「飲んでいる薬のことを家族や周りの人に伝えておく」
抗血栓薬の中には、速やかにその抗凝固活性を消失させる薬が存在するものもあります。
しかし、その種類はそれぞれの抗血栓薬で異なるため、患者さんが服用している抗血栓薬を医療者側が分からなければ、適切な薬を使うことはできません。
ところが、救急医療に携わっている私たちでさえ、救急車内あるいは救急外来で、患者さんから「今こういう薬を飲んでいます」という情報が得られる確率は高々2割未満です。
患者さん本人の意識がないケースもあるので、家族の方や周りの方も、患者さんが服用している抗血栓薬の名前をぜひ知っておいてほしいと思います。
さらに、けがをしたときに意識がなく、周りに誰もいないケースもあるので、お薬手帳や服薬カードを常時携帯していると、救急医療の従事者の迅速的確な判断と対処を受けるための決め手になります。
抗血栓薬を服用している人は服用していない人に比べて、後遺症の割合や死亡率が明らかに高いのです。
救急搬送された患者さんから抗血栓薬の情報が得られれば、より適切な治療を行うことができ、良好な転帰が得られる確率も上がるはずです。
服用している抗血栓薬の情報を医療関係者にしっかり伝えてほしいと思います。
抗血栓薬を服用中の患者さんとその家族の方に知ってほしいこととして、次の3点が、本日までのまとめです。
① 抗血栓薬の作用を理解し、医師の指示通りに服用すること、
まず、患者さんには抗血栓薬がどのような薬かを理解していただきたい。
② 抗血栓薬により血が止まりにくい状態にあるため、転倒・転落で頭部に受傷した際に、本人や家族が少しでもおかしいと思ったら迷わず医療機関を受診すること、
つまり、頭をぶつけたときには遠慮せず医療機関を受診していただきたい。
③ 抗血栓薬によって血が止まりにくくなっている状態を速やかに改善させる中和剤がある抗血栓薬も存在するので、自分が飲んでいる抗血栓薬の名前を本人と家族が覚えていただきたい。
お薬手帳や服薬カードを携帯しておくことも有用です。
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