第5週:アレルギー・膠原病・血液病 10月28日(月) 関節リウマチ診療の実際

1) 関節リウマチの診療の現実

関節リウマチの患者さんは、関節痛という症状のために、整形外科を受診されることが圧倒的に多いようです。しかし、早期の関節リウマチを的確に診断できる整形外科医は、残念ながらリウマチ診療の経験が豊富な優秀なドクターに限られるのが現状です。

 

当クリニックの初診患者で早期の関節リウマチが発見される例のほとんどは、患者さんご自身が関節リウマチを疑って受診された方です。このタイプの患者さんは関節リウマチの診断をして、早期発見例であることを説明するととても感謝してくださることが多いです。

 

これに対して複数の整形外科を受診したが改善しないために当クリニックを受診するに至った方はほとんど関節リウマチが見落とされたまま鎮痛剤処方のみを受けていた方々です。このタイプの方は、関節リウマチの診断をするととても落胆し、診断した私自身を含めて医師不振、医療不信に陥ってしまう方が少なくないので、とても心が痛みます。

 

そこで、つくづく感じることは、多くの皆様に、関節リウマチを知っていただくことの大切さです。その第一歩が、関節リウマチは関節痛や骨・軟骨破壊にとどまらない全身病であるということの理解です。関節リウマチは、専門の内科医が担当すべき病気であることを認識していただきくことが肝要かと思われます。もちろん、整形外科の先生方が関節リウマチを早期に診断して私共リウマチ専門医に紹介してくださることが望ましいのですが、そのようなケースは滅多にないのが現状だからです。

 

 <明日に続く>