風疹や麻疹(はしか)の流行が続いている。5日の国立感染症研究所(感染研)の発表によると、風疹は2月24日までの1週間で、新たに109人の患者が報告された。

100人を超えたのは約2か月ぶり。今年に入って計650人に上り、最近10年では約1万4000人の患者が出た2013年に次ぐペースだ。

 

読売新聞:yomiDr(ヨミドクター)より

 

流行の中心となっているのは、現在30代後半~50代前半の男性です。

風疹ワクチンは、1977年8月~95年3月までの約18年間、中学生の女子のみを対象に学校での集団予防接種(1回)が行われていました。

男児が風疹ワクチンの対象となったのは、95年4月からで、その時点で中学を卒業していた男性はワクチン接種を受ける機会がなかったためです

風疹はワクチンを接種して予防することが最良の対策です。

 

現在は麻疹ワクチンと風疹ワクチンを混合したMRワクチンを1歳時と小学校入学前の2回接種することが一般的です。

 

1989年には生後12~72カ月の男女全員への麻疹ワクチン定期接種時に、風疹ワクチンも含まれた混合ワクチンを選択してもよいことになりました。

 

現在30歳代から50歳代前半の男性で、風疹にかかったことがない人は、いつ風疹に感染してもおかしくありません。

 

ちなみに50歳代後半以降の男性は、ワクチン接種を受けていないが、逆に多くの人が風疹を経験したことで風疹ウイルスに対する抗体を持っているといわれていています。

 

30歳代以降の男性のワクチン接種が重要です。

 

 

杉並区では、風疹の抗体検査・予防接種に助成が出ています。

 

詳しくは杉並のHPで確認してください。

風しん抗体検査・予防接種

 

まずは抗体検査を受け、抗体の有る無しを知ることが重要です。

行動目的:

集中力を維持しつつ積極的に本日の研修をこなす。

1)参加スケジュールにしたがって、もれなく参加する。

2)ポスターセッションでディスカッションする

 

行動計画:

①朝食(07:00am~)

②ホテル出発(07:30am)

③学会会場にて

④ホテル帰還(10:00pm)

 

実際の活動成果:

①朝食(06:30am~)

②学会会場到着(08:30am)

③学会会場

④ホテル帰還(10:45pm)

⑤収集情報整理(10:00pm~)

 

 

本日の研修内容は、結果的には心理科学というよりも、むしろ内科に近いものになりました。

 

心身医学あるいは心療内科の領域までを、心理科学研究者が参入しているという驚くべき、しかし、歓迎すべき現実を目の当たりにしました。

 

詳しい内容はこちら

(PDFファイルで16ページあります)

2019欧州国際医学会研究旅行 第10日

 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(2) ー 肝>

 

<はじめに>

 

 

今回から「五臓」について順番に解説していきましょう。

 

前回の記事はこちら

 

(氣についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

今回は「肝」の働きを説明していきます。

 

 

まずは、西洋医学の肝臓の働きと比べてみましょう。

 

 

<西洋医学での肝臓の働き>

 

肝臓には主に4つの働きがあります。

 

 

(1)代謝ー食べ物から糖・たんぱく質・脂肪を体内で使える形に変えて貯蔵し、必要な時にエネルギーのもととして供給します。

 

 

(2)体を動かすエネルギーの元であるグリコーゲンやビタミンを蓄え、必要に応じて血液中に放出する。

 

 

(3)解毒ーアルコールや薬、老廃物などの有害な物質を分解し、無毒化します。

 

 

(4)胆汁の生成・分泌ー肝臓でつくられた老廃物を流す「胆汁」を生成・分泌します。胆汁は、脂肪、タンパク質の消化吸収を助ける消化液でもあります。

 

 

<東洋医学での肝の働きー疏泄(そせつ)、蔵血(ぞうけつ)>

 

肝の主な働きは「疏泄」、「蔵血」です。

 

 

体内の氣の運動を調節する働きのことを「疏泄」と言います。

 

 

それにより

 

 

(1)「脾胃(ひい)」による食べ物の消化の調節。

(「脾胃」については、後ほど解説していきます。西洋医学の「胃」とご理解ください。)

 

 

(2)「血」「津液」の運行

 

 

(3)月経の周期の調整を行います。

 

 

血液の貯蔵の働きのことを「蔵血」いいます。

 

 

(1)血液を貯蔵する。

 

 

(2)体に回る血液をどこに送るか決める。つまり体内に巡る血液量を調整します。

 

 

西洋医学の糖・たんぱく質・脂肪・グリコーゲン・ビタミンの貯蔵を東洋医学の「蔵血」、老廃物を流す働きを東洋医学の「疏泄」と見るならば、肝臓の機能に関しての認識に大きな差は無いように感じます。

 

 

しかし、東洋医学と西洋医学との違いは「五蔵六腑」は情緒や人体のその他の器官にも深い関係があると認識していることにあります。

 

 

肝の場合、「怒」の情緒と関係が深いです。

 

 

怒りで頭に血がのぼるって言いますよね、これは「怒り」によって肝の「疏泄」の働きが悪くなるからということが言われています。

 

 

また、「筋」、「目」にも関係が深いです。これも肝の「疏泄」の働きが悪くなると「血」が行き渡らなくなり「筋」がつり易くなったり、「目」の疲れがおきます。

 

 

怒ると血圧が上がります。それにより、血管が収縮します。それが長時間続くようになると「筋」や「目」に栄養の供給が滞ることになります。

 

 

それにより「疏泄」の働きに影響が出るので「筋」「目」にも影響がでるのではないかと思います。

 

 

「目」はビタミンA、B、Cを消費します。「目」の使いすぎは、肝臓に貯蔵されているビタミン類の消費を増大させ「肝」に影響を与えるのではないかと考えられます。

 

 

現在社会は、「目」を酷使するようになってきています。このことは「肝」の負担を増やし「血」を消耗させていると考えられます。

 

 

インターネット上のSNSでの炎上騒ぎは、目を酷使し、血を消耗させ、「肝」の「疏泄」「蔵血」作用に負担をかける生活と関係があるのかもしれません。

 

 

<まとめ>

 

・肝の主な働きは「疏泄(そせつ)」、「蔵血(ぞうけつ)」です。

 

 

・体内の氣の運動を調節する働きのことを「疏泄」と言います。

 

 

・血液の貯蔵の働きのことを「蔵血」いいます

 

 

・「肝」には「怒」の感情、「筋」「目」に関係が深い。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<線維筋痛症 JFIQの経過報告>

スクリーンショット 2019-03-08 11.46.56

JFIQ線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 

 

 

上図は左側が初診時の点数、右側が最近の点数でその2点を結んだものです。

 

スクリーンショット 2019-03-08 11.47.05 

上図は線維筋痛症の治療の有効度を表した図です。

 

 

50以上点数が下がると「著効」

 

 

20以上50未満点数が下がると「改善」

 

 

20未満の点数の低下は「無効」の判定になります。

 

 

今回は18名中「著効」4名  22.2%

「改善」7名  38.9% 

「無効」7名  38.9%

でした。

 

 

無効のうちの3名は治療開始から3ヶ月ほどであり、これから効果が現れて来ることと思います。

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

行動目的:

ホテルと学会会場とを確実に行き来できるようになる

1)確実で安全で効率的な移動

2)学会会場で登録を済ませ、詳細プログラムを入手し、参加スケジュールを確定する

3)ポスターセッションでディスカッションする

 

行動計画:

①朝食(07:30am~)

②ホテル出発(08:30am)

③学会会場到着と登録(09:30am)

④学会参加

⑤Thursday, 7 March 2019

09:00 – 15:30 (9:00 AM – 3:30 PM)

13:30 – 18:00 (1:30 PM – 6:00 PM)

18:00 –19:00 (6:00 PM – 7:00 PM)

19:00 – 20:00 (7:00 PM – 8:00 PM)

20:00 – 21:30 (8:00 PM – 9:30 PM)

 

Pre-conference Teaching Institute

Submitted Symposia

Exhibits and Coffee Break

Fred Kavli Keynote Address by BJ Casey

Opening Reception and Poster Session

 

⑥ ホテルへ到着(10:00pmまで)

 

 

 

実際の活動成果:

①朝食(07:30am)

食堂は日本人の若者だらけ、男女のカップル(新婚旅行か?)と若い女性同士の組み合わせ、他愛もない日本語による日本人観光旅行者のコミュニティ、邪魔になりたくないし、目障りに映っているような印象を受けざるを得ませんでした。

 

こういう雰囲気はなぜか、落ち着かないものです。旅行会社を通して手配すると、往々にしてこんな感じになります。次回からは、自分で手配して、大人の雰囲気で落ち着いて朝食を摂りたいものです。

 

事前の情報で知ってはいましたがパリの朝食は非常にあっさりしたもので、ウィーンなどに比べると物足りない感じがしました。朝食を早めにしっかり摂取して、午前中から精力的に活動する作戦は、パリ向きではなさそうです。

 

②チェックアウト(08:30am)

まったく地理感覚がつかめないので、早めに出発して、どこかの地下鉄の駅にたどり着いたら、そこを起点に学会会場へ向かう、という作戦を実行しました。

 

ホテルから学会会場へ向けての方角はほぼ西向きなので、太陽の位置を目安にどんどん歩いて行くと、古い教会にたどり着き、その教会の名前をチェックしかけたら、地下鉄の入り口を発見しました。駅名はNotre-Dame de Lorette(ノートルダム・ドゥ・ロレット)。

 

後で確認したら、ずいぶんと北へ歩いていたようです。パリの道はまっすぐに伸びていることが少ないため、ぼんやりと道なりに歩いていると方角がずれやすいことを学びました。

 

とにかく地下鉄に乗り込んでしまえば、何とか目的地にたどり着くだろうと、東京の感覚で安易に考えてながら、案内板を眺めてみたら、とてもややこしく感じられました。そこへ老婦人が声をかけてくれて、目的地を伝えたら、一緒に案内板で探してくれました。そして<この路線でConcorde(コンコールド)まで乗って、そこで1番線に乗り換えれば大丈夫>ととても上品なフランス語で丁寧に教えてくれたのは有難かったです。

 

とにかく、パリの地下鉄網はよそ者には厄介ですが、そのかわり親切な人たちに恵まれているようなのが幸いです。地下鉄に乗って驚いたのは、女性の声で「すりが多いので十分に気をつけてください。」という日本語のアナウンスが流れることです。英語やドイツ語までであれば驚くに値しますが、パリの地下鉄で日本語のアナウンスが流れようとは予想外でした。

 

 

③ 学会会場到着と登録(10:00am)

かなりしっかりとした、読み応えのあるプログラム冊子が渡されました。これのプログラムをうまく使いこなせれば、効率的に動けそうなことは、すぐにわかりました。しかし、ようやく使い方に慣れるには、丸一日を要しました。

 

 

④ 学会参加

10:25~11:25am 分散開催セッション

ここがパリであるということを忘れてしまうくらいの英語一色の世界でした。

発表者も質問者もアウトバーンを走る自動車のようで、むしろ悠長に話してはいけないような雰囲気がありました。

 

11:45am~12:45pm 教育機関ポスターセッション

いくつか、興味深い発表があったのでディスカッションしながら、英語の口と耳の慣らしをしました。

 

01:00~02:00pm 分散開催セッション

From Mental Faculties to the Predicting Brain:

A New Way to Teach Psychological Science

これはタイトルに期待して参加したのですが、最後までよくわかりませんでした。

 

 

02:10~03:15pm 合同開催閉幕セッション

Why Good Teaching Evaluations Might Reward Bad Teaching

この演題はとても面白く、<なるほど> と大いに溜飲を下げることができて良かったです。私が短大で客員教授をしていたときに、不愉快だったのが学生による教員の評価システムでした。このシステムの欠点を実証的に論じた発表でした。

 

この学生評価システムを多くの大学で導入した結果、学生が課題に取り組む時間が減り、そうした学生は最小の努力で最良の成績がとれる講座を選択する傾向が顕著になったため、学生の学力レベルが顕著に低下したという結果が示されました。とくに学費の高い私学ではより顕著な傾向があり、教師も学生の評価が勤務評定や昇進に影響を及ぼすようになったため、とっつきやすい課題が中心となるなど、しっかり時間をかけて理解し、論理的な文章で回答させるような本格的課題を避けざるを得なくなったという報告です。

 

日本に導入される頃には、すでに結論が出されていたとは皮肉な話です。より民主的で革新的な考え方を求めて目新しさに飛びつき、<他でも始めたからバスに乗り遅れるな>といった安易な考えで制度を導入してしまうことは、よくありがちです。しかし、良さそうに見える事柄でも、その後に実証的な検証を加え、データを集積して検討を加えない限り、悪循環になるということの典型的教訓だと思いました。

 

 

03:00~04:45pm ワークショップ

Negotiating Challenges to Scientific Advancement Disappointments,

Delays, and Declines

*Organized under the auspices of Women in Cognitive Science (WICS)

 

このワークショップはすごかったです。何がすごいかというと、認知科学に従事している女性研究者擁護団体が主催するワークショップだからというのではなく、女性しか発言を認めないワークショップだったからです。

 

ワークショップの趣旨からして、4人のパネリストが全員女性であったことや、参加者のおよそ9割が女性であっても不思議はありません。しかし、発言に参加しようとしたたった一人の男性(私ではありません)の発言をあからさまに無視していました。

 

こうした討論の進行方法に対して、女性研究者の一人が異議を述べたところ、彼女の提案は、激しい口調で完璧に封じられました。全員が超特急のような英語でスピーチするのは、このセッションに限りませんが、女性であることが研究者としてのキャリアを積む上でいかにハンディキャップになるかを一方的にぶちまけるのはワークショップの名に値しないのではないかと思いました。

 

こうしたワークショップに参加する男性研究者は、女性研究者の敵ではなく、むしろ協力者の可能性が高いのではないかと思います。フロアからバツイチを自任する年配の女性のヒステリックで攻撃的な英語を聞かされましたが、この女性の元の亭主は相当に寿命を縮めたのではないか、という憶測を呼ばざるを得ませんでした。とても残念で愚かな団体です。教養は正しく身につけないと、とんでもない人格が形成されてしまいかねないという貴重な勉強をさせていただきました。

 

 

04:30~05:50pm 分散開催セッション

Quantitative and Qualitative Analyses of Drawing Tests:

Development, Personality, and Culture

座長:Yuko Yato(矢藤優子)、立命館大学

 

このセッションはとても刺激になりました。座長のYato先生は、立命館大学のProfessorであるという紹介がありました。ホテルで検索したところ、たしかに、矢藤先生は立命館大学の総合心理学の教授で、比較発達心理学、乳幼児心理学の専門家であることが確認できました。乳幼児期の子どもの行動発達について、周りの環境(養育者、家族、地域、文化など)とのかかわりに重点を置いて研究しているとのことです。

 

フランス留学のご経験があるためか、現在もフランス研究者とともに、行動計測機器としてデジタルペンを用いた乳幼児の書字・描画研究を続けているとのことです。今回の発表も、このデジタルペンを用いて子供が「何を描いたか」だけでなく、筆速、筆圧、描き順など「どのように描いたか」という情報を分析して、自らご発表をされました。

 

発表者は他に中国出身の女性Ji Yuanhong先生(立命館大学所属)のバウムテストでの日中の子供たちの描画の特徴の比較、デジタルペンの開発者のPhilippe Wallon先生の日仏の子供たちの描画データ解析の発表は圧巻でした。Wallon先生はご高齢で、ちょうど将棋の加藤一二三氏(ひふみん)を彷彿させる容貌の方でした。フランス人らしく、独特なアクセントの英語ですが、話し方がまた(ひふみん)そっくりなので親しみを感じました。このデジタルペンは優れもので、これまで定性的にしか分析できなかった事柄を、定量的数値データとして解析できるので、今後の研究や臨床の場での活用が期待できます。

 

このセッション終了後、さっそくWallon先生から、デジタルペンの資料をいただきました。

 

 

07:00~08:15pm 基調講演

ICPS 2019 Fred Kavli Keynote Addresses Abstracts

Learn more about what the Keynote speakers will be presenting on at the ICPS 2019!

 

07:00PM-08:15PM

Arrested Development or Adaptive?

The Adolescent and Self Control

 

20190308

BJ Casey, Department of Psychology, Yale University, USA

BJ Casey is widely known for her skillful use of brain imaging to examine developmental transitions across the life span, especially during adolescence. Her work is grounded in translational studies from genetically altered mice to humans, leading to the development of treatments for several mental health problems that affect millions of young people. Her studies have begun to inform when and how to target treatments to the individual based on age and genetic profile, and they have implications for juvenile justice and mental health policy reform. An APS Fellow, Casey is the recipient of numerous awards, and she was named by Thomson Reuters as one of The World’s Most Influential Minds in 2015. [Full Abstract]

 

Adolescence refers to the transition from childhood to adulthood that begins with the onset of puberty and ends with successful independence from the parent. A paradox for human adolescence is why—during a time when the individual is probably faster, stronger, of higher reasoning capacity, and more resistant to disease—there is such an increase in mortality relative to childhood. The increase in fatalities at this age is due not to disease but, rather, to preventable forms of death (accident, suicide, and homicide) associated with adolescents putting themselves in harm’s way, in part because of diminished self-control—the ability to suppress inappropriate emotions, desires, and actions. In this lecture, empirical findings will be presented on how self-control can vary as a function of age, the situation, and the individual. Evidence for dynamic reorganization of the brain that coincides with apparent lapses in self-control during adolescence will be discussed in the context of evolution based biological constraints on the brain that may enable the adolescent to adapt to the many unique challenges of this exciting developmental phase of life.

 

この基調講演の会場はオペラやバレーなどの劇場も兼ねることができる大ホールでした。この時間まで、数百人の参加者が熱心に参加しているのも驚きでした。しかし、演者に先立って、この学会の共同大会長の女性からの型通りの長めのメッセージを聴いている間に徐々に眠気が襲ってきて、このレクチャーの詳細までは正確には覚えていません。

 

ただし、口演の趣旨は、青春期から成人になる過渡期の不安定な時期の心理状態についての言及でした。両親から独立しておとなになっていく時期で、身体的な病気で死亡する可能性は最も低いにもかかわらず、事故や自殺あるいは殺人などで命を落としてしまうケースが問題となっています。この時期には、それまでよりも急激に自己制御力が要求されても、脳が活発に成長することによって乗り越えることができますが、不適切な情動、欲望、行動などを制御することが難しくなる過渡期でもあります。そのあたりの背景についてのスピーチで興味深いものでありましたが、不覚にも途中で意識が途絶え、盛大な拍手によって目を覚ましたという有様でした。

 

 

⑤ホテル到着(09:30pm)

パリの鉄道は行き先によって乗車駅が異なることは知っていましたが、同じ駅でも路線が違うと別の入り口なので、慣れないと手間取ります。ただし、地下鉄の駅の区間は東京の丸ノ内線と比べてずっと短いことを実感しました。ホテルの最寄り駅のGrands Boulevardsと隣のBonne Nouvelle駅とはHaussmann通りを歩いてみた感じでは、新高円寺駅と東高円寺駅まで青梅街道沿いを歩いた身体距離感の3分の1以下でした。心理学的には、慣れない土地のほうが距離が長く感じられるはずなので、実際にはもっと至近距離なのかもしれません。そういうわけで、

 

パリの市街地図を改めて眺めてみると、最初の印象の3分の1くらいの感じになりました。

 

 

本日入手した学会の詳細プログラムの検討と参加プランニングのため、国際線維筋痛症学会2日目の報告は、この学会終了後といたします。乞う期待!

ウィーンからパリへ

 

行動目的:

1)確実で安全な移動

2)昨日のウィーンでの学会で収穫した情報の整理

3)明日のパリの学会出席のための準備

4)パリのホテルに到着し、Maxの到着後パリ市内探索

 

行動計画:

①朝食(06:30am~)

②チェックアウト(~10:00am)

③ウィーン国際空港へ

④ウィーン空港発(01:00pm)

⑤シャルル・ドゴール空港着(03:10pm)

⑥ホテルへ

⑦Max到着(水)

 

実際の活動成果:

①朝食(06:30am~)

②チェックアウト(~08:00am)

③ウィーン国際空港到着(10:00am)

④ウィーン空港発(01:15pm)

⑤シャルル・ドゴール空港着(03:10pm)

⑥ホテルへ(04:50pm)

⑦Max到着(06:00pm)

⑧パリ市内散策

⑨ホテルへ(09:30pm)

 

 

今日は欧州内での最後の移動日で、学会等の行事はありませんでしたが、とても充実した一日でした。

 

学会での公式用語は英語ですが、生活上の公用語はドイツ語からフランス語に切り替えなくてはなりません。パリのシャルルde Gaulle空港に到着するまでの間は、フランス語のCDでシャドウイングの集中訓練に宛てました。

 

ホテル前の駅が閉鎖されていることもあって、一駅分を歩かなければならないため、チェックアウトを2時間早めました。スムーズに済みました。その理由は私がドイツ語が上達したというよりも、受付嬢が知りたいことは全部把握できるようになったからだと思います。

 

何事も事前準備が大切です。すべてを済ませて、お礼を述べて、I will kommen hier nächstes Jahr noch einmal wieder.(来年も一度またこちらへ来ます)といったところ、隣で無表情で宿泊客の対応をしていた受付嬢まで素敵な微笑みを返してくれました。何と爽やかな朝だったことでしょう。

 

私が米国ではなく欧州で医学研修をするようになったのは、いくつかの重要な背景があります。基礎研究や組織的に大掛かりなデータに関与する立場であったなら、迷わず米国に赴いていたことでしょう。しかし、臨床医としては欧州各国から学ぶことが遥かに多いのです。なぜなら、EU圏は米国とは異なり日本と同様に保健医療制度が普及しているからです。

 

ドイツやフランスばかりでなく、東欧圏(今回初訪問したリトアニアを含めて)のドクターたちと現場の感覚が非常に近いことも、今回改めて実感できました。現場の臨床医は、国や文化や人種の違いを超えて共通の悩みを抱えているのです。

 

つまり、医学研究者は米国志向で良いのですが、日常診療で現場を抱えている臨床医にとっては、欧州各国の医師と交流し、明日の診療に役立つことを学びあい、直面している問題を皆で解決していこう仲間意識がはぐくまれます。つまり、わざわざ休診にしてまで学ぶ価値のある、今後の医療現場に直結する良い訓練になるというわけです。

 

それから、ウィーンを拠点に欧州中を駆け巡っている理由は、意外に思われるかもしれませんが、それは文化的側面です。私は15年来声楽の勉強を続けていますが、それが理由の一つです。日中、集中的に医学研修をするうえで必要なのは、労働と休息のバランスです。

 

質の高い労働に従事すればするほど、脳は高度な文化を求めます。他の方のことは存じ上げませんが、少なくとも私に関しては真実です。そして医学は科学者同士で科学の世界にはまり込んで活躍して優れた業績を上げれば良いのですが、医療には文化的社会的基盤の上の展開していく領域です。ですから、大学病院での医療は、単に<医学の、大学病院という特殊な環境における適応>に過ぎず、一般社会においては限界があります。それを勘違いしている理想に燃えた医師たちが、次々と大学病院内に総合診療部を設立しましたが、ほとんどが消滅し、あるいは崩壊の憂き目を見ています。これは少しでも医療の本質を見据えることができたのであれば、回避できたはずの不幸といわざるを得ません。

 

さて、それならウィーンでなくてパリでも良いのではないか、という代替案が浮上してきます。これから、数日間パリに滞在している間に、実際に体験してみたいと思いますが、空港からのアクセスは断然ウィーンのほうが優れているような気がします。

 

今朝も、ウィーンン・ミッテ駅のウィーン国際空港行の直通列車のターミナルで、飛行機搭乗のチェックインを済ませ、そこで大きな手荷物を預けました。これはとても便利なシステムです。大きなラゲッジを引きずり回さなくとも、小さなバッグ一つを抱えて搭乗までの時間を過ごせるので、搭乗までの数時間を有意義に過ごせるからです。

 

私は、空港行の直行列車に乗るころには、フランス語のシャドウイングのCDの65セクションのうち35セクションをクリアしていました。すると、不思議なもので頭がドイツ語からフランス語に切り替わっていました。フランス語が堪能というわけではないのに、迷うことなく勝手に言葉が出てくるようになっていました。

 

飛行機(オーストリア航空)に乗り込んだ時、男性の客室乗務員にとっさに、Mon siège est-il à la fenêtre? Car ma carte est comme 031F.(私の座席は窓側ですか、搭乗券には031Fとなっていますので)と自然に尋ねているふだんの自分らしからぬ堂々とした自分がいたのでした。すると、彼は、Oui, à la fenêtre.(はい、窓側)とぎこちなく答えてから、改めて丁寧にMonsieur, à la fenêtre à l'arrière.(お客様、最後尾の窓側です)と答えました。

 

よく考えてみるとパリ行きの国際線なので彼がフランス語を解することは自然ですが、ドイツ語圏の航空会社の職員なわけなので、東洋人がいきなりフランス語で質問してきたのには一瞬面食らったのも無理はありません。確かに右側の最後尾の窓際の席で、通路側にすでに若い男性が着座していたので、Pardon!(すみません)とフランス語で声をかけてから、あわててEntschuldigen Sie bitte!(どうもすみません)とドイツ語で言い直しましたが、よく見ると相手は日本人らしい。

 

無言で通してくれましたが、<気持ちの悪い変わったオヤジだな>くらいには思われたかもしれません。それでもめげずに、フランス語のCDに集中し、結局パリに到着するまでの間に65セクションのうち55までをクリアしました。これは、とても効果的な勉強法でした。

 

空港からホテルまでは、迷わずタクシーに乗りました。運転手さんとは、最初からフランス語です。口から勝手にフランス語が出てきます。この運転手さんは、これまでと同様に外国からの移民のようですが、私が遠慮して少し口ごもると「一人でパリに乗り込む以上は、このタクシーに乗っている間は、徹底的にフランス語で話をしておいた方が良い」とアドヴァイスしてくれました。

 

私が東京からきたというと、彼は日本で過ごしたことがあるらしい。少し訛のある発音でKanomaやOyamaでShurinjiを学んで、パリでも続けているとのこと。Kanomaとは鹿沼、Oyamaとは小山、Shurinjiとは少林寺のことだと推測していましたが、パリの通りに面した少林寺拳法の道場の前を通過した際に、私の推測は当たっていたことを確認することができました。そこで「私は水気道という武道の創始者で、少林寺拳法の基本的な形を水中で行うこともある」、といったところ、とても興味をもってくれました。

 

彼とは話が盛り上がったので、帰りにパリのホテルから空港に向かう際にも彼のタクシーを御願いする仮の約束をしてタクシーを降りました。Abdelという名前でした。

 

ホテルは三ツ星ですが、古びた地味な外観でした。受付のチェックインでは、すでにフランス語が口から滑り出しました。フランス語のシャドーイングの超短期集中訓練とAbdelさんの車内実践フランス語訓練が奏功した模様です。受付の女性は、とても親切で親身なタイプの方なので安心しました。6時過ぎにドイツ人のMaxという若い友人が、私を訪ねてくるので、知らせてほしいと、お願いしたら、正確には覚えていませんがBien sûr,j'accepte.(もちろん、了解しました。)Ça va être très agréable.(それは、とても素敵なことですね!)などのように答えてくれたような気がします。

 

 

予定通りMaxが迎えに来てくれました。生憎の小雨でしたが、若い人たちは気にもかけずに通りを歩いています。まず、パリの5日交通券を買うことから手伝ってもらいました。そしてホテルのある9区からパリ市庁舎の前を通り、セーヌの右岸まではすぐでした。そこから川中島のシテ島のノートルダム大聖堂の前を通り、左岸へと歩を進めました。ソルボンヌ大学やパンテオンを経てリュクサンブール公園、そこではモクレンと桜が咲いていました。パリ第三大学の学生であるMaxの話だと、パリはこのところ温暖な日が続いていたので、樹々がprintemps(春)到来と勘違いして早咲きしているのかもしれません。このあたりは、カルチェ・ラタン(ラテン地区)と呼ばれているところです。

 

最後にたどり着いたのはMaxがこの日のために予約しておいてくれたパリでは典型的なBrasserieであるCAFÉ de L’EMPIREという店に入りました。おそらくは夫婦の経営のようでしたが、すでにMaxとは馴染みになっているようでした。気さくな奥さんが対応してくれて、Bonjour!とあいさつするとParlez -vous française,monsieur?(お客様はフランス語を話すのですか)と尋ねてきたので、Oui,madam,mais en peu!(はい、奥さん、でも、ちょっとだけ)と答えたら、英語のメニューも持ってきてくれましたが、Maxと私が話し合っているのを聞いて、<英語のメニューは必要なさそうね>という表情で持ち帰りました。パリでの初日、それも1時間前に到着したばかりで、フランス本場の気取らないブラスリーでディナーを堪能できたのは、偏にMaxのおかげでした。帰りは、無理をせずTaxiでホテルに向かいました。

 

パリは地図で見ると東京並みに大きな都市のように感じていましたが、実際にMaxと歩けたおかげで、比較的こじんまりして徒歩で移動できる範囲も広いことが分かったのは明日以降のパリ滞在のためには格好のオリエンテーションになりました。

 

というわけで、本日は、医学の話題は掲載せずに、宿題報告は、翌日以降に回すことにしました。

行動目的:

The International Congress on Controversies in Fibromyalgia

線維筋痛症における争点に関する国際会議

1)確実な出席

2)密度の濃い情報収集と整理

3)ディスカッションへの積極的な参加

 

行動計画:

①朝食(06:30am~)

②学会(08:30am~05:00pm)

③ホテルへ

④Staatsoperへ(07:30~9:30pm)

⑤ホテルへ

 

 

重要な活動予定の詳細:

(オリジナルのプログラムを添付しました)

7日目 プログラム

 

パリへ向けての出発準備等のため詳細の報告は、翌日分に掲載します。

 

 

実際の活動成果:

ホテル出発が若干遅れたため、第2演題の後半に会場に到着しました。

 

昨日と同様、エネルギッシュな発表と質疑応答が交わされました。

 

参加者は全体でおよそ80人程度であるにもかかわらず、一つの演題のあとに、質問者が3~5人も列を作ることなど、日本の学会ではかつて経験したことはありません。二日目の朝一番から顔ぶれも人数も変っていません。ウィーン市内や郊外のツアーに逃げ出すような人は皆無であるということです。それが質の高いエキスパートばかりが参加する国際学会の常識というところかもしれません。

 

プログラムの順番は午後に少し変更がありましたが、熱心な討論があったのにもかかわらず時間通りに終了できたのは、座長をはじめ発表者、質問者すべてが学術発表に熟練しているためであるからだと思いました。

 

学会終了後ホテルに戻り、そのままStaatsoperに向かいました。

 

7:30~10:15pmウィーン国立歌劇場にて、「愛の妙薬」を観劇しました。

          帰国後、VIVA聖楽院での報告を予定しています。

 

オペラからホテルに戻ると、強い眠気のため作業等は一切せず、すぐに休み、明日に備えました。

行動目的:

The International Congress on Controversies in Fibromyalgia

線維筋痛症における争点に関する国際会議

1)確実な出席

2)密度の濃い情報収集と整理

3)ディスカッションへの積極的な参加

 

行動計画:

①朝食(06:30am~)

②学会(08:00am~05:20pm)

③ホテルへ

④Volksoper(07:30~9:30pm)

⑤ホテルへ

 

 

月曜日,3月4日

Monday, 04 March

昨夜の食事が体に残っている感じがあるため、朝食は取らず、学会会場へ向かいました。ヒルトン・ホテルの会場は大広間に丸テーブルが並んでいて、聴きやすい席を確保しました。線維筋痛症という疾患にしぼっての学会であるせいか、限りある持ち時間を極限まで凝縮した内容を発表しており、英語は弾丸のように発せられていました。同じ内容を日本語で聞いたらとても疲れるだろうと思われました。質疑応答も同様に活発なやりとりがありました。レジュメを予習していなかったら、完全においてけぼりの状態に陥っていたことでしょう。私以外の日本人の参加者は周囲に確認できませんでしたが、日本のデータはたびたび引き合いに出されていました。

 

会議の内容が膨大なため下記ファイルにまとめました。

(PDFファイルで53ページあります)

 

線維筋痛症における争点に関する国際会議

 

行動目的:

(The 6th International Conference on PreHypertension &

Cardio Metabolic Syndrome)

 

第6回高血前圧症・高血圧症・代謝性疾患・循環器疾患国際会議

1)確実な出席

2)密度の濃い情報収集と整理

3)余裕のある移動

4)体調調整と翌日の学会出席の準備

5)今回の国際学会についてのまとめの準備

 

 

行動計画:

①朝食(06:30am~)

②ホテル・チェックアウト(~07:30am)

③学会(08:00~11:10am)

④ビリニュス国際空港へ(~00:15pm)

⑤ウィーン国際空港へ(メガネの問い合わせ)

⑥Hアナナスチェックイン(~04:00pm)

⑦Pablo先生の声楽レッスン(06:00pm)

⑧ホテルに戻り、翌日の学会準備

 

 

重要な活動予定の詳細:

(学会発表の演題には和訳を加えました)

 

行動成果: 

時差の誤認に気づく

ウィーンと東京の時差は8時間ですが、ヴィリニュスと東京の時差は7時間です。

これに気づかないままですと、ヴィリニュス発ウィーン行の飛行機の搭乗に間に合わなかった可能性がありました。思い込みというのは危ういものです。

 

そもそも、このホテルに到着したときの時間が想定外に早かったのですが気づきませんでした。窓から道行く人をながめては、この国の人たちはとても早起きだと思いましたが、それでも気づけませんでした。ホテルの朝食は6:30amからですが、実際には7:30amに摂っていました。ほとんど東洋人を見かけず、この国を訪れる欧州系の観光客は早起きだと感心していました。

 

初日の学会のプログラムが変更に次ぐ変更があったため、ここでも気づくチャンスを失いました。毎朝早めに学会会場に到着していたので、最初の発表を聞き逃すことはありませんでした。ただし、最終日にはチェックアウトを済ませてからギリギリの時刻に学会会場に到着したはずでしたが、すでに幾つかの演題の発表が終わっていました。ここでようやく時差の誤認に気づいた次第です。

 

 

08:30-10:30 Plenary Session 13: Selected Research(Abstracts)

   全体討論13:採択研究(要旨)

共同座長: Aleksandras Laucevicius, リトアニア,Carmel McEniery,英国

 

08:00 Assessing the Impact of Switching 

to the Tobacco Heating System on

Cardiovascular Events:

Translating Basic Science into Clinical Benefit

タバコ加熱システムへの切り替えが心臓血管イベントに及ぼす影響力の評価

Calin Pater,スイス

興味深い演題でしたが、遅刻のため聞き逃しました。

 

 

08:10 Effect of 8 weeks of Weight-Lowering Program

on LDL-and HDL-Cholesterol Subtractions and

Cardio metabolic Risk Factors

8週間の減量プログラムがLDLおよぼHDLコレステロールおよび心臓代謝リスク因子の減少に及ぼす効果

Adela Penesova,スロヴァキア

  これも聞き逃しました。

 

 

08:20 Blood Pressure and Glycaemic Control Improve

in Men with Hypogonadism and Type 2 Diabetes(T2DM)Receiving

Long-Term Treatment with Injectable Testosterone Undecanoate(TU)

血圧と血糖コントロールは長期間のテストステロン・ウンデカノエイトの注射を受けている性腺機能低下症で2型糖尿病の男性を回復させる

    Farid Saad,ドイツ

     これも聞き逃しました。

 

 

08:30 Renal Protective Effects of Topiroxostat and Febuxistat,

Newly Available Xanthine Oxidase Inhibitors, in the Hypertensive Patients

新規に導入されたトキサンチンオキシダーゼ阻害薬であるピロキソスタットおよびフェブキスタットの高血圧者の腎臓保護効果

       Fumitoshi Satoh,日本

     これは、最後のころに少しだけ、

    ただし、痛風医にとっては、すでに常識の話でした。

 

 

08:40 Prevalence and Hemodynamic Phenotype of

Arterial Hypertension, and Left Ventricular hypertrophy

in Children after Coarctation Repair

大動脈縮窄症術後の小児の動脈性高血圧および左室肥大の有病率および表現型

       Skaiste Sendzikaite,リトアニア

 

               〇小児外科、とりわけ小児心臓外科領域の未解決の課題

    質問:なぜこの疾患に高血圧症が多いのか?

    これに正確にこたえるだけの情報が集積されていない。

 

 

08:50 

PULSE-COR REGISTRY: Left Ventricle and Arterial Stiffness

in the Cohort of Patients with essential Arterial Hypertension

脈拍-心臓登録:本態性高血圧患者のコホートでの左室および動脈の硬度

Olena Torbas,ウクライナ

 

〇一施設での登録

〇血圧、脈拍

〇左室:VAC、E/Ee’,CAVI,cfPWV

〇寝室-動脈相互作用が本態性高血圧症の拡張機能不全に影響を与える

〇この研究によって病態が解明されれば、病態に応じた適切な治療が可能になる。

 

 

09:00

Evaluation of Clinical Characteristics and Quality of Life

in Patients with Peripheral Arterial Disease(PAD) Treated

with Cilodtazol:The CI-Win study

末梢動脈疾患患者の臨床的特徴と生活の質(QOL)の評価

     Nicolaos Tentolouris,ギリシャ 

 

   〇CI-WIN study design

        〇Fontain Stage Classification

   〇mean pain free walking distance with/without Cilostazol

   〇minor or lack of adverse effect

       〇Brachial/Ankle blood pressure ratio の改善はわずか 

 

09:10-11:10 Plenary Session14:Arterial Hypertension,

Metabolic Disease and Cardiovascular Risk Prediction

Chairs: Carmel Mc Eniery, UK, Zaneta Petrulioniene, Lithuania

全体討論14:動脈性高血圧症、代謝性疾患、心血管系リスク予測

 

 

09:10

Body Composition and Cardiovascular Haemodynamics

in Young Adults

   若年青年の体組成および心血管系血行動態

Carmel Mc Eniery, 英国

 

   〇若年青年の収縮期血圧測定は重要

   〇若年期からの医学的介入によって高血圧への進展を防ぐ

   〇Enigma study

   〇体表面積と心拍出量は高い相関がある

   〇ボーダーライン高血圧と肥満は、心拍出量増加を伴う高血圧前症の2大要因

   〇同じ体表面積でも、体組成が異なれば、臨床的な意味も異なる

   〇Body sizeが増えれば、還流血流量の需要が増えるので、心拍出量は増える

    すると収縮期血圧が上昇することになる

   〇若年者では除脂肪体重(Lean Tissu Mass)は脂肪組織より心拍出量を増やす

   〇若年の肥満者が必ずしも高血圧者であるのではない

      血管抵抗性の調整機能が作動するためか

   〇ADAPT study

     〇 Overfeeding が及ぼす効果

   質問;若年青年にターゲットを絞ったわけ

   関心がもたれていない重要な年代だから

   座長からの質問:Healthy Obesityの背景は?

健康な肥満者は存在するのか、存在するとしたらその特徴は?

演者の回答:肥満者で健康な人は例外的だが存在する可能性がある。一般の肥満者とは異なる体組成であり、インスリン抵抗性や動脈の硬化の程度が異なっている可能性がある。

 

09:30

Home and Office Blood Pressure Measurements as

Determinants of Hypertension Mediated

Organ Damage: The Finn-Home Study

高血圧に影響を及ぼされる臓器傷害の評価法としての家庭および医療機関での血圧

Ilkka Kantola, フィンランド

 

〇家庭血圧測定の意義はすでに確立している

〇家庭血圧は再現性にすぐれ、白衣効果からも免れる

 

 

09:50

The Cardiometabolic Patient: how to Evaluate Risk?

心臓メタボ患者:どのようにリスクを評価するか?

Aleksandras Laucevicius, リトアニア

 

〇 高リスク戦略的予防(一次予防)プログラム

〇リトアニアでは肥満、メタボリックシンドローム、高血圧は、年次的に減少しつつある

〇Cohort study Framingham

〇Cardiometabolic risk:LDL-コレステロール高値、左室拡張不全、左室肥大

〇Early Vasculra Ageing(EVA):血管硬化、脈波速度の亢進、動脈内膜の傷害

〇大動脈波速度:CVD発生の予測因子

〇頸動脈-大腿動脈脈波速度はメタボリックシンドローム患者をモニターするうえで有用

〇動脈の硬度は可逆的である

〇有酸素運動による動脈硬化の改善の反応性は良好

〇SCOREシステム

〇超音波による頸動脈の内膜中膜厚の想定は有効

 

10:10

The Different Faces Of Cardiovascular Risk:

The Spectrum of Risk is Wider than Currently Accepted

and Therefore Prevention and Treatment should be

Tailored for any Individual Patient

心臓血管系リスクの異なる側面:

現在認識されていることより広範なリスクスペクトラムであるため予防と治療は個々の患者に応じてなされるべきである

Dov Gavish, イスラエル

 

〇第一次予防のための脂質コントロールの目標値は?

〇どのような人がハイリスクなのか?

〇FH:家族性高脂血症のLife cycle expectation

〇CVD,CHDMortalityはLDLコレステロール100㎎/dl未満が最も優れている

〇米国のガイドラインは議論の多いところ

〇冠状動脈の石灰化はCVDの良い予測因子

〇LDLコレステロールは70㎎/dlが至適

〇Timi risk score2

質問:すべてのリスク患者の動脈が石灰化するわけではない

回答:その場合であっても家族歴の聴取、超音波検査の実施が有効

 

 

10:30

From Moderate to Very Hig Cardiovascular Risk

: Patient’s Journey, Primary Health Care Provider Possibilities

中等度から超高度の心血管系リスク:患者の旅行、プライマリケア医の責任

Gediminas Urbonas, リトアニア

 

〇プライマリケア医の責任は重い

〇症例提示:ドキサゾシン、ラミプリルで治療

〇メタボリックシンドローム:この疾患概念の欠点は、各疾患を個別をそれぞれ個別に治療することと大差ない点である

〇LDLコレステロール低下療法を開始するタイミングは?

〇アポリポプロテインB,高感度CRPなどの新しい推奨指標はプライマリケアでは導入しずらい

質問:小児のメタボリックシンドロームの治療指針は?

回答:小児科の専門医でないのでしっかりした回答は用意できない

 

 

10:50

New Guideline for Statin Treatment in Primary Prevention:

     The Contribution of Coronary Atherosclerosis Imaging

第一次予防におけるスタチン治療のための新ガイドライン

冠状動脈硬化症への貢献

     Joeseph Shemesh,イスラエル

 

〇北米ガイドラインではリスクの層別化を行い高度なリスクををもつもののLDLコレステロールのコントロール目標値は<70㎎/dlである

〇喫煙者、糖尿病者、ASCVDの濃厚な家族歴を持つものでない限り、ただちにスタチンを開始することは差し控えられるべき

〇スタチン非推奨群、スタチン考慮群、スタチン推奨群、高容量スタチン推奨群などはリスクの大きさによって分類される

〇CTであれば、動脈硬化症ではすべてに石灰化を検出することができる

〇低線量CTで冠状動脈のscoringを行うことが新しいstragedy

〇LDLコレステロールが統治であっても動脈石灰化を認めない患者にスタチンを投与する必要はない

〇リスクで最大なのは加齢である、それは加齢に伴い動脈の石灰化が進行するからである

〇北米ガイドラインは実際には低リスクの患者にもスタチンを推奨してしまうことになる、44%もの対象者には石灰化がみられないからである。

〇そのかわりsubclinicslCAD

   Coronary Artery Calcification(CAC)scoringは需要な予測指標である

    3年ごとに低用量CTでチェックすべきである。

 

 

11:10‐11:30 Coffee Break

学会会場のフロントにてタクシーを呼んでもらい、そのまま空港へ

ビリニュス国際空港からウィーン国際空港へ無事到着。

 

再び時差の話題に戻すと、

2月28日ウィーン発10:00am、ヴィリニュス着00:45pm(形式的所要時間2:45)

これに対して

3月3日ヴィリニュス発01:35pm、ウィーン着02:25pm(形式的所要時間0:50)

羽田から出発前に、往復の所要時間の違いにはすでに気が付いていて不思議に思った段階で時差に気が付く人は気が付いていたはずです。

そこでパリと東京の時差を再確認してみましたが、これはウィーンと同じ8時間でした。

 

ウィーン国際空港では、逸失物取り扱い窓口にてメガネを受け取ろうとしましたが、逸失日から2日までは、空港内の通常の窓口で預かっているが、その後は別の場所に移管されるという説明を受けました。

 

その窓口は、空港ロビーからいったん外に出て、別の建物の中に入ったところにありました。そこの女性職員は、ほとんど英語を解さないのでドイツ語でやりとりするとスムーズでした。彼女は大きなケース(プラスティック製のざる)をもってきて、裸のメガネに数字を記入した小さいカードが、まるで値札のようについていました。

 

メガネを機内に忘れる人は予想以上に多いことが分かりました。多数の中から、一つ一つ点検し、一つだけ似ているメガネがありましたが、明らかに私のものとは違っていました。メガネの回収はあきらめざるを得ませんでした。

 

ウィーン空港からタクシーで定宿に向かいました。ウィーン、ベルリン、ヴィリニュスのタクシーについて私が経験した限りでしったことは、タクシーの運転手さんには移民がとても多いということです。

 

彼らは英語圏やドイツ語圏の出身でないことがほとんどなせいか、英語で話しかけると、英語はまったくわからない、と断るドライバーも珍しくありません。そこで頼りになるはずのドイツ語ですが、これも相当に癖のある訛った発音である場合があります。彼らの仕事が成り立っているのは、ドイツ語圏の客であれば、それでも何とか通じるのでしょう。ただし、たまたま、タクシーの運転手になったばかり、というケースもあり、ある程度の覚悟が必要でしょう。

 

この日の運転手さんのドイツ語はかなり怪しい代物でした。それでも彼らは商売熱心です。「せっかくだから、ウィーンの街を案内しましょうか、それともホテルにディレヒトで向かいますか」と尋ねてきました。私は、ウィーンは何回も来ているので直行(ディレクト: direct)してください」と答えました。

英語でもダイレクト(direct)といいますが、ディレヒトという発音の仕方は、ドイツ語風に発音しているつもりなのかもしれませんが、困りものです。運転中は、ずっと備え付けのスマホで、いろいろな新車のモデルをクリッして眺めながらの運転で感心しませんでしたが、ひょっとすると車の買い替えを検討していたのかもしれません。

 

ホテルの前で降車の際に、多少のチップを渡したところ、大げさに喜んで思わずGrazie mille!(どうもありがとう:イタリア語)、そして最後にTschüs!(じゃあね!:ドイツ語口語)ということでした。

 

外国語が苦手な一人旅の観光客はスマホを最大限に有効活用しているのではないかと思います。残念ながら、私はスマホを持っていなくてもメガネを置き忘れてきてしまう程度の人間なので、これからもスマホなしの人生を楽しもうと考えています。

 

外国語といえば、ホテルのフロント係はたいてい流暢な英語を話し、母国語のドイツ語も訛っているようなことはほとんどないので、安心して会話ができます。ビリニュスのホテルのフロント係にはとてもお世話になり、名残惜しいくらいでしたが、チェックアウトのときは短時間でしたが英語での話題が盛り上がったものでした。

 

ウィーンの定宿のフロント係も、私が常連であることを知っている様子で、最初からドイツ語です。慣れない頃は、私のドイツ語は通じにくかったのを覚えています。私のドイツ語は本場では通じないのかと訝っていたこともありましたが、単に相手の耳のチャンネルが英語のチャンネルになっていたためだということに気づきました。日本人がまともなドイツ語を話すはずがないという先入観があると、聞き逃されてしまうことがあるようです。そのためには、最初に、はっきりと丁寧にドイツ語で挨拶してから、要件を伝えるとよいようです。

 

今回は、ウィーンのホテルアナナスのフロント嬢には、チェックインとリトアニア出張中に預けてもらっていたトランクの受け取りと、声楽レッスンに向かうためのタクシーの手配など、いろいろ手際よくこなしてもらいました。「あなたのドイツ語は完璧ですね」というお世辞付きでした。

 

部屋に入り落ち着く間もなくネットを繋ぎましたが、伴奏ピアニストの今泉さんからの伝言が届いていました。06:00pm予定のレッスンを06:30pmに変更できないか、ということなので、もちろんOKしました。

 

Pablo Cameselle先生のレッスンは、まず発声練習から。短時間で声が変わるマジックがあります。去年のレッスンの際には、次回は必ずヴォイス・レコーダーを持参するようにアドヴァイスを受けたので、今回はすべて収録しました。聖楽院のレッスン生のために、要所ごとに今泉さんが日本語でコメントを入れてくれたのはありがたいと思います。

 

帰りに、地下鉄の駅で72時間乗り放題チケットを買いました。今泉さんのアドヴァイスで地下鉄とバスを組み合わせると、ホテルの前までバスで行くことができました。

 

部屋に到着したら、一気に疲労感と眠気と空腹感がいっぺんに襲ってきました。

そこで、ホテル内のレストランで簡単な食事を摂って、明日の学会に備えて早めに休むことにしました。

「現在は、出てないのですが、出張で飛行機に長時間乗る際、咳が出るのが心配なので以前もらった咳止めを下さい。」

 

このような問い合わせがありました。

さて、お薬を保険医療で出してもらえるでしょうか?

 

答えはもちろん「×」

 

保険医療機関や保険医が保険診療を行う上で守らなければならない基本的な規則で、健康保健法の規定に基づき厚生労働省令で定められているもので、

 

「保険医療機関及び保険医療養担当規則」

というものがあります。

 

その中では、

「一般に医師又は歯科医師として診療の必要があると認められる疾病又は負傷に対して、適確な診断をもととし、患者の健康の保持増進上妥当適切に行わなければならない」

 

とあり、疾病や負傷に対して治療を行うとあります。

「この病気になるのが不安なので先に診て下さい。」

は保険医療ではできないのです。

 

 

また「投薬」についても

栄養、静養、運動、職場転換その他療養上の注意を行うことが、治療上効果を挙げることができる場合は、これらの指導を行い、投薬は、治療上必要があると認められる場合に行い、みだりに行ってはいけない。

 

治療上必要がある場合のみ、お薬を出せるのです。

 

「治療上必要があると認められる場合」

とあります。

 

必要があると判断できるのは、医師の診察のみです。

ですので、「今の症状は、前にあった時と同じなので同じ薬ください」や「他の人に良いと聞いた薬を下さい」というのは間違った受診の仕方です。

 

投薬の文をもう一度読んでみると

「栄養、静養、運動、職場転換その他療養上の注意を行うことが、治療上効果を挙げることができる場合は、これらの指導を行い。」

とあります。

 

つまり、投薬の前に生活指導を行うようにしなさい、とあります。

 

ドクトル飯嶋の治療方針は保険医療に合致していたことを、改めて勉強しました。