不整脈の治療法は、近年大きく変化しています。不整脈の種類によっては植込み式除細動器(ICD)や高周波カテーテルアブレーションなどの非薬物療法の有効性が薬物療法を上回ることが示されています。
そうして、不整脈の薬物療法は、自覚症状の軽減や非薬物療法を補完する役割が主となってきました。抗不整脈薬は不整脈そのものよりも基礎疾患や心不全、その他の合併症の有無が重要視されるようになり、それに応じた治療目標が立てられるようになってきました。
最近の不整脈関連の学会の動向では、心房細動の心拍数調節の基準や、カテーテルアブレーション治療が議論されています。そこで、心房細動について実際にお受けした質問について回答数することにしました。
Q 1
心房細動とは、どのような病気ですか?
杉並国際クリニックからの回答
心房細動は心房が高頻度に興奮することによって起こる不整脈です。心房細動は発作性にはじまり、徐々に発作の持続時間が長くなって慢性化するという自然経過をたどります。
始めて心房細動が確認されたものを初発心房細動といいますが、心房細動発作が7日を超えて持続せず自然停止するものを発作性心房細動と呼びます。これに対して、心房細動の発作が7日を超えて持続するものを持続性心房細動、さらに1年以上持続するものを長期持続性心房細動、心房細動が持続し、除細動不能で洞調律に復帰しないものを永続性(慢性)心房細動と呼びます。
洞調律とは、正常な脈拍であり、上大静脈と右心房の境界付近にある洞結節から発生する活動電位が心房、心室へと伝わり、心臓が1分間に60~80拍の心拍数で規則的に収縮する状態です。
このような心房細動の進行に心房のリモデリング(再構築)が関与します。心房のリモデリングが進行すると、電気的除細動等により洞調律に復帰しても、すぐに心房細動が再発し持続するようになります。
心房細動は、遺伝的要因に加えて、加齢や生活習慣による後天的素因が複合して発症し、徐々に慢性化していく病気です。心房細動の最大の合併症は心原性脳梗塞であり、塞栓症リスク・出血リスクの評価に基づく凝固療法が大切です。
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