聖楽院<研究科>レッスン報告 1月30日(木)

9:30~11:30(ピアノ吉田奈津子) レッスン会場:東高円寺・音海

 

開始時間が10:00となったため30分の短縮稽古となった。

ヴァッカイの声楽教本

#1.Vaccaj metodo pratico di canto (Soprano o Tenore),RICORDI

#2.ヴァッカイ声楽教本(ソプラノ・テノール用)編集・上浪明子
   全音楽譜出版社

 

第14課 レチタティーヴォ 

歌唱言語:イタリア語⇒上浪訳日本語⇒飯嶋私訳

 

第15課 まとめ 

歌唱言語:イタリア語⇒上浪訳日本語⇒飯嶋私訳

 

 

まとめ:
リコルディ版のバッカイの楽譜には、イタリア語と英語の対訳での解説が充実している。

とくに作曲者バッカイ自身による注意書きが興味深い。今回は第14課の註を読んでみると音節とアクセントの処理法について有益なヒントが得られる。

 

ここでAとは何か?楽譜上にAという記号(おそらくAccento:アクセントの頭文字であろう)が音符の上に示されていることに気づいた。

 

全音の楽譜(上浪版)では、これらの解説が省かれているのでリコルディ版の楽譜はとても貴重である。次回は、この指示に従って稽古を進めることにする。

 

以下、飯嶋試訳

LEZIONE XIV Il Recitativo

第14課 レチタティーヴォ 
     Scrive Vaccaj:

 

ヴァッカイの註
≪Nel Recitativo è necessaria una sillabazione distinta e decisa, e senza una perfetta accentazione non se ne potra ottenere un buon effetto.

レチタティーヴォでは音節の区分を明瞭にはっきりと発音する必要があるのだが、アクセントを完璧にしないと、優れた効果は発揮できない。

 

 

Allorché s'incontrano due note simili nel mezzo, quella ove cade l'accento della parola dev'essere intieramente convertitia in appoggiatura della seguente: il che più chiarezza viene indicato con una A sopra la nota dell’accento.≫

一つの単語の中に同じ音が含まれている場合には、単語のアクセントがくる音は、それに続く音の長前打音にすべて変換しなければならない。アクセントがくる音の上に表示したAで、その箇所が分かるようにした。