第2週:循環器・腎臓病 10月8日(火) 脳心血管病予防のための血圧管理(管理目標を中心に)

1) 3つの血圧測定法と高血圧基準

 

正確な血圧値を診断することは、高血圧診断の前提となります。それでは、測定した血圧値が信頼に足るデータである場合に、それらを、どのようにして高血圧の診断に結びつけるのでしょうか。高血圧と診断する基準がありますが、これは血圧測定法によって異なります。

 

高血圧基準は、診察室血圧140/90㎜Hg以上、家庭血圧135/85㎜Hg以上、24時間自由行動下血圧の24時間平均130/80㎜Hg以上、昼間平均135/85㎜Hg以上、夜間平均120/70㎜Hg以上です。

 

ふつうは、診察室血圧と家庭血圧の2つの方法で十分ですが、24時間自由行動下血圧は、家庭血圧が測定できない場合や家庭血圧の変動が大きい場合等に行います。

 

「高血圧治療ガイドライン2019」(JSH2019)では、診察室血圧140/90㎜Hg未満においても、120/80㎜Hgを超えれば脳心血管病のリスクが増大することを強調しています。そして、特に130~139/80~89㎜Hgレベルを「高値血圧」と新しく命名しました。この「高値血圧」では、積極的に生活習慣修正が図られるべきであることに留意します。つまり、高血圧の診断に至る前の未病の段階からの指導が大切であることを意味しています。

 

<明日に続く>