在宅酸素療法の社会保険適応基準に関しては、以下のように定義されています。
1) 高度慢性呼吸不全
動脈血酸素分圧が55Torr以下、および60Torr以下で睡眠時や運動時に著しい低酸素血症を認め、医師が在宅酸素療法が必要と認めた者。SpO₂の推測値を用いてもよい。
2) 肺高血圧症
3) 慢性心不全
ニューヨーク心臓協会(NYHA)Ⅲ度以上と認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸があり、無呼吸低呼吸指数が20以上と睡眠ポリソムノグラフィ―で確認されている症例
4) チアノーゼ性先天性心疾患
ファロー四徴症や大血管転位症などのうち、発作的に低酸素・無酸素となる症例
慢性呼吸不全の診断基準に該当するだけでは、社会保険で在宅酸素療法を受けることはできません。パルスオキシメータがあれば、高度慢性呼吸不全か否かの診断をすることができます。
高度慢性呼吸不全の定義が書かれていますが、動脈血酸素分圧が55Torr以下であるとすれば、パルスオキシメータでは88%に相当します。
在宅酸素療法の社会保険適応となる疾患は、高度慢性呼吸不全や肺高血圧症など呼吸器疾患ばかりでなく、慢性心不全や一部の先天性心疾患も含まれています。心臓と肺の機能は互いに補いあい助け合っているので心肺機能の評価はとても大切だと考えます。
もっとも、肺高血圧症は、呼吸器疾患として位置づけられることが多いですが、肺循環障害であるため循環器疾患としての側面をもっています。
杉並国際クリニックでは、水氣道会員であるか否かを問わず、定期通院されている皆様に3カ月ごとのフィットネスチェック(体組成・体力検査)を推奨しています。
これは、医学的検査にフィットネスチェックを加えることによって、より早い段階で体調・体力の変化や身体構造の変化を把握することができるため、先制医療のツールメソッドとして有益な役割を担っています。
呼吸不全や心不全に至る以前から、肺機能検査による肺年齢の評価や、運動負荷心電図検査による心電図異常が出現する前の未病(病気として自覚される前の不健康状態)を評価することができることは、とても大きな意味を持っていると思います。
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