Q3-実際
花粉症で悩んでいます。漢方が効いたという友人がいますが、誰にでも効くのでしょうか?
A3-実際
全く効かないという人はほとんど経験しません。そういう意味では、花粉症に対して漢方は良く効くといえるでしょう。花粉症というのは、西洋医学的な病名ですが、実際にはアレルギー性結膜炎とアレルギー性鼻炎が中核をなすことが多いです
漢方が得意とするのは、圧倒的にアレルギー性鼻炎です。アレルギー性鼻炎は、くしゃみ・鼻汁(鼻水)を主とするタイプと鼻閉(鼻づまり)を主とするタイプがあります。鼻閉があればアレルギー性鼻炎の重症度は重度に分類されます。実際には、両方のタイプが合併する例が少なくありません。
漢方薬は、それぞれのタイプで使い分けるとより効果的です。たとえば、くしゃみ・鼻汁タイプであれば、葛根湯、葛根湯加川芎辛夷、小青竜湯、荊芥連翹湯、辛夷清肺湯、麻黄附子細辛湯が標準です。これに対して、鼻閉タイプであれば、葛根湯加川芎辛夷、辛夷清肺湯が標準です。
しかし、両方のタイプが合併する場合は、高円寺南診療所30年の経験を踏まえて、時間薬理学的処方を試みます。これは、時間帯によってもっとも適した漢方薬をチョイスする方法です。杉並国際クリニックでは、朝食前に出勤に備えてくしゃみや鼻汁をコントロールして眠気を醒ます小青竜湯、夕食前には就寝に備えて鼻閉を解消して熟睡を助ける越婢加朮湯を処方することで、花粉症の治療だけでなく、生活リズムの修正をはかることを試みて大多数で著効若しくは有効な成績をおさめています。
ただし、これもワンパターンではありません。朝用に処方している小青竜湯は比較的体力があって胃が丈夫で暑がりの方にはよく合うのですが、逆に、体力が十分でなく胃腸虚弱で冷え性の方には、かわりに苓甘姜味辛夏仁湯を処方します。
また、鼻閉型では口呼吸に伴い口腔・咽喉頭粘膜が乾燥して嗄声(かすれ声)になっていたり、いつも喉に痰が絡まっているような、つまったような、あるいはムズムズするような異常感覚に悩まされたり、扁桃の周囲に炎症を来しているケースも数多く見られます。
このような場合には、昼食前に、それぞれの徴候に対応した漢方薬を処方することで、更なる改善をはかることができます。
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