11月7日 脳心血管病予防における慢性腎臓病(CKD)の考え方

3) CKDの管理・治療

 

CKD患者の生活習慣改善のポイントは、禁煙と肥満・メタボリックシンドロームの是正です。

 

ただし、杉並国際クリニックでは、前身の高円寺南診療所時代の30年間に、禁煙指導を徹底してきたため、喫煙者であった方もほぼ禁煙に成功されました。

 

また、肥満・メタボリックシンドローム等も生活習慣カウンセリングや水氣道®参加の推奨により、該当者はかなり減ってきました。肥満・メタボリックシンドロームの方には、運動療法の実践が重要となり、運動量を無理なく自然に徐々に増やしていくことができる水氣道®のような運動がのぞましいです。

 

まず、体重の3%減少を目標とすることになります。水氣道®の本稽古を週2回行うか、集に1回のみでも欠かさず参加できれば目標到達は容易です。

 

 

栄養に関しては、CKDの進展抑制のためには、蛋白質および食塩の摂取制限が推奨されます。


・蛋白質は、CKDステージG3aで0.8~1.0g/㎏/日、G3b以降で0.6~0.8g/㎏/日とします。最近の食事トレンドで心配になるのは極端な糖質ダイエットの流行です。糖質とはこの場合、ほとんどが炭水化物ですが、これを極端に減らした分の摂取熱量を脂質や蛋白質の増量で賄わなければなりません。腎機能の保持の観点から考えると、極端な糖質ダイエットは望ましくありません。

 

 

・食塩は、全ステージを通して3~6gとします。

 


・飲酒に関しては、適度であれば許容されますが、上限の目標は明らかではありません。実際に毎日晩酌を続けている方にとっての適度・適量はかなり制限しておかないと加齢に伴い腎機能低下は避けられません。

 

 

       <明日に続く>