倒リスクには関連があることが明らかになっているため、健康や体力の維持のために無酸素運動は欠かせない運動といえます。


なお、深いプールでは、有酸素運動を行なっていました。修錬生の間での互助修錬の直後に、稽古を受けた直後の修錬生が訓練生と協働訓練を試みる方法は水氣道独自の稽古法です。

今後は、直列協働訓練に展開し、支援員-修錬生-訓練生のトリオ稽古、さらには修錬生-訓練生-体験生のトリオ訓練が実施できるように心がけていきたいものです。

 

 

補足説明:

運動を続けるためには、筋肉中のグリコーゲンや血液や肝臓に蓄えられたブドウ糖をエネルギー源として新たにATPを作り出す必要があります。

その際には取り込まれる酸素の量が不足している状態でもATPを作り出すことができますが、ATPを作り出す過程で同時に乳酸が生じます。

このように作り出されたATPを利用して運動をすることを無酸素運動といいます。

 

そして、高強度の無酸素運動を持続できる時間は1~3分が限度です。

さらに運動を続ける場合には十分な酸素が必要となります。水氣道は有酸素運動と無酸素運動の両方の運動を組み合わせて行う統合的エクササイズなので、無酸素運動の持続時間を6秒として、インターバル訓練が可能なようにデザインされてい