<バカとつき合うな④>

堀江貴文(ホリエモン)と西野亮廣(キングコング)の共著です。

その中で自分に当てはまるものがあったので、紹介しながら反省していきたいと思います。

 

この本の中には28個のバカがあります。

 

その中で痛いところを突かれたと感じたのが、

 

「人と同じことをやりたがるバカ」

「目的とアプローチがずれているバカ」

「我慢を美徳にしたがるバカ」

「未熟なのに勘にたよるバカ」

「自分の常識を平気で振りかざすバカ」

「先に設計図を描きすぎるバカ」

です。

 

 

今回は「未熟なのに勘にたよるバカ」

 

Nogucciは勘というか、自分の考えに固執します。

 

「未熟なのに」とありますが、未熟だからこそ、自分の考えや、勘にたよってしまいます。

 

仕事のできる人は、物事を判断する時、必要な情報を集め、分析してから判断をくだします。

 

Nogucciは情報集めるのが面倒だと思ってしまうとそこで止まってしまい、必要な情報を集めようともせず、無理に進めようとします。

 

スタートでつまずいているので、何が必要な情報か、すらも判断できていません。

 

さらに情報が無いので、自分の考えの中で判断を下そうとしますが、情報不足なので正しい分析もできず自分の勘を使うので、正しい判断から遠のきます。 

 

まずはスタートして必要な情報を知ること、十分な情報を集めること、そういった段取りができていないことを認識し、取り組んでいきます。

 

そうすることで、自分の考えに固執する、勘にたよることから抜け出せると思います。

 

今月は、内部からでさえ、もはや絶滅危惧種と叫ばれつつある心療内科が如何に誤解されているか、混乱させられているか、という深刻問題点について考えてみたいと思います。すでに世間に広く広報されている具体的な声を題材にしました。

 

第2回:精神科医同志の混乱(あなた達は何様なのですか?)

 

President Woman

家族や同僚がおかしいと感じたら同業者が教える"おすすめできない精神科"

 

2018.10.16

この医師で大丈夫? 同業者が教える精神科医の選び方

 

いざ精神科にかかろうと思っても、どこに行けばいいかわからないという人も多いだろう。医師選びで失敗しないためには、どうすればよいのだろうか。

 

「おすすめはかかりつけ医に相談することですが、勤め先の産業医や役所の保健師など、地域の精神科医とネットワークを持っている専門家に評判を聞くのもよいでしょう」と丸山先生。インターネットの口コミを見るのは手軽だが、患者の主観に左右されるため、確実な情報は得にくいという。

 

Tomy先生は、「同業者の立場から、私がおすすめできないのはこんなクリニック」と、4つの特徴を紹介してくれた。

 

まず、複数の診療科の中に精神科や心療内科が含まれるところ。

 

「ドクターの経歴に『精神保健指定医』や『日本精神神経学会認定専門医』の資格がなければ、精神科も“ついでに”診ている可能性があります。精神科の薬に詳しくなく、依存性のある薬を安易に出してしまうドクターもいます」

 

2つめは、薬をむやみに出すか、まったく出さないドクター。

 

「精神科では、抗うつ薬、抗精神病薬、気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬の5種類を組み合わせるのが基本ですが、同種の薬がいっぺんに複数出ていたら不自然。一方、『薬を使わずに治します』というドクターは、カウンセリングなどの精神療法が中心になりますが、時間がかかり、確実に効果が出るわけでもありません」

 

3つめは、カウンセリングと検査が多いドクター。「検査は保険がきくものが多いですが、結果レポートの作成は自費になることも。カウンセリングは保険適用外で、高額に設定しているクリニックもあります。患者さんの同意も得ずに押し付けてくるところは、お金もうけ優先かもしれません」

 

4つめは、一方的に自分の考えを話し、困っていることを訴えても取り合わないドクター。

 

 

診療時間もひとつの目安。初診は30分くらいかけるのが一般的だが、10分ほどで終了したり、再診は5分未満というドクターもいる。「患者さんの表情やしぐさを観察して、症状の変化を読み取るためには、再診でも15分は必要ではないでしょうか」と野田先生。「信頼関係が築けないと感じたら、転院してもいいと思います。ただし、薬を独断で中止すると症状が悪化することがあります。服薬を続けながら、新しいクリニックに行くようにしてください」

 

転院するには紹介状が必須、と思い込んでいる人もいるが、紹介状なしでも受け付けている病院はある。頼みにくいドクターなら、黙って病院を変えてしまおう。

 

 

<杉並国際クリニックの立場から>

精神科医同志の内輪話なので、心療内科医が嘴をはさむ問題ではないのでスルーしようとしましたが、このような心得違いの精神科医たちの無責任極まりない発言が、どれだけ多くの患者さんに迷惑を被らせるのかを考えると、無視はできないと考えました。批判の相手を特定しなければ許されるコメントだと考えているのだとすれば大きな過ちだと思います。

 

一部ではあると信じたいところですが、このようなメンタリティの精神科医が勝手な発言をしている以上、少数勢力でしかない心療内科の活躍の範囲は、ますます不当に脅かされかねないと懸念するしだいです。

 

 

まずTomyという仮名の自称精神科医のコメント

 

「同業者の立場から、私がおすすめできないのはこんなクリニック」

を検討してみましょう。

 

 

1) 複数の診療科の中に精神科や心療内科が含まれるところ。

⇒ 精神科医であるにもかかわらず、精神科を標榜せず心療内科のみを標榜しているクリニック、あるいは、多数例ですが、精神科もしくは神経科と心療内科を同時に標榜しているクリニックの方がお勧めできません。このようなクリニックの精神科医に限って、同僚の精神科医を中傷したり、真摯に診療に取り組んでいる専門外の心療内科医の正当な業務を妨害し、患者さんに無用な誤解を与えていることを、謙虚に反省していただきたいものです。

 

精神科もしくは心療内科の他に複数の診療科を標榜しているクリニックでは、複数の専門医が所属している場合もあります。また、非常に勤勉で患者思いであれば複数の専門医資格を取得して水準の高い総合診療を実践しているドクターも確かに存在します。こうした、比較的少数のモデルケースを無造作に切り捨てて決め込んでしまうドクターこそが民主主義を破壊し、医療の健全な発展を阻み崩壊を招いているということの自覚に欠けた人物なのだと思います。

 

 

2)薬をむやみに出すか、まったく出さないドクター。

⇒ <薬をむやみに出している>のかどうかは、どなたが判断すべきなのでしょうか。患者さん自身に判断させようというのでしょうか。このようなあいまいでいい加減なアドヴァイスをむやみにする精神科医がいるクリニックこそお勧めできません。(薬を)<まったく出さないドクター>をなぜ否定できるのでしょうか。

 

たとえば、発達障害やパーソナリティ障害にも必ず薬を出さなくてはいけないのでしょうか。常識を疑います。過度な一般化を平気で行う知的にも未熟な精神科医であるように思われます。

 

 

3)カウンセリングと検査が多いドクター。

⇒ <再診以降でひんぱんに検査を行ったり>とありますが、ひんぱんかどうかの判断はどなたが、どのようにするのでしょうか?

 

むしろ、必要な検査を行わずに不適切な診断を下されている患者さんの方が被害者です。杉並国際クリニックでは、カウンセリングの必要性を判断する材料として、あらかじめ質問紙法であるMMPI(ミネソタ多面人格目録)や臨床心理士とともにM.I.N.I(簡易構造化面接法)を実施して診断を確定していますが、こうした検査を軽視して実施しようとしない前医(精神科医)の診断見落としを多数検出しています。

 

診断あるいは症例の特殊性によっては、カウンセリングの必要性を根気強く説明する努力は怠ってはならないと思います。<保険適用外のカウンセリングを半強制的に組み込もうとする>などの表現は大きな誤解を与えかねません。<治療に必須でないなら断ろう。>この発言も、如何なものでしょうか。治療に必須かどうかを、患者さんが必ずしも容易に理解できるとは思えません。

 

4)一方的に自分の考えを話し、困っていることを訴えても取り合わないドクター。⇒一見もっとものようですが、<一方的に自分の考えを話し>ているのは、このTomy先生です。

 

クリニックの現場のドクターは名前も立場も明らかにしたうえで、責任を背負いながら話しているのとは大違いです。困っているのは患者さんばかりではなく、こうしたレベルの精神科医の同僚医師の他に心療内科医も同様です。このような発言を無責任に行う医師こそが、同僚医師が<困っていることを訴えても取り合わないドクター>ということにならないでしょうか?。

 

Tomy先生の、きわめつけの驚きアドヴァイスは、<頼みにくいドクターなら、黙って病院を変えてしまおう。>です。この方は、本当に精神科医なのでしょうか。この方の文脈からすれば、『精神保健指定医』や『日本精神神経学会認定専門医』の資格をお持ちのようですが、医師として信頼に足る人物とは思えません。

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(7) ー まとめ>

 

 

<はじめに>

 

 

前回は「」について解説しました。

 

 

今回は、今までの臓についてのお話をまとめておきましょう。

 

 

(「」についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(1)>

 

 

では「五蔵」「六腑」について解説しました。

 

 

・「五臓」とは肝」「心」「脾」「肺」「腎」のことを言う。

 

・「六腑」とは「胆」「小腸」「胃」「三焦」「大腸」「膀胱」のことを言う。

 

・「五臓六腑」の「臓」とは「氣」「血」「津液」を備蓄する臓器である。

 

・「腑」とは「氣」「血」「津液」を動かす中腔性の臓器である。

 

 

というお話でした。

 

 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(2) ー 肝>

 

 

では「肝」の働きについて解説しました。

 

 

・肝の主な働きは「疏泄(そせつ)」、「蔵血(ぞうけつ)」です。

 

・体内の氣の運動を調節する働きのことを「疏泄」と言います。

 

・血液の貯蔵の働きのことを「蔵血」いいます

 

・「肝」には「怒」の感情、「筋」「目」に関係が深い。

 

 

というお話でした。

 

 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(3) ー 心>

 

 

では「心」について解説しました。

 

 

・「心」は血液を体全体に送り出す役割を担う

 

・「心」は「精神活動の源」

 

・「汗」、「舌」と関係が深い

 

 

というお話でした。

 

 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(4) ー 脾>

 

 

では「脾」について解説しました。

 

 

・運化(うんか)ー食べ物を消化吸収し水穀の精微(すいこくのせいび)をつくる

 

・昇清(しょうせい)ー水穀の精微を心肺へと昇らせる

 

・統血(とうけつ)ー血の脈外への漏出(出血)を防ぎます

 

・生血(せいけつ)ー水穀の精微から血を生成する

 

・「脾」は「肌肉(ひにく)」「唇」「涎(よだれ)」「思(し)」と関係がある。

 

 

というお話でした。

 

 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(5) ー 肺>

 

 

では「肺」について解説しました。

 

 

・呼吸器系の機能を司る

 

・氣をつかさどる

 

        「清氣」と「水穀の精微」を組み合わせて「氣」を作ります

 

 

・宣発(せんぱつ)と粛降(しゅくこう)

       

     

          宣発作用と粛降作用によって全身に氣を巡らせます

 

 

・水道通調作用ー水分を全身に行き渡らせます

 

・皮毛、鼻と関係がある

 

というお話でした。

 

 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(6) ー 腎>

 

 

では「腎」について解説しました。

 

・「精」の貯蔵

 

・生長・発育・生殖をつかさどる

 

・骨や髄をつかさどり脳を栄養する

 

・尿道・生殖器、聴力、骨と関係する

 

・水分の代謝

 

・納気(のうき)をつかさどる

 

 

          肺の呼吸の役割の吸気を助ける

 

 

というお話でした。

 

 

いろいろと難しい話になってしまったと思います。

 

 

それぞれの表題をクリックすると、該当するページに飛びます。

 

 

繰り返し読んでいただけたら幸いです。

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

Q2-実際 

歯科医師も漢方薬を処方できるのですか?

 

 

A2-実際 

歯科領域でも漢方の適応が増え、現在は11処方が認められています。たとえば、抜歯後の疼痛には立効散、歯槽膿漏には排膿散及湯などが有名です。もちろん内科医はオールラウンドに処方することができます。たとえば、口内炎には、半夏瀉心湯、黄連解毒湯、黄連湯、茵蔯蒿湯、口渇には、五苓散、白虎加人参湯が保険適応です。

 

最近新たな適応として4処方があり、顎関節症に対して葛根湯や芍薬甘草湯、味覚障害に対しては補中益気湯や十全大補湯を挙げることができます。

 

今回は、診療中に受けたご質問

Q-実際と

 

それに対してご説明させていただいた回答

A-実際

を掲載することにしました。

 

 

Q-実際   

Aさん。30歳代後半、女性。私は子供の頃からのアトピー体質で、たびたび蕁麻疹の発作も出るのでずっと皮膚科にお世話になっていました。最近、花粉症もひどくなってきたので耳鼻科にも通い始めました。

 

その上、「マル高」なのにどうしても子供が欲しくて遠方の不妊症外来に車を運転して通院しています。それまで使用している私の抗アレルギー剤は妊婦や授乳婦に禁忌であることを、産科の先生から指摘されたので、皮膚科と耳鼻科の相談したところ、アレルギー専門医の先生で処方してもらうようにいわれました。

 

現在は、お陰様でアトピーも落ち着き、蕁麻疹も出なくなり、花粉症も良くなってきたのですが、お薬をやめないと妊娠してはいけないでしょうか。

 

 

 A-実際 

妊娠を諦める必要はありません。皮膚科の先生が処方されていたフェキシフェナジン(アレグラ®)は、自動車運転の注意記載のない安全性の高い抗アレルギー薬です。授乳婦への使用が推奨されています。

 

また、耳鼻科の先生が処方されていたセチリジン(ジルテック®)は、妊婦と授乳婦の両方に推奨されています。皮膚科の先生も耳鼻科の先生もAさんのために、比較的安全な薬を選んでくださっていたのではないでしょうか。

 

妊婦と授乳婦の両方に推奨されている抗アレルギー薬は、セチリジン(ジルテック®)の他には、レボセチリジン(ザイザル®)、ロラタジン(クラリチン®)に限られます。この3者の中で、自動車運転の注意記載のないのは、ロラタジン(クラリチン®)のみです。

 

それから、Aさんは初診時の尿検査で高度な蛋白尿が認められ、また、病歴にネフローゼ症候群の既往がありました。Aさんの腎障害の程度は、高度ではありませんが、セチリジン(ジルテック®)、レボセチリジン(ザイザル®)は、高度の腎障害には禁忌とされていますので、避けておいた方が良いでしょう。

 

 このように情報を整理していくと、Aさんに最も適した抗アレルギー薬はロラタジン(クラリチン®)ということになるでしょう。この薬であれば、安心して自動車を運転して通院できますし、腎障害を悪化させることなく、妊娠の準備ができます。出産の後、授乳することも心配せずにすむということになります。

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

 

________________________________________

 

Q13 

足がつるのはカルシウム不足や骨粗鬆症の危険信号?

 

私はよく足がつるのですが、カルシウム不足が原因でしょうか。

また、足がつるのは骨粗鬆症の注意信号ですか?

 

A

筋肉がつるのは、運動選手のように筋肉を使い過ぎたり、寝冷えや、筋肉の位置が変わってしまうのが主な原因で、まれにカルシウムやマグネシウム不足が関係する場合もあります。悪い夢をみて、うなされて過呼吸をすると血液がアルカリ性になり、一時的にイオン化カルシウムが減って筋肉がつる場合もあります。

 

カルシウム不足の状態が続くと骨粗鬆症の危険性も高くなります。ご心配でしたら検査を受けてみましょう。

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

こむら返りになる原因は、はっきり解明されていません。しかし、誘因としては冷えやミネラル不足、筋肉の疲労、運動不足などが挙げられます。その他には、女性では妊娠中にもよく起こります。 寝ているときによく足がつる人で、膝の裏などの血管の凸凹が目立つ場合は、下肢静脈瘤の可能性も考えられ、足のむくみが関係していることもあります。

 

たしかにカルシウムやマグネシウム不足が関係する場合もありますが、まれです。むしろ水分やカリウム不足の影響が多いと思います。

 

特に水分は水氣道®の稽古中にも喪失するためか、しばしば稽古中に発生します。そこで、稽古前には水分補給に注意するように、折に触れて指導しています。稽古を継続して、体力が増すにつれて、足がつる頻度は減少し、いずれは起こらなくなります。

 

水を吸収するのにも時間か必要なので、 稽古の直前・直後だけでなく、朝起きた時からこまめに水分を補給する必要があります。それに加えてカリウム不足にならないようにします。生の果物や野菜に多く含まれている糖質やビタミンの補給もかねて朝食や稽古前の補食に100%の野菜ジュースを追加することもお勧めです。

 

糖尿病はもはや国民病です。糖尿病専門医だけに任せておけばよい病気ではありません。

薬物療法の発展は目覚ましいのですが、食事療法、運動療法、生活習慣編世用のための行動療法を駆使して治療に当たるのでなければ、コントロールに至ることは難しいです。

 

糖尿病は動脈硬化性疾患とならんで臨床栄養学の中では中心的な病態です。

私は、糖尿病専門医ではありませんが、生活習慣指導、食事療法、運動療法、認知行動療法など集学的な診療体制を構築して、口頭のみではなく実際に体験していただく経験を積み重ねてきました。

薬の処方ばかりに終始しているタイプの糖尿病専門医よりは、糖尿病の外来診療について深くかかわり、実践してきたという自負があります。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

 

日本糖尿病学会ホームページから

 

糖尿病診療ガイドライン2016 糖尿病診断の指針 4 運動療法では、運動療法について、とても有益な5つのQ&Aが掲載されています。

 

これを抜粋して紹介したあとに

【杉並国際クリニックの実地臨床からの視点】

でコメントを加えてみました。

 

 

 

Q4-2 

2型糖尿病患者に運動療法は有効か?

 

【要点】

有酸素運動が、血糖コントロール・インスリン抵抗性・心肺機能・脂質代謝を改善し、血圧を低下させます。

(合意率100%)<推薦グレードA>

 

 

有酸素運動とレジスタンス運動は、ともに血糖コントロールに有効であり、併用によりさらに効果があります。運動療法は、食事療法と組み合わせることによって、いっそう高い効果が期待できます。

(合意率100%)<推薦グレードA>

 

 

【 杉並国際クリニックの実地臨床からの視点 】

 

2型糖尿病の患者さんは、インスリン抵抗性や肥満、高血圧、脂質代謝異常、慢性炎症を伴っている場合が多いことが知られています。こうした2型糖尿病の患者さんには運動療法によって血糖コントロールが改善されるとともに、これらの異常が改善します。一般的には、糖尿病治療において運動療法は食事療法と組み合わせることにより、さらに高い効果が得られます。

 

近年、レジスタンス運動の有用性が注目されています。レジスタン運動では、筋量や筋力を増加させるとともにインスリン抵抗性を改善し、血糖コントロールを改善します。一般的には週2~3回、主要な筋肉群を含んだ8~10種類のレジスタンス運動を10~15回繰り返す(1セット)ことより開始し、徐々に強度やセット数を増加させていくことが推奨されています。

 

レジスタンス運動は有酸素運動との併用によりHbA1c低下において有効性が高まることが示されています。なお高齢者においても有効性を示すエビデンスがあります。

 

 

水氣道®は、有酸素運動とレジスタンス運動を系統的に組み合わせた運動であるうえに、親水航法をはじめ10種類以上の様々な運動テクニック(形)によって、主要な筋肉群をはじめとして、全身の筋肉をくまなくトレーニングしています。水を利用した自然なレジスタンス運動を1セットで10~15回程度繰り返して行うことも取り入れています。

 

一般的な注意事項としては、高強度のレジスタンス運動についてです。高齢者や狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患などの合併症のある患者さんには高強度のレジスタンス運動は不適切です。

 

レジスタンス運動における最低限必要な強度と量については、最近、持続的血糖値モニタリングを用いた研究があります。

短時間の高強度運動を2週間続けた試験において血糖値の低下と骨格筋ミトコンドリア機能の増加が報告されています。

なお、高強度運動は運動量を少なくしても、運動適応により遺伝子発現の変化を介して代謝機能を改善することが示されています。ただし、高強度の運動は、定期的な運動習慣がある患者さんのみに考慮されるべき方法です。

 

水氣道®でも、このような考え方に則り、定期的な運動習慣が形成されている階級である初等訓練生(水氣道6級)以上の会員では、徐々に段階的に高強度の運動参加に導いています。入門者である体験生(級外)・特別体験生(水氣道7級)の方には中強度以下のプログラムとしています。

運動器症候群(ロコモ、と略す)対策としての水氣道

 

ロコモの概念

以下の原因により、歩行障害をきたし、生活活動制限、社会参加制限、要介護

に至る病態を指します。

 

Ⅰ:局所の形態障害

  1. 体を支える部位(骨粗鬆症)⇒ 易損性・易骨折性 ⇒ 組織損傷・骨折
  2. 曲がる部位(変形性膝関節症、変形性腰椎症)⇒ 疼痛、可動域制限
  3. 動かす/ 制御する部位(骨格筋萎縮症:サルコペニア
  4. ⇒ 筋力低下、筋拘縮、バランス低下

 

Ⅱ:全身の機能障害

A 神経障害 ⇒ 易損性・骨折、疼痛、可動域制限、筋力低下、筋拘縮

B バランス低下 ⇒ 歩行障害 ⇒ 生活活動制限、社会参加制限、要介護

 

 

日本整形外科学会公式、ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト

「ロコモチャレンジ」

 

 

ロコモの診断法:「ロコモチェック」

1)片足立で靴下がはけない

2)家の中でつまずいたり滑ったりする

3)階段を上るのに手すりが必要である

4)横断歩道を青信号で渡りきれない

5)15分くらい続けて歩けない

6)2㎏程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である

7)家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

 

1つでも当てはまると「ロコモ」です。

 

現在の移動能力評価:「ロコモ度テスト」

1)下肢筋力:立ち上がりテスト

2)歩幅:2ステップテスト

3)身体状況・生活状況:ロコモ25

 

テストの結果を「該当せず」「ロコモ度①」「ロコモ度②」で判定します。

 

ロコモ度①:移動機能の低下が始まっている状態

筋力やバランス力が落ちてきているので、ロコトレ(ロコモーショントレーニング)を始めとする運動を習慣づける必要があります。

また、十分なたんぱく質とカルシウムを含んだバランスの取れた食事を摂るように気をつけましょう。

 

ロコモ度②:移動機能の低下が進行している状態

自立した生活ができなくなるリスクが高くなっています。

特に痛みを伴う場合は、何らかの運動器疾患が発症している可能性もありますので、

医療機関の受診をお勧めします。

 

 

立ち上がりテスト・2ステップテスト

 

ロコモ25

 

トレーニング法:「ロコトレ」片足立・スクワット

 

 

 

ロコモの予防の具体的方略:『水氣道®

水氣道の稽古(トレーニング)内容は、体の支え、関節、動作および運動の制御、神経機能の回復・強化、バランス機能の向上という、ロコモの原因となるすべての要素を万遍なく鍛錬します。

 

水中で多様な歩行訓練を行うため、陸上での通行の歩行機能の向上のみならず、転倒防止訓練にも役立ちます。

 

なお、水氣道は集団稽古(グループ・エクササイズ)であるため、参加者の生活活動制限、社会参加制限を直接解消し、要介護に至るプロセスを強力に阻止することができます。

 

したがって、水氣道はロコモ予防に対する理想的な方略であるということができます。

不整脈の治療法は、近年大きく変化しています。不整脈の種類によっては植込み式除細動器(ICD)や高周波カテーテルアブレーションなどの非薬物療法の有効性が薬物療法を上回ることが示されています。

 

そうして、不整脈の薬物療法は、自覚症状の軽減や非薬物療法を補完する役割が主となってきました。抗不整脈薬は不整脈そのものよりも基礎疾患や心不全、その他の合併症の有無が重要視されるようになり、それに応じた治療目標が立てられるようになってきました。

 

最近の不整脈関連の学会の動向では、心房細動の心拍数調節の基準や、カテーテルアブレーション治療が議論されています。そこで、心房細動について実際にお受けした質問について回答数することにしました。

 

 

Q2 

心房細動の患者さんはどれくらいいるのですか?

 

杉並国際クリニックからの回答

日本人の心房細動有病率は、総人口あたりで0.6%程度、高齢者で2~4%と報告されています。日本循環器学会疫学調査では、70歳代で2.1%(男性3.4%、女性1.1%)、80歳以上では3.2%(男性4.4%、女性2.2%)です。

 

しかし、症状を伴わない無症候性の心房細動が発見されにくいことに加えて、心房細動は初期には発作性であるため、発作のタイミングによって、発見されにくく、なかなか診断に至らない場合も多いということから、実数はこれよりはるかに大きいことが推測されます。

 

このように心房細動発症に影響を与える要因の一つとして、年齢が大きく関わってきます。超高齢社会を迎えたわが国では、心房細動の有病率は着実に上昇しています。

 

かつてはリウマチ性弁膜症(多くは僧房弁狭窄症)に伴う心房細動が多かったです。しかし、この病気が減少するにつれて、リウマチ性心房細動は減少しました。そのかわりに増えているのが、生活習慣病や加齢を背景とした非弁膜性心房細動です。

 

心房細動は、現在では高齢者に多くみられる不整脈疾患であり、日常診療でも遭遇することの多い、普通の病気であるといえます。

 

日本肝臓病学会ホームページを検索してみました。

 

すると、日本肝臓学会ガイドラインとして、8件が掲載されていました。

 

その中で、杉並国際クリニックの患者さんに情報提供すべき優先順位から考えて、

NASH・NAFLDの診療ガイド2010

を採り上げることにしました。

 

 

Q&Aをご紹介した後、杉並国際クリニックの立場から、解説を加えてみます。

 

Q2

NAFLD/NASHの患者さんはどれくらいますか?

 

A2 

NAFLDの有病率は、日本では9~30%と報告されており、患者さんは全国で1,000万人以上いると考えられています。肥満の人やメタボリックシンドロームの患者さんの増加に伴って患者数は増えており、とくに肥満男性の増加が社会問題となるなかでNAFLDの男性も増えていることが懸念されています。また、日本におけるNAFLDの年齢分布は、男性は中年層、女性は高齢層に多い傾向であることが報告されています。

 

NASHの有病率は3~5%と推定されています。全国の肝硬変患者さん約33,000人の原因を調査した報告では、約3/4はウイルス性肝炎が原因で、NASHは2.1%でした。NASHの年齢分布については明確なデータはありません。

 

小児のNAFLDの有病率は少なくとも3%と報告されていますが、年齢の上昇とともにNAFLDの有病率は上昇します。小児のNASHの有病率については明確なデータはありません。

 

メタボリックシンドロームがあるとNAFLDやNASHを発症しやすく、とくに肥満(ウェスト周囲径の増大)はNAFLDやNASHの強い危険因子であり、また高血糖や脂質異常も主要な危険因子です。NAFLDの人がメタボリックシンドロームを合併している場合は、NAFLではなくNASHの可能性が高くなります。

 

 

杉並国際クリニックの立場から

NAFLD(あるいはNASH)とかNASHの略号が使われているので、とっつきにくく難しく感じられそうです。そこで、まずおさらいです。

 

イニシャルのNAは英語表記のnon alcoholicの頭文字で、“非アルコール性”を意味します。‘肝臓’という名詞は英語でLiver、形容詞である‘肝臓の’は英語でhepaticと表記するので、少し複雑ですが、要するに、お酒をあまり飲まない人に生じる肝臓病です。この肝臓病の原因は肝臓の組織に蓄積する脂肪です。‘脂肪’は英語でFatといいますが、‘脂肪の’という形容詞になるとfattyになり、さらに‘脂肪性肝炎’などの場合には、steatohepatitisという表現になり英語のネーティブでも難しい表現になります。ちなみにhepatitisとは肝炎を表します。

 

さて、ここで再確認しておきたいことは、お酒をあまりのまなくてもおこってしまう肝臓病であるNAFLDの患者さんが日本全国で1,000万人以上もいて、ざっと10人に1人がかかっている、いわば国民病であるということです。とくに肥満傾向の中年男性や高齢の女性に対しては、これまで以上に慎重に肝機能検査を実施したり、超音波検査で確認したりする必要があると思われます。