第116回日本内科学会講演会は2019年4月26日(金)から28日(日)の3日間、名古屋で開催されました。未曽有の大型連休の前でもあるため、初日の26日(金)は出席せず、高円寺南診療所としての最終診療日としました。

 

しかし、4月26日(金)は、聞き逃したくない貴重な演題が目白押しでした。そこで、学会レジュメをもとに関節リウマチに関する重要なトピックを紹介します。

 

 

招請講演3.

骨と関節の科学―関節リウマチの病態を中心に、免疫系が骨代謝系に及ぼす影響および免疫系の制御による治療のパラダイムシフトについてー(その1)

 

21世紀に入って、モノクローナル抗体等の免疫学的手法およびJAK阻害等の免疫学的新知見を臨床応用することが実現しました。その結果、難治性とされてきた関節リウマチ等の全身性自己免疫疾患の治療にパラダイムシフトがもたらされました。

 

現在の関節リウマチの治療は、免疫異常を抑制して疾患活動性を制御することを目的として、抗リウマチ薬を用います。

 

抗リウマチ薬は、メトトレキサート等の従来型合成抗リウマチ薬、TNFやIL-6、T細胞共刺激分子を標的とした生物学的製剤であるバイオ抗リウマチ薬に分類されます。

 

診療ガイドラインでは、診断されれば速やかにメトトレキサートで治療を開始し、治療開始後3カ月以内に改善がみられない場合、あるいは半年以内に目標である寛解に達しなければ、バイオ抗リウマチ薬等を追加することが推奨されています。

 

免疫系の不均衡を是正しないと、骨代謝系の不均衡を生じ、骨や関節の破壊を生じることもわかってきました。その結果、適切な治療を受けている全ての患者さんが寛解を目指すことを治療目標とすることになり、関節破壊や機能障害の進行が抑止できるようになってきました。さらに、寛解維持により、10年間に亘って身体機能障害が進行しないことが示されました。さらに、発症早期であれば、寛解導入後にバイオ抗リウマチ薬を中止し、ドラッグホリデーを目指すことも可能となってきました。

 

しかし、抗リウマチ薬には禁忌があります。そして、その重要な副作用として感染症が多いです。特にバイオ抗リウマチ薬の使用においては、特定の標的分子を制御することに伴う副作用に留意する必要があります。重篤な副作用のなかで最多なのは細菌性肺炎です。高齢、呼吸器疾患の既往ならびにステロイド薬併用は細菌性肺炎発症の危険因子です。このような症例には肺炎球菌ワクチンの接種を積極的に推奨すべきものとされています。また、結核やニューモシスティス肺炎等の日和見感染症等の重篤な副作用の危険因子も同定され、関節リウマチの治療においては、内科的な全身管理、予防ならびに治療が不可欠となっています。

 

 

<まとめ>

関節リウマチは、診断されれば速やかにメトトレキサートで治療を開始することが推奨されています。

 

そのためには、関節痛などの症状があれば、できるだけ早期にリウマチ専門医等を受診して、診断を受けることが最も重要です。

 

そして、もし治療開始後3カ月以内に改善がみられない場合は、バイオ抗リウマチ薬等をメトトレキサートに追加することが推奨されています。

 

改善がみられる場合でも、治療開始後半年以内に目標である寛解に達しなければ、やはりバイオ抗リウマチ薬等をメトトレキサート追加することが推奨されています。

 

杉並国際クリニックでも、早期にメトトレキサートでの関節リウマチ治療を開始しています。しかし、これまでバイオ抗リウマチ薬等を積極的に追加することはせず、その場合は、入院設備のある医療機関、とりわけリウマチ専門医の教育機関である病院と連携することにしています。

 

その理由は、抗リウマチ薬の重要な副作用として感染症が多いからです。特にバイオ抗リウマチ薬の使用においては、特定の標的分子を制御することに伴う副作用に留意する必要があります。

糖尿病の診断と治療の原則

 

糖尿病の診断は、内科医にとっては容易です。しかし、治療開始に至らない、あるいは治療を中断する症例が就労世代に多いため、高齢に至ってからはじめて糖尿病の本格的な継続的治療を始めるケースも少なくありません。医療とつながっている重要性を啓発する必要があります。

 

糖尿病の治療の原則は、病態や治療の目的に応じた治療計画をたてることです。

 

糖尿病治療の目的は、糖尿病特有の合併症(網膜症、腎症、神経障害)と動脈硬化性疾患の発症・進展を阻止して、健常人と変わらない生活の質(QOL)を確保することにあります。

 

そのためには、血糖はもとより、血圧および血清脂質も適切にコントロールすることが重要です。血糖管理目標を定めるにあたって、血糖コントロールの目標値は、HbA1c(%)を指標にすると、

<6.0:血糖正常化を目指す際の目標、

<7.0:合併症予防のための目標、

<8.0:治療強化が困難な際の目標、

 

 

インスリン依存状態:

初診段階でインスリン依存状態にあるときは糖尿病専門医へ紹介することが原則とされます。

 

インスリン非依存状態:

病歴をよく聞き、インスリンの分泌状態やインスリン抵抗性などを臨床的に判断し、個々の患者にあわせた治療を行います。

 

 

1)食事・運動療法

食事療法は糖尿病治療の基本であり、成因、病態の如何に関わらず、すべての患者が行うべき治療です。

 

そのためには、

①1日の総エネルギー摂取量は患者の標準体重をもとに、生活活動強度を考慮して算出することから始めます。

 

②炭水化物、蛋白質、脂質のバランスを取ります。

 

③適量のビタミン、ミネラルを摂取できるようにします。

 

運動療法では、歩行数を毎日記録することによって意識化する習慣を形成することに加え、レジスタンス運動も実施すると効果的です。水氣道®は、水の抵抗を利用することによってレジスタンス運動の継続を容易にします。

 

食事療法と運動療法を2~3か月続けても、なお目標が達成できないときは、薬物療法(経口血糖降下薬またはインスリン製剤)を用います。

 

 

2)薬物療法

経口血糖降下薬を分類してみます。

①インスリン分泌を促進することなく血糖を改善するもの:

・ビグアナイド(BG)類、

・チアゾリジン誘導体、

・α‐グルコシダーゼ阻害薬(α‐GI)

・SGLT2阻害薬

 

②血糖依存性のインスリン分泌を増幅するもの:

・インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬)、

 

③血糖非依存性にインスリン分泌を促進するもの:

・スルフォニル尿素(SU)類、

・即効性インスリン分泌促進薬

 

どのような型の糖尿病であれ、適応のあるインスリン製剤、経口血糖降下薬、インクレチン関連薬を単剤から、段階的に組み合わせて血糖管理目標を目指す必要があります。

 

目標を達成できないとき、低血糖、体重増加、検査成績異常を認めるときは、糖尿病専門医を紹介することになります。

 

3) 低血糖

低血糖には特異的でない一般的な症状を伴うため、発見が遅れることがあります。

空腹感、脱力感や頭痛などで始まることが多いからです。これらは、低血糖でなくともしばしば経験する症状だからです。

発汗、動悸、頻脈、手の震えなどは交感神経系の緊張症状です。

これらの低血糖症状は、血糖値が低血糖(≦70㎎/dL)でなくても生じることがあります。

低血糖を来しうる薬物で治療されている患者では、普段と受け答えが違う場合には低血糖も疑っておく必要があります。症状が低血糖によるものか否かの確認には血糖自己測定(SMBG)が有用です。

 

上記の糖尿病治療薬の中で、単独で用いても低血糖を来すことがあるのは、③の

スルフォニル尿素(SU)類、即効性インスリン分泌促進薬、です。

 

また、①あるいは②と併用すると低血糖を助長することがあります。

 

これに対して、①と②を単独で、あるいは①と②を併用した場合、一般には低血糖(血糖値≦70㎎/dL)を来すことはありません。ただし、低血糖症状を来すことはあります。

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

杉並国際クリニックにおける糖尿病治療の指針は、何よりも安全性に配慮するということにあります。糖尿病においては、低血糖を来さないような血糖管理を目標としています。そのためには、1)食事・運動療法を積極的に推進し、3)低血糖を来しにくい薬剤を選択し、インスリン依存状態に陥らないような取り組みをしています。

 

とくに水氣道のような運動療法を積極的に推進すし、薬剤の減量をはかるうえでは、低血糖の防止はとても重要です。以前は、スルフォニル尿素(SU)類は古くからある薬剤で安価でもあるため、多数処方してきましたが、インスリンの基礎分泌・追加分泌をともに高めるため低血糖に十分注意すべき薬剤です。最近では、低血糖を来しにくい薬剤を処方することが多くなってきました。とくに、肥満例には、低血糖を起こしにくく、しかも血糖改善に加えて体重減少も期待できるSGLT2阻害薬を処方する頻度が増えてきました。

糖尿病患者の腎症進行の原因物質を同定,新たな治療法に

 

阿部高明:東北大学病態液性制御学分野教授のコメント

 

糖尿病性腎臓病(Diabetic Kidney Disease)の原因物質はフェニル硫酸

Nature Communications電子版(4月23日号)に報告。

 

フェニル硫酸はDKD増悪の予測因子であり、さらにDKDの治療ターゲットになり得る。

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──慢性腎不全モデルマウスに便秘薬を投与すると腸内細菌叢が改善し、さらに慢性腎臓病(CKD)の進行抑制ができる可能性があることを報告しています。

 

──腸内環境がCKDの進行に関わる

慢性腎不全モデルマウスに便秘薬であるルビプロストン(商品名アミティーザ)を投与すると腸内細菌叢が改善し、いわゆる善玉菌と言われるLactobacillusやPrevotellaなどの減少が改善していました。さらに、尿毒素の血中濃度の低下と腎機能の改善を確認しています。腸内細菌が関与する代謝物が体内を巡り、腎障害を引き起こしている可能性があることが分かりました。

 

どんな物質がどんな経路をたどって腎障害を引き起こすのか。そしてその物質の産生を抑えれば腎障害を治療できるのか。

 

以前に同定していたヒト特異的有機アニオントランスポーター遺伝子(SLCO4C1)に着目しました。この有機アニオントランスポーターはヒトでは腎臓にだけ存在し、老廃物を体外に排出する役割を担っています。この遺伝子を導入し、尿毒素を含む代謝物を排出しやすくしたラットを作成し、DKDを人為的に起こしたときに普通のラットと比べてどの尿毒素に違いが出るのかを検討しました。

 

 

──その結果、糖尿病を誘発すると、普通のラットではフェニル硫酸の血中濃度が高まり、病期が進行するほど血中濃度がより高まっていきます。一方、モデルラットではフェニル硫酸の血中濃度が低下して腎症が緩和されることが分かりました。尿毒素を排出しやすくしたモデルラットで血中濃度が低下する物質としてフェニル硫酸を見出し、普通のラットで血中濃度が高まっていて、それは腎障害の進行と比例していたということです。

 

またフェニル硫酸は腎機能低下が始まる前から血中濃度が高まっており、ミトコンドリア障害を介して腎臓のポドサイトや基底膜を傷害する作用があることも分かりました。糖尿病モデル動物にフェニル硫酸を経口投与するとポドサイトや基底膜が傷害され、アルブミン尿が悪化したのです。

 

 

──糖尿病患者を対象とした検討は、岡山大学腎・免疫・内分泌内科学教授の和田淳先生と共同で、362人の糖尿病患者を対象に、血中フェニル硫酸量と臨床データとの関係を検討しました。糖尿病患者で血中フェニル硫酸量は高まっており、アルブミン尿の値に比例していました。さらに微量アルブミン尿期の患者ではフェニル硫酸が2年後のアルブミン尿増悪を予測する独立した因子であることが分かりました。年齢や性、BMI、収縮期血圧、HbA1c、eGFR値は有意な予測因子ではありませんでした。

 

 

結果のまとめ:

フェニル硫酸はDKDの原因物質であり、しかも微量アルブミン尿期にその後の腎障害の増悪を予測する因子になり得ます。

 

──微量アルブミン尿期はDKDの早期段階です。この段階で血中フェニル硫酸量が高ければ、その患者は腎障害が進行する可能性が高いと言えます。腎障害が進行する前に増悪リスクが高いことが分かれば、糖尿病などの治療を一生懸命取り組まなければいけないといった指導することができます。

 

フェニル硫酸が体内で産生される機序ですが、まず食事中に含まれるチロシンが腸内細菌の作用によってフェノールに変換され、体内に吸収されます。フェノールは非常に毒性の高い物質ですから、すぐさま肝臓で解毒代謝酵素によって硫酸抱合され、フェノールよりは毒性の低いフェニル硫酸に変換されることが分かっています。

 

腸内細菌がチロシンをフェノールに変換するのはチロシン・フェノールリアーゼという酵素です。これは腸内細菌のみが持ち、ヒトには存在しない酵素です。

 

そこでこのチロシン・フェノールリアーゼの阻害薬を糖尿病モデルマウスに経口投与したところ、血中フェニル硫酸量が低下し、アルブミン尿が減少することを確認しました。さらに腎不全モデルマウスにこの阻害薬を投与すると、血中フェニル硫酸量が低下するとともに、血清クレアチニン値も低下しました。これは血中フェニル硫酸量を低下させると腎障害が改善する可能性を示唆する結果です。

 

ですから、腎臓病を起こしやすい糖尿病患者において、フェニル硫酸を測定してリスクの程度を予測し、原因となるチロシンをあまり含まない食事にするといった食事指導をしたり、チロシン・フェノールリアーゼ阻害薬を投与してフェニル硫酸の産生量を減らすといった治療戦略が考えられます。

 

これまでCKDやDKDを進行させないためには糖尿病や高血圧の治療、RA系阻害薬の投与をするしかありませんでした。今回明らかにしたフェニル硫酸を減らすことは、新しい治療コンセプトになると考えています。

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

慢性腎臓病(CKD)や糖尿病性腎臓病(DKD)の方は、原因となるチロシンをあまり含まない食事にするとよいということはわかりました。しかし、それだけでは実際的なアドバイスにはなりません。実臨床においては、「原因となるチロシンをあまり含まない食事にする」という指導はしません。そのかわりに「チロシンを多量に含む食物を控えてください」という指導をしたうえで、具体的な食材を挙げていくのが親切であると思います。

 

チロシンを多く含む食品(含有量/100gあたり)は、

◆高野豆腐 3,000mg、◆チーズ 2,600mg、◆鰹節 2,600mg、

◆大豆・きな粉 2,000mg、◆落花生 1,100mg、◆アーモンド 580mg

 

鰹節を大量に摂取することは少ないとおもわれますが、体に良いとされる健康食である大豆製品(高野豆腐、大豆・黄な粉)などがチロシンを多く含むんでいることは注目に値します。

 

そもそも、チロシンは、アミノ酸の一種で芳香族アミノ酸の一つです。フェニルケトン尿症、睡眠不足、うつ症状(うつ病)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などに効果があるとされていますが、糖尿病や腎臓病の患者さんでは控えるべき食品ということになってしまうので注意を要するところだと思います。

<班長・副班長・地区リーダーおよび特定掲示板モニター募集中>

 

ご参加くださった皆様ありがとうございます!

なお、新たな地区リーダーとして25名の皆様を募集いたします。

 

 

皆様の多大な御支援によって区内128か所(うち1か所は閉鎖中、他の1か所は工事中につきアクセス不能)のうち、桃井原っぱ公園を除いて125か所に、前「水氣道」会員募集ポスターの貼布が完了しました。

 

前回・前々回と貼付できなかった「ゆうゆう阿佐ヶ谷館」でしたが、ようやく貼布できました。

私自身毎週土曜日の午前中に掲示板の前を通っています。その際より良い場所にポスターを移動しておきました。今後もモニターを続けようと思います。

 

 

今回で2回目の貼替でしたが、今回も前回と同数の8か所で剥がし事件が発生しました。

 

しかし、前回の剥がし事件は単発であり、連続してはがされていたのは、路上の1件のみでした。2週間に1回の貼替作業は、こうした事件発生を早期に発見して適切に対処するうえでも意味があることです。

 

事故現場に遭遇した場合は、担当者はその掲示板全体を『写メ』しておいていただくのが良いと思います。すべて剥がされている場合はともかく、一部の掲示物だけ残っている場合には、有力な手掛かりとなるからです。

 

もっとも気がかりなのは、『水氣道』だけが狙われるケースです。これは、犯人探しの目的ではなく、犯行の動機を知る手掛かりとなるからです。掲示物の場所取りは、想像以上に過酷で、類似のイベントの主催者や企画者の中には『水氣道』の出現を脅威と感じ、一方的に敵視して攻撃してくるケースも生じえないとも限りません。

 

それでも、大切なことは、公益性と公共性に優れた「水氣道」はあくまでもルールを順守し、怯むことなく、また不必要な争いは避け、ひたすら粘り強く、根気強く2週間ごとにポスターを貼りかえる作業を継続していくことにいたしましょう。『継続は力なり!』妨害者もついには根負けするに違いないからです。

 

 

そこで、皆様に提案がございます。ポスター・ラリーに参加してくださっている皆様の負担が加重とならないよう、無理なく楽しく続けていくことができるよう、班長・副班長および地区リーダー等のサポーターを募集していきたいと思います。

 

また、未貼布の掲示板の空き情報を事務局に提供してくださる特定掲示板モニターも大歓迎です!

 

 

ポスターの新しい貼布場所として、杉並区および隣接市・区域内に点在する各サミットストア「街のふれあい掲示板」に貼付を進めています。

 

必要事項を記載した所定の申込用紙(予め事務局にて準備しておきます)とともに、希望掲示物をサービスカウンターに提出していただくと、店舗職員の方が空きスペースがあれば、その場で貼布していただくことができます。なお、掲示期間は申込日から起算して1カ月間です。掲出した掲示物は期間満了とともに店舗側で処分してくれることになっています。

 

今回の快挙は、杉並区管内サミットストアのうち3店舗(妙法寺前店和泉店本天沼店)のみならず中野区管内の(鷺宮店)にも貼布されたことです。

 

 

 

第1班 (和田、梅里、堀ノ内、松ノ木、大宮、方南地区14か所)5月27日完了!

総班長 飯嶋正広(暫定正七段:水氣道創始者)

和田直轄地区 2か所完了

5月25日貼布完了!

和田会議室では、水氣道のポスターがファイルごと外されていました。そこで水氣道に加えて、前回貼布できなかった聖楽院のポスターをはじめて貼布しました。

和田中学校でも水氣道のポスターがファイルごと外されていました。聖楽院のポスターは雨水ににじんで不鮮明な状態でしたが、両方とも貼付しなおしました

 

先遣隊長 中野礼子(6級:初等訓練生) 

堀ノ内地区リーダー 高橋千晴(2級:中等修錬生)

5月12日ポスター3か所貼布完了

 

サミットストア妙法寺前店、和泉店の両店でポスターが掲示されました。

 

松ノ木地区リーダー 飯石三三男(級外:体験生)

5月26日貼布完了!

 

梅里地区リーダー 猪狩亜由美(7級:特別体験生)

5月27日貼布完了!

 

方南地区リーダー 丸山真一(級外:体験生)

5月26日貼布完了!

 

大宮地区暫定リーダー 野口将成(3級:初等修錬生)

5月26日貼布完了!

 

第2班 (高円寺南地区5か所) 5月15日完了!

班長 中川良子(正弐段下:中等支援員)

 前回貼付できなかった(馬橋会議室前)も、今回は貼布できました!

 

事故報告:高円寺中央会議室は剥がされて無くなっていました。

      この場所では、他の複数のポスターも剥がされていました。

 

 

第3班 (高円寺北地区3か所)5月25日完了!

班長 林亮博(従弐段上:中等支援員)

 

 

第4班 (阿佐ヶ谷北、本天沼、天沼、下井草、清水地区19か所)

5月25日完了!

指導班長 奥村順子(4級:高等訓練生)

班長サポーター 加藤博文(1級:高等修錬生)

サミットストア本天沼店:貼布済

 

清水地区リーダー 濱屋幸一(4級:高等訓練生)

阿佐ヶ谷北地区サポーター小池享子(6級:初等訓練生)

前回貼付できなかった(ゆうゆう阿佐ヶ谷館)は、水氣道のポスターのみ初めて貼布できました。

 

4地区リーダー(計4名)募集中!

 

 

第5班 (上井草、井草地区8か所)5月16日完了!

指導班長 細谷健太(2級:中等修錬生)

サミットストア井荻駅前店:未交渉

2地区リーダー(計2名)募集中!

 

 

第6班 (今川、桃井、上荻、西荻北、善福寺地区18か所)5月26日完了!

指導班長 野口将成(3級:初等修錬生)

サミットストア善福寺店:未交渉

事故報告:桃井原っぱ公園、桃井第三小学校でポスター剥がされていました。

     桃井原っぱ公園)では、今回は貼付できませんでした。

 

5地区リーダー(計5名)募集中!

 

 

第7班 (西荻南、宮前、高井戸西、上高井戸、松庵、久我山地区20か所)

5月16日完了!

指導班長 加藤博文(1級:高等修錬生)

副班長候補 羽鳥宏子(級外:体験生)

 

サミットストア久我山店:掲示板なし

 

事故報告:上高井戸南公園は他のポスターを含めてすべて撤去されていました。前回事故のあった久我山会館富士見丘中学は、今回は無事でした。

 

5地区リーダー(計5名)募集中!

 

 

第8班 (成田東、成田西、浜田山、高井戸東16か所)5月15日完了!

指導班長 金澤克彦(従弐段下:中等支援員)

副班長・成田東地区リーダー中西正子(2級:中等修錬生)

 

サミットストア成田東店、東高井戸店:未交渉

 

前回貼付できなかった場所:2か所(浜田山公園、成宗児童遊園)も今回はすべて貼布できました!

 

事故報告:成田保育園ではポスターが剥がされていました。前回事故のあった永福北公園は、今回は無事でした。

 

3地区リーダー(計3名)募集中!

 

 

第9班 (荻窪、南荻窪地区9か所)5月26日完了!

班長 飯嶋園子、副班長 飯嶋志保(7級:特別体験生)

前回貼付できなかった場所:1か所(荻窪公園)<理由>工事中にて掲示板撤去

 

2地区リーダー(計2名)募集中!

 

 

第10班 (阿佐ヶ谷南地区3か所)5月29日完了!

特例指導班長 木村英一(4級:高等訓練生)

班長 小池享子(6級:初等訓練生)

事故報告:阿佐ヶ谷北児童館では、ファイルごと抜き取られていました。

 

 

第11班 (下高井戸、永福、和泉地区13か所)5月18日完了!

指導班長 田辺幸子(4級:高等訓練生)

 

事故報告:路上(井の頭線の線路沿いにある掲示板)」では、前回と同様に、全てのポスターが剥がされていました!喜花公園は工事中につき掲示板にアクセスできませんでした。

 

サミットストア西永福店:ポスターが掲示されました。

3地区リーダー(計3名)募集中!

 

追記:水氣道のポスター・ラリーは、本年中は杉並区内の「でんごん君」

およびサミットストア「街のふれあい掲示板」を中心に継続することを検討中です。

 

 

来年、隣接市・区のうち中野区において水氣道「中野支部」設立を目指しておりましたが、本年6月に時期が早まりました。

その第一歩として、中野区内の以下の3件のサミットストア内の「街のふれあい掲示板」を積極的に活用していきたいと思います。

 

 

中野区  サミットストア南台店(第11班別動隊;方南町地区)杉十P

 

以下は、今後検討したい候補店舗です。

 

練馬区   サミットストア石神井台店(第5班別動隊)上井草P

三鷹市   サミットストア三鷹台団地店(第7班別動隊;久我山地区)高井戸P

世田谷区、新宿区、武蔵野市には候補店見当たらず

 

令和元年6月3日

日本水氣道協会 理事長 飯嶋正広

 

ICU(国際基督教大学)からの謎の問い合わせ

 

 

ICU:

「そちらのクリニックでは、アメリカの医師免許を持った先生はいらっしゃいますか?」

 

杉並国際クリニック:

「おりません。申し訳ございません。」

 

 

ただそれだけの問い合わせだったそうですが、少し気になる点があります。

 

電話の記録から、確かにICUからの問い合わせであることは確認できました。

 

気になるのは、問い合わせの目的です。

 

単純に考えれば、<ICUの学生さんを紹介したいのだが、杉並国際クリニックでアメリカの医師免許をもった医師の診察は受けられるか?>ということなのだろうと思います。

 

 

杉並国際クリニック(Suginami International Clinic)を称しているので、米国医師免許を有する医師がいる可能性を期待したのかもしれません。高円寺南診療所30年の歴史において、ICUから問い合わせがきたことは一度もないからです。

 

 

すると、次に疑問に思うのは、そもそも、問い合わせの主であるICUの担当者の所属部署は、どのような機能を持っているかということです。

 

これは、ICUのホームページで検索できました。

 

どうやらHealth Care Officeという名称の保険管理室があるようです。

 

それはYoutubeの動画でも紹介されています。

 

すると、ICUのHealth Care Office(保健管理室)にはschool physician(校医)が配されているが、薬局や診療所ではないことが案内されていました。

 

 

そして、

Our English might not be perfect, but we are all happy to support international students!

(私たちの英語は完璧ではないかもしれませんが、一同よろこんで外国人学生を支援させていただきます。)

というコメントが示されていました。

 

保健管理室のスタッフは、どうやら英語のネーティブではなさそうな気配です。

 

必要に応じて、近隣の医療機関を紹介する業務も行っているようですが、近隣の三鷹市、武蔵野市などにも、米国医師免許をもつ医師が見つからなかったのかも知れません。それは、当然のことです。米国医師免許をもつ医師はほとんどが米国で勤務しているからです。逆に米国留学経験者が多いことが常識となっている日本の医学部の教授を例に挙げるならば、彼らのうちで米国医師免許保持者は皆無に近いのが現状だと思われます。

 

そもそも、日本で受診する医療機関を決めるに際して、なぜ米国医師免許保持の有無が決め手になるのでしょうか。仮に米国医師免許をもっていても日本の医師免許がなければ、医療行為をすることはできないので、当然、ダブルライセンスということが前提でしょう。

 

英語での医療コミュニケーション能力の目安でしょうか、それとも日本の医師免許しかない医師は信用するに値しない、ということでしょうか。もし、後者であるとすれば、我々日本人医師としては、とても残念な思いです。

 

英語での日常診療が当たり前の環境を整備していかない限り、外国人の方に安心して受診していただけるようにはならない可能性があります。

杉並国際クリニックの問診は、構造化されていることを御存知でしょうか?

 

これを杉並国際クリニック方式のホリスティック・チェックと呼ぶことにしました。

 

第一弾は快(食・便・眠・勤・遊)です。誤解のないように説明しておきますが、

 

これは誤解でなく「五快」です。皆勤賞の皆勤でなく快勤です。欠勤せずに無理して働くよりも、ときには休暇をとって快適に仕事を続けることが快勤です。また、快遊は豪遊することとは無関係です。

 

さて、本日の話題は「快便」についてです。とくに問題なのは慢性の便秘です。

 

便秘とは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」(慢性便秘症診療ガイドライン2017)と定義されます。

 

食生活の欧米化や高齢者の増加とともに、わが国でも大腸癌が増加しており、便秘症状が現れたときには大腸癌の除外診断が重要です。大腸癌はクローン病や虚血性大腸炎などとともに狭窄性の器質性便秘をもたらします。急性の便秘は、腫瘍などの器質的疾患の除外や併用薬の確認が必要です。

 

薬剤により二次的に生じる便秘も少なくありません。薬剤性の便秘は排便回数減少型の機能性便秘をもたらします。急性の便秘の場合は、鎮痛薬、鎮咳薬抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬などが挙げられます。慢性の便秘でしばしば発見するのは、血圧降下薬(Ca拮抗薬)、抗不整脈薬、麻薬、利尿薬、気管支拡張薬(β₂遮断薬)、筋弛緩薬、パーキンソン病治療薬や抗コリン薬、制酸剤などがあり、注意を要します。麻薬、利尿薬は低K血症を来しやすく、それが便秘の原因になります。

 

便秘のケアのポイントは、まず生活習慣の改善です。水分を多めにとり、規則正しい時間に食物繊維の多い食事を心がけ、朝食はきちんととることだけで改善することが多いです。

 

特別な支障がなければ、運動についても積極的に奨めます。散歩もお勧めですが、水氣道®に参加できるのであれば、それに越したことはありません。

 

便秘症の薬物療法を実施するにあたって、下剤使用時に腸閉塞がないことを確認します。

 

次回(来週6月10日は、便秘症の薬物療法について解説する予定です。)

 

 

前回の記事への皆様の忌憚ないご意見・ご感想をお待ちしております。

 

<前回の内容>

 

昼下がり、代理の方が来られて

「すぐ近くなので往診に来てほしい。」

という申し出がありました。

 

当院は高円寺南診療所時代から、往診は行っていません。

その旨をお伝えし、東京都医療機関案内の「ひまわり」を紹介しました。

 

代理の方から少し後に電話がきました。

 

「前に診てもらったことがある。」

 

「動けないから往診に来てほしい。」

 

とのこと。

前といっても、27年前で、もう診療記録もありません。

現在までの状態が把握できません。

(カルテの保管義務は5年間となっています)

 

それにすぐ近くで動けずお越しになれないようなら、直ちに救急を呼んだほうがよいとお伝えしたら電話が切れました。

 

 

いかがでしょうか?

このような対応でよかったのでしょうか?

 

 

ぜひ下記のリンクからご意見を頂ければ幸いです。

 

メールはこちら

 

記名でも匿名でも大歓迎です。

よろしくお願いいたします。

 

<心療内科でしばしば経験する複合精神科疾患>

 

うつ病は、いまや精神科のみならず一般の内科医が対応する必要がある精神疾患です。ましてや、心療内科医が、うつ病を診る機会は多いです。しかし、うつ病の診断と治療は必ずしも容易ではありません。精神科医ですら手をこまねいている症例が少なくないからです。そうしたうつ病の中には、背景に社交不安症が潜在するタイプがあります。その多くは、社交不安症をベースとしてう発症するうつ病です。

 

 

◆概要

社交不安症の臨床では、常に併存疾患を考えながら治療することが大切です。社交不安症の6割近くに併存精神疾患があります。とくにパニック症などの社交不安症以外の不安症、うつ病、アルコール使用障害などが多く認められるとされています。その他に、身体化といって身体症状を伴うことが多いです。この点、身体の診察に習熟している内科医である心療内科医は、こうした複雑なケースにも本領を発揮できることが多いです。

 

社交不安症はうつ病の発症の危険因子とも言われています。そして社交不安症とうつ病を併存した場合には、うつ病単独発症の場合よりも難治性であったり、再発を繰り返しやすかったりすることなどが知られています。つまり、社交不安症がうつ病の経過の増悪因子にもなるのです。

 

社交不安症だけで医療機関を受診する人は少ないです。なぜならば、そうした患者さんは、病気であるという認識を持つことが少なく、むしろ自分の性格の問題であると思い込んでいる場合が多いからだと思われます。しかし、社交不安症を発症している人がうつ病を併存し、職場等での不適応を来すようになって医療機関を受診するケースはあると思います。

 

その場合、うつ症状だけに注目してしまうと、うつ病治療自体がうまくいかなくなりがちです。社交不安症とうつ病を併存している場合には発達歴を聴取して、治療反応性や経過についての慎重な対応が求められます。そこには社交不安症の歴史や基本的な考え方があり、うつ病に潜在する社交不安症を見逃さないためのコツがあります。

 

うつ病治療においても社交不安症の存在を念頭に入れておくことは大変重要です。そのために経験豊富な臨床心理士による心理査定や、段階的な発達歴や家族関係性の聴取を含むカウンセリングが必要になってきます。

 

<線維筋痛症 JFIQの経過報告> 2019年5月

 

 

(図1)

スクリーンショット 2019-05-03 時刻 12.50.38

JFIQは線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 

 (図1)は左側が初期時の点数、右側が現在の点数でその2点を結んだものです。

 

 

 

 図2)

 スクリーンショット 2019-05-03 時刻 12.49.29

 

(図2)は線維筋痛症の治療効果の割合を表したものです。

 

 

 50以上点数が下がると「著効」です。

 

 

 20以上50未満点数が下がると「改善」です。

 

 

 20未満の点数の低下は「無効」の判定となります。

 

 

 

 

<今回の考察>

 

 

正規性の検定で初期値、現在値共に正規性がありました。

 

 

その後、関連2群の検定と推定を行いました。

 

 

1)統計的にみて、JFIQスコアが有意に改善したことが証明されました。P(危険率)=0.001%でした(図1)

 

 

pが0.05以下であれば統計学的優位である。

 

 

pが0.01以下であれば統計学的に極めて優位である。

 

 

2)JFIQスコアの判定基準として、20点以上改善されると治療が有効、50点以上改善されると著効となります。

 

 

  今回、 17名の平均で    31.9点改善していたため、全体として鍼治療は   有効であったと言えます。

 

 

個別でみると、著効4名(32.5%)、有効7名(41.2%)、無効6(35.3%)でした。(図2)

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

連載: 竹田貴雄の「からだとこころと人間関係に効く漢方講座」  

 

竹田貴雄の「からだとこころと人間関係に効く漢方講座」

 

杉並国際クリニックで行っている漢方診療に共通する考え方を簡単に説明している記事を発見したので紹介いたします。

 

連載の紹介

 

「気管挿管より漢方講演の方が得意な麻酔科医」という竹田氏が、「からだとこころと人間関係に効く漢方」をテーマに、人間関係に悩む人を心理療法と漢方治療で支えるノウハウを紹介します。

 

著者プロフィール

竹田 貴雄(北九州総合病院麻酔科部長)1994年産業医科大学医学部卒。新日鐡広畑病院(現:製鉄記念広畑病院)でのペインクリニック外来業務を通じて、漢方薬と鍼治療に出会う。2015年から現職。日本麻酔科学会麻酔科指導医・専門医。日本医師会認定産業医。著書に『「とりあえずロキムコ」から脱却! 痛みの漢方治療“効く”First Step』(メディカ出版)。

 

日経BPより

 

 

第1回 西洋医学と漢方の二刀流、

 

始めてみませんか?

竹田 貴雄(北九州総合病院麻酔科部長)

 

皆さん、こんにちは。北九州総合病院の竹田貴雄と申します。気管挿管より漢方講演の方が得意な麻酔科医です。

 

漢方好きが高じて、「からだとこころと人間関係に効く漢方」をテーマにした講演会で全国を回っています。このたび日経メディカルの編集者の目に止まり、連載を始めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 

西洋医学と東洋医学を1枚の医師免許証で行えるのは日本だけ

高血圧や糖尿病といった「病気」を扱う西洋医学とは違い、漢方医学は「頭が重い」だとか「疲れがとれない」など、様々な「愁訴」を治療対象としています。

 

漢方を勉強すると、医師・看護師・薬剤師といった職種や内科・外科など診療科の垣根を越えて、医療スタッフみんなで1人の患者さんの治療を考えることができます。例えば、月経困難症に悩む患者さんに対して、産婦人科医ではない私でも、血液循環を改善する駆瘀血剤(くおけつざい)で治療することができるのです。

 

ちなみに、中国や韓国にも西洋医学と東洋医学はありますが、西洋医学と東洋医学それぞれの医師免許証が必要です。1枚の医師免許証で西洋医学と東洋医学両方の診療を行うことができて、さらに漢方薬を投薬したり鍼灸まで行うことができるのは日本だけです。日本の医師は、西洋医学と東洋医学の二刀流になることができる非常に恵まれた環境にあるといえます。

 

 

病名と証(しょう)

患者さんを診察する際に、西洋医学と東洋医学は異なる観点からアプローチします。診断名は、西洋医学では病名、東洋医学では証(しょう)といい、証が原因となって「病氣」が生じると考えます。東洋医学では、四診(望診[ぼうしん]・聞診[ぶんしん]・問診[もんしん]・切診[せっしん])という診察法を用いて患者さんの状態を把握し、

 

・寒熱(かんねつ):熱くなって痛んでいるのか、冷えて痛んでいるのか

・患者の体を流れるエネルギー(氣血水[きけつすい])の過不足:よく見られる異常は水滞(すいたい)、瘀血(おけつ)、氣(き)の異常

など、証(しょう)を診断することで、証に合わせた治療を行います。

 

 

痛みの原因と治療薬

日々の診療や漢方講演の際、「痛みに効く漢方薬はありませんか?」と質問されることがあります。しかし、このような西洋医学的な考え方では本当の意味において漢方の使い手にはなれません。いわゆる「漢方鎮痛薬」というものは存在しないのです。

 

西洋医学では、

・侵害受容性疼痛に非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェン

・神経障害性疼痛にプレガバリンやオピオイド、デュロキセチンなどの抗うつ薬

と病名に応じた治療薬があります。

 

また、心理社会的要因が強いケースでは、認知行動療法などの心理療法を併用します。

 

例えば、ペインクリニック外来を受診する患者さん、特に慢性痛の患者さんでは、既にNSAIDs、プレガバリン、デュロキセチンなどの鎮痛薬を処方されてから外来に紹介されてきます。ですので、硬膜外ブロックや末梢神経ブロックが効かないとなると、もうお手上げですね。

 

どうしよう……。医師も患者も途方にくれたとき、さあ漢方の出番です。

 

 

東洋医学では、

・筋緊張が原因となっている痛みに芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

・水滞(すいたい)が原因となっている痛みに利水剤(りすいざい)

・瘀血(おけつ)が原因となっている痛みに駆瘀血剤(くおけつざい)

・血虚(けっきょ)が原因となっている痛みに補血剤(ほけつざい)

・陰虚(いんきょ)が原因となっている痛みに滋陰剤(じいんざい)

・腎虚(じんきょ)が原因となっている痛みに補腎剤(ほじんざい)

・氣(き)の異常が原因となっている痛みに氣剤(きざい)

と証に応じた漢方薬があります。

 

単に「痛みに効く漢方」ではなくて、「水滞(すいたい)が原因となっている痛みに効く利水剤(りすいざい)」や「瘀血(おけつ)が原因となっている痛みに効く駆瘀血剤(くおけつざい)」を処方する必要があるのです。

 

 

さあ漢方の勉強を始めましょう

本コラムでは、日常診療に漢方治療を取り入れてみたいという先生方に、漢方治療を行う際に必要とされる東洋医学的な概念(寒熱[かんねつ]・氣血水[きけつすい]の異常)に対する理解を深めていただき、漢方治療の第一歩を踏み出していただけるように、微力ながらお手伝いをさせていただきます。

 

漢方治療に関して、痛みの治療を入り口にした入門書、『「とりあえずロキムコ」から脱却! 痛みの漢方治療“効く”First Step』(メディカ出版 2016年)という本を出しています。本コラムとともに参考にしていただけますと幸いです。