2月13日 非アルコール性脂肪性肝疾患(その4)

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)肝癌リスク評価

 

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)において、脂肪肝の診断は超音波画像によって行われてきましたが、軽度の脂肪肝を見逃してしまうという問題点が指摘されています。

 

NAFLDでは、肝線維化が生じやすく、これが発癌や予後と相関するため、とくに高度線維化症例の拾い上げが最も重要な課題です。

 

 

肝障害を指摘された症例、肥満、糖尿病ならびに脂質異常症などの代謝性危険因子を有する症例は、腹部超音波検査(Bモード)を行ないます。

 

そこで脂肪肝の所見が確認された場合には、肝線維化マーカーを評価する必要があります。

 

またBMI高値や糖尿病の合併を契機として超音波検査を用いて肝硬変合併例を発見し、肝癌サーベイランスを行なうことが現時点での肝癌早期診断への方策になります。

 

 

肝臓の線維化マーカーを評価するための基礎データを得るためには、まず血液検査によるスクリーニング(ウイルス性肝疾患、アルコール性肝疾患当を除外)をすると同時に(FIB-4,NFSなど)の評価のための基礎データを確保します。

 

FIB-4<1.3、NFS<-1.45は低リスクと考えられるため、採血や画像検査のフォローアップで問題はありません。その他の症例は中・高リスクの可能性があるため、さらなる精密検査を行います。