最新の臨床医学 6月21日(金)アレルギー・感覚器系疾患

独法国立相模原病院・アレルギー科  VS

杉並国際クリニック・アレルギー科(その2)

 

杉並国際クリニックのアレルギー科が行っているアレルギー専門外来診療の守備範囲を説明する目的で、我が国におけるアレルギー診療の最先端の医療センターである相模原病院との比較してみました。

 

情報源は、同病院のホームページです。

 

 

対象となる疾患

 

1.気管支喘息

原因がはっきりしない喘息の方

現在の治療法に疑問や不安をお持ちの喘息の方

難治性喘息(通常の治療でよくならない方も含めて)

ペットやカビなどによる喘息

解熱鎮痛薬喘息(いわゆるアスピリン喘息)

お仕事や環境が原因の喘息

典型的でない喘息症状(咳、息切れ、胸痛など)の方

鼻茸や副鼻腔炎のある喘息

特殊な原因の喘息の方

 

 

2.成人の各種アレルギー

その原因として

カビ動物ラテックス 、食物花粉食品添加物 、果実昆虫職業に関するものなど

 

 

3.薬剤アレルギー

 

 

4.ペットアレルギー

ハムスター、イヌ、ウサギ、ネコ

 

 

5.アレルギーによる肺炎

過敏性肺炎          

好酸球性肺炎      

アレルギー性気管支肺真菌症

 

 

6.好酸球増多症

 

 

7.原因不明のアレルギー症状

 

 

8.アナフィラキシー

 

 

9.好酸球性血管性浮腫

 

 

10.その他アレルギー疾患

 

 

 

<杉並国際クリニックからの視点>

要するに、相模原病院のアレルギー科は、アレルギー内科として気管支喘息を主たる対象疾患としていることが、ここからわかります。

 

ただし、一口に喘息とはいっても千差万別なのが現実です。原因があきらかでなくとも標準的な治療でコントロールできる喘息が多いですが、逆に、原因が明かにされても治療効果に結びつかないこともあります。相模原病院では、主に、以下のタイプの喘息を例示列挙しています。

 

難治性喘息、解熱鎮痛薬喘息、環境性喘息、耳鼻科領域関連喘息、ペットやカビなどによる喘息、特殊な喘息、など

 

ここで、気になるのは、喫煙関連の喘息に関しての対応です。

 

超高齢社会を背景として、高齢者を中心にCOPDを合併した気管支喘息の患者の外来受診が増加しています。

 

COPDは、タバコ煙を主とする有害物質への長期にわたる吸入暴露により生じる肺の炎症性疾患で、従来、慢性閉塞性肺疾患、と訳されることが多かったものです。臨床的には、徐々に生じる労作時の呼吸困難や慢性の咳、痰を特徴とします。そのため、心不全との鑑別が必要なこともあり、実際に右心不全という状態であったりもします。また気管支喘息とは異なり呼吸機能検査で完全には可逆的ではない気流閉塞を示します。

 

このようなCOPDを合併する気管支喘息をACOといいますが、相模原病院では、どのような扱いなのかが必ずしもあきらかでないので心配です。

 

杉並国際クリニックでは、受動喫煙を含めて、徹底した、根気強い禁煙サポートをしています。本人が喫煙者であるばかりでなく、家族や職場の喫煙者の副流煙にさらされるだけでACOは増悪しますが、禁煙により治療反応性が改善した症例を多数経験してきました。