漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

のHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

そのため、以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

 

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております。

 

 

 Q

漢方薬の効果を高める方法はありますか?

 

A

漢方薬はおだやかに効くというのが特徴ですが、少しでも早く症状が楽になると良いですね。効果的に効かせるためには『養生(ようじょう)』も必要です。

 

当たり前のようですが、食生活の見直し、規則正しい生活、腹八分目、体を冷やさない、運動をして血行を良くするなどを併せて行なえば体内が活性化して効果も一段と高まります。

 

その処方にあった具体的な養生法(ようじょうほう)はお買い求めの薬局・薬店にご相談ください。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

現在日本の東洋医学界では、古典医学書に基づく薬物療法を漢方医学、経穴などを鍼や灸で刺激する物理療法を鍼灸医学、両者をまとめて東洋医学と呼んでいます。

 

ところで<最近、漢方薬が効きにくくなってきた>、と嘆く漢方薬処方医同志の会話を学会の懇談会で耳にしたことがあります。さすが、漢方専門医だけあって、不適切な処方が原因ではなく、具体的な養生法を患者さんに説明しても、多忙、面倒などの言い訳ばかりが目立ち、一向に生活習慣を改めようとしない患者さんが増えてきたことを残念に感じているようでした。

 

杉並国際クリニックでは、漢方薬の効果を高めるために以下の工夫をしているのでご紹介いたします。

 

そもそも漢方医学または漢方は、狭義では漢方薬を投与する医学体系を指します。また漢方は、漢方薬そのものを意味する場合もあります。広義では、中国医学を基に日本で発展した伝統医学を指し、鍼、灸、指圧なども含んでいます。

 

そこで、漢方薬の処方単独でなく鍼灸療法を組み合わせることによって、治療上の相乗効果を期待することができます。これらの養生法に加えて鍛錬法も重要であり、バランスよく両者を取り入れることができるようにサポートすることが大切だと考えています。

 

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

蕁麻疹③

 

Q3   

蕁麻疹にはどのような検査がありますか

 

A

蕁麻疹の検査は、詳しい問診(患者さんのお話しを聞く診察のこと)に基づいて行われます。皮膚症状が、いつも特定の食べ物を食べた後や行動、場所に限って現れる場合は刺激誘発型の蕁麻疹が考えられます。

 

その中には、アレルギーが関係しているものも含まれます。アレルギーが関係している場合は、血液検査が一般的ですが、疑われる物質で皮膚を刺激して調べることもあります。食べ物、薬剤、運動などの関連が疑われる場合は負荷試験、つまり、疑われる刺激を患者さんに加えて実際に症状を起こす試験が行われることもあります。

 

蕁麻疹以外に発熱、体がだるい、疲労感がある、関節が痛む、胃が痛む、などの症状がある場合は、それぞれの症状に基づく血液検査や、胃の検査などが行われることもあります。しかし、蕁麻疹では最も頻度の高い、自発的に症状出現を繰り返す特発性の蕁麻疹の場合は、今のところ原因や重症度を調べるための検査はありません。ただし、特発性の蕁麻疹でも、一カ所の皮膚症状が1日以上消えない場合は皮膚の一部を採って顕微鏡で調べる皮膚生検が行われることもあります。

 

また、繰り返しまぶたやくちびる、あるいは喉が腫れて息苦しくなる血管性浮腫という病型の場合は、遺伝性か否かを見分けるための血液検査が行われることがあります。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹では特発性蕁麻疹(最も頻度の高い、自発的に症状出現を繰り返す病型)の場合は、今のところ原因や重症度を調べるための検査はありません。

 

アレルギーが関係している場合は、血液検査が一般的ですが、疑われる物質で皮膚を刺激して調べることもあります。食べ物、薬剤、運動などの関連が疑われる場合は負荷試験、つまり、疑われる刺激を患者さんに加えて実際に症状を起こす試験が行われることもあります。

 

血管性浮腫という病型の場合は、遺伝性か否かを見分けるための血液検査が行われることがあります。

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

 

Q10

1日の砂糖摂取量の目安を具体的に教えてください

 

A

砂糖をそのまま食品として摂取する場合の目安量は、1日5gとなります。

 

また、砂糖とは別に、菓子類の摂取目安量が設定されています。1日あたり20g~30gで、例えば、ビスケットの砂糖含有量は約22%ですから、間食として10gのビスケットを2枚食べた場合の砂糖摂取量は約4.4gとなります。

 

なお、砂糖と菓子類の摂取目安量は、「第6次改定日本人の栄養所要量食事摂取基準の活用」(第一出版、編集:健康・栄養情報研究会)の食品構成が基準となっています。食品構成とは、栄養的特性が似ている食品を「食品群」としてまとめて、1日の所要量に沿った栄養素を容易に摂取するための食品群別摂取量を示したものです。摂取量の基準は対象者の年齢や性別等によって異なります。

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

この質疑応答には、骨粗鬆症のことが一言も触れられていないので、唐突に感じる方もいらっしゃることでしょう。実は、砂糖と骨粗鬆症、切っても切れない深い関係があります。

 

そもそも砂糖は強い酸性食品です。人間の血液は弱アルカリ性(pH7.4)に傾いているので、呼吸(呼吸性調整)や腎臓(代謝性調整)によって調整されるとはいえ、偏って酸性食品だけを摂取することはあまり好ましくありません。

 

動物性食品を摂取することの多い現代人の血液は酸性に傾きやすいのですが、さらに多量の酸性食品=砂糖を摂取するとどうなるでしょうか?

 

体内では血液の状態を中性に維持しようと、アルカリ性のカルシウムイオンを動員します。つまり砂糖の過剰摂取によって、からだの中のカルシウムは骨を作るのに使われず、体外に排出されてしまいます。若い頃は問題ないように思える砂糖の過剰摂取は、知らぬ間にカルシウムを骨から抜き取り、骨粗鬆症の下地を作っているのではないかと考えられています。(砂糖は身体に必要のない食品です。ただし食生活に大きな喜びを与えてくれたり、 食生活そのものを豊かにしてくれたりすることは事実です。健康な方は、ほどほどに上手にお付き合いしていってください。

 

砂糖の危険性は以前より指摘されていましたが、マスコミの報道ではあまり出てきません。(お菓子メーカー、清涼飲料水のメーカーがマスコミに支払う宣伝費は膨大です)日本では企業利益優先の風潮があり、良識ある研究者や医師の声が取り上げられないからです。

 

そこで、具体的なアドバイスをまとめてみました。

1)

空腹時の摂取を控えましょう。特に何気なく健康的だと思い込んでいる朝起きての缶ジュース、眠気覚ましの砂糖入りの缶コーヒーには注意してください。お腹に食物繊維の多いものがあるときにだけ適量を摂りましょう。しかし、白砂糖、合成甘味料以外の自然な甘みを選んでください。

 

2)

体調の悪いとき、アレルギー症状のある人は極力避けましょう。風邪をひいたとき、 食欲がないからといって甘い物だけを食べるようなことはしないようにしましょう。喉のコンディションのためにのど飴を多量に摂取することも、長期にわたらないようにしましょう。 ウィルス性の疾患では砂糖ばかりでなく、合成甘味料づけになった身体も、かえってウィルスのえさになってしまいます。

 

3)

味覚形成期、離乳期に甘みの強いものを与えないでください。この時期に、濃い目の味に馴染ませてしまうと、微妙でデリケートな味覚が形成されるのを妨げてしまい、多くのアメリカ人のような雑な味覚感性になってしまいます。

それが将来の肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症へと繋がるので、親の責任は重大です。

 

糖尿病はもはや国民病です。糖尿病専門医だけに任せておけばよい病気ではありません。薬物療法の発展は目覚ましいのですが、食事療法、運動療法、生活習慣編世用のための行動療法を駆使して治療に当たるのでなければ、コントロールに至ることは難しいです。糖尿病は動脈硬化性疾患とならんで臨床栄養学の中では中心的な病態です。私は、糖尿病専門医ではありませんが、たいていの糖尿病専門医よりは、糖尿病について深くかかわり、実践してきたという自負があります。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

Q2-4 

糖尿病の慢性合併症の予防・進展抑制はどのように行いますか?

 

【要点】

糖尿病の慢性合併症の予防,進展抑制のためには、

①血糖コントロール

②肥満解消

③禁煙遵守

④血圧のコントロール

⑤脂質代謝のコントロール

 

以上のすべてを目指します。

 

 

【 杉並国際クリニックの実地臨床からの視点 】

糖尿病なのですが、③の禁煙遵守からはじめるのが、杉並国際クリニックのメソッドです。なぜならば、糖尿病は万病の元であり、糖尿病の管理は、全身管理と密接に結びついているからです。禁煙をしたいが、これまで何度も失敗してきた、というタイプの方でも禁煙成功に導くことは可能です。ただし、頑なに禁煙を拒否するような方は、責任ある医療機関としてお引き受けすることは難しいです。

 

④血圧のコントロールなどもなかなか進展しません。ガイドラインで明記されている理由は、糖尿病患者では動脈硬化が進みやすいから、禁煙が必要としています。

 

次いで、①血糖コントロールは当然です。慢性合併症の代表が血管障害(細小血管症、大血管症)です。細小血管症の発展・進展をほぼ抑制できるとされるのがHbA1c<6.9%です。これに対して、大血管症については、食後の血糖値だけが高い耐糖能異常の段階から発症・進展するリスクが高いです。

 

したがって、①血糖コントロール、の理想的な目標は、1日を通じて高血糖、低血糖なく空腹時および食後高血糖が是正され、その結果、HbA1c値が正常化することです。

 

杉並国際クリニックでは、1日1~2食(朝食抜きが多いです)ではなく、1日3食を原則として推奨していますが、これは上記の①血糖コントロール、の理想的な目標を実現し易くさせるためです。

 

次に、② 肥満解消、が重要であることにも根拠があります。肥満の中でも、内臓脂肪蓄積は、血圧、脂質代謝、血糖のコントロールに悪影響を及ぼし、心血管イベント(症状出現)の危険因子とされています。

 

体重コントロールの目標はBMI22とすべきとされます。そして、2型糖尿病患者ではBMI≧23以上は蛋白尿が出現する率が高く、心血管イベントの危険因子の閾値でもあります。たとえ1~2㎏だけでも減量すると糖尿病に関与する代謝の改善を認めることが多いです。そこから、減量前体重の約5%の減量を目安として、徐々に行うことが大切です。

 

実際の方法は、まず、毎日の体重記録です。肥満の原因を生活環境、食習慣、運動習慣、精神的要因などの面から総合的に分析し、是正できるものを見出して減量に対する動機付けを行うことが推奨されています。

 

さらに、④血圧のコントロール。目標血圧<130/80mmHg(家庭血圧<125/75mmHg)です。その理由は、合併症防止のためには、1日中正常血圧を維持することが重要だからです。

禁煙と肥満解消に加えて食塩摂取制限だけでも血圧はコントロールしやすくなります。ただし、糖尿病性腎症がある場合には、生活習慣全般の改善委加えて、十分な降圧を図るべきです。

 

糖尿病合併高血圧症の薬物療法は、それぞれの病態に見合った降圧剤を選択します。

 

最後に、⑤脂質代謝のコントロール。血清脂質で最も重要なのはLDLコレステロールです。脂質代謝の目標値は、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)を有しない場合にはLDLコレステロール<120mg/dL,冠動脈疾患を有する場合にはLDLコレステロール<100mg/dLです。糖尿病患者にみられる脂質異常症は心疾患イベントの強力な危険因子です。その他、中性脂肪<150mg/dL,HDL-コレステロール≧40mg/dL以上、非HDLコレステロール<150mg/dLをそれぞれ目標とします。

 

心血管イベントの危険因子です。アルコールの摂取は血糖や血清脂質の コントロールを乱しがちなので、少ないほど良いです。とくに、肝疾患や合併症など問題のある症例では禁酒とします。

 

平成8年に標榜を追加した心療内科は、実際には、このような総合的な日常診療の場で力量を発揮しやすいのです。心療内科とは身体科である内科をベースにしていますが、社会的には誤解が多く、啓発運動を継続していく必要があります。なお高円寺南診療所時代に基礎を確立し、杉並国際クリニックの新時代に国内はもとより、世界に向けて発信する全人的健康法である水氣道は、糖尿病治療の国際標準にも適ったメソッドであることを知っていただければ幸いです。

 

 

 

日本腎臓病学会のHPには、有益情報が満載されています。

 

そこで今回から、テーマは腎臓内科の慢性腎臓病(CKD)です。

 

「エビデンスに基づく CKD 診療ガイドライン2018」を紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの腎障害が3ヶ月以上持続する場合と定義されています。症状が出現することはほとんどないため、永らく見落とされてきた新たな国民病であり、多くの皆様に関わってくる病気です。蛋白尿や腎機能異常(eGFRの測定)により診断されます。

 

慢性腎臓病のケアには栄養管理が不可欠です。具体的な推奨について理解を深めてください。

 

 

第4章 高血圧・CVD

 

CQ 1 

高血圧患者において血圧管理はCKDの発症を抑制するか?

 

推奨 

高血圧はCKD発症の危険因子である.高血圧患者における血圧管理はCKD発症を抑制するため, 行うよう推奨する.夜間・早朝の血圧上昇の抑制など,血圧の日内変動も考慮した管理はより有用である可能性がある C 1 .

 

 

CQ 2 

高血圧を伴うCKD患者に130/80 mmHg未満への降圧療法は推奨されるか?

推奨 

CVD発症抑制,ESKD進展抑制の観点から,降圧目標を検討した.

〈CKDステージG1,2〉  DM合併:130/80 mmHg未満を推奨する B 1 .  DM非合併: 蛋白尿A1区分は140/90 mmHg未満を A 1 ,

 

A2,

3区分は130/80 mmHg未満 を推奨する C 1 .

〈CKDステージG3~5〉  

DM合併:130/80 mmHg未満を提案する C 2 .  

DM非合併: 蛋白尿A1区分は140/90 mmHg未満を C 2 ,

蛋白尿A2,3区分は130/80 mmHg未満を提案する C 2 .    

ただし,DM合併の有無およびCKDステージにかかわらず,収縮期血圧110 mmHg未満へ降圧しないよう提案する C 2 .

 

 

CQ 3 

高血圧を伴う75歳以上の高齢CKD患者に150/90 mmHg未満への降圧療法は推奨されるか?

 

推奨 

CVD発症抑制,ESKD進展抑制の観点から,降圧目標を検討した.

〈CKDステージG1,2〉  

150/90 mmHg未満に血圧を維持することを推奨する C 1 . 

起立性低血圧などの有害事象がなく,忍容性があると判断されれば,140/90 mmHg未満に血圧 を維持することを推奨する C 1 .

〈CKDステージG3~5〉  

CKDステージG1,2と同様の降圧目標とするよう提案する C 2 .

 

収縮期血圧110 mmHg未満への降圧による有益性は示されておらず,すべてのCKDステージに おいて収縮期血圧110 mmHg未満へは降圧しないよう提案する C 2 .

 

CQ 4 高血圧を伴うCKD患者に推奨される降圧薬は何か?

推奨  DM合併CKDのすべてのA区分およびDM非合併CKDのA2, 3区分でACE阻害薬とARBを,DM 非合併CKDのA1区分でACE阻害薬,ARB,Ca拮抗薬,サイアザイド系利尿薬を推奨する B 1 . 

ただし,CKDステージG4, 5ではACE阻害薬,ARBによる腎機能悪化や高K血症に十分注意し,これらの副作用出現時には速やかに減量・中止し B 1 ,Ca拮抗薬へ変更することを推奨する C 1 .

 

また,75歳以上の高齢者のCKDステージG4,5では,脱水や虚血に対する脆弱性を考慮し,Ca 拮抗薬を推奨する C 1 .

 

 

CQ 5 

CVDを伴うCKD患者に推奨される降圧薬は何か?

 

推奨 

合併するCVDの種類やCKDステージにより,推奨される降圧薬やエビデンスの強さが異なる.

 

〈CKDステージG1~3a〉  

冠動脈疾患合併:ACE阻害薬,β遮断薬,ARBを推奨する A 1 .  

 

心不全(収縮不全:HFrEF)合併: ACE阻害薬,β遮断薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬 (MRB), ARBを推奨する A 1 .  

 

心不全(拡張不全:HFpEF)合併: ACE阻害薬,β遮断薬,MRB,ARBを提案する C 2 .  

 

体液過剰による症状を認めた場合:利尿薬使用を提案する D なし .  

 

脳卒中(慢性期),末梢動脈疾患:具体的な推奨は困難である D なし .

 

〈CKDステージG3b~5〉  

冠動脈疾患合併:ACE阻害薬,ARBを提案する C 2 .  

 

心不全(HFrEF)合併:ACE阻害薬,ARBを提案する C 2 .  

 

心不全(HFpEF)合併:ACE阻害薬,ARBを提案する D 2 .  

 

体液過剰による症状を認めた場合:利尿薬使用を提案する D なし .  

 

脳卒中(慢性期),末梢動脈疾患:具体的な推奨は困難である D なし .  

RA系阻害薬による腎機能悪化や高K血症に十分注意し,少量からの開始を推奨する D なし

 

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

慢性腎臓病(CKD)の管理は、高血圧や心血管系疾患(CVD)の管理と一体不可分であることが示されています。年齢や慢性腎臓病(CKD)の重症度、蛋白尿の程度、糖尿病(DM)の合併の有無、心血管系合併症(CVD)の有無と種類によって、きめ細やかな対応が求められていることがわかります。上記のガイドラインを、外来診療で実践し易いように整理してみました。

 

 

CQ 1 高血圧患者において血圧管理はCKDの発症を抑制しますか?

 

A1:高血圧患者における血圧管理はCKD発症を抑制します。

血圧の日内変動も考慮した管理はより有用である可能性があります。

 

 

CQ 2 高血圧を伴うCKD患者に130/80 mmHg未満への降圧療法は推奨されますか?

 

A2:130/80 mmHg未満を推奨するのは以下の場合です。

〈CKDステージG1~5〉DM合併、DM非合併では蛋白尿A2,3区分

 

 

CQ 3 高血圧を伴う75歳以上の高齢CKD患者に150/90 mmHg未満への降圧療法は推奨されますか?

 

A3:150/90 mmHg未満に血圧を維持することを推奨するのは以下の場合です。〈CKDステージG1~5〉  

 

 

CQ 4 高血圧を伴うCKD患者に推奨される降圧薬は何ですか?

 

A4:

① Ca拮抗薬が推奨されるケース

DM非合併CKDのA1区分

CKDステージG4, 5で75歳以上の高齢者、あるいはACE阻害薬,ARBによる腎機能悪化や高K血症の副作用出現時

 

② ACE阻害薬とARBが推奨されるケース

DM合併CKD、DM非合併CKDのすべてのA区分

CKDステージG4,5で腎機能悪化や高K血症など副作用が出現し ない場合

 

③サイアザイド系利尿薬が推奨されるケース

DM 非合併CKDのA1区分

 

 

CQ 5 CVDを伴うCKD患者に推奨される降圧薬は何ですか?

 

A5:

①ACE阻害薬、ARBが推奨されるケース

〈CKDステージG1~5〉冠動脈疾患合併、心不全(収縮不全:HFrEF)合併、心不全(拡張不全:HFpEF)合併

 

②β遮断薬が推奨されるケース

〈CKDステージG1~3a〉冠動脈疾患合併、心不全(収縮不全:HFrEF)合併、心不全(拡張不全:HFpEF)合併

 

③ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRB)が推奨されるケース

〈CKDステージG1~3a〉心不全(収縮不全:HFrEF)合併、心不全(拡張不全:HFpEF)合併

 

④利尿薬が推奨されるケース

〈CKDステージG1~5〉体液過剰による症状を認めた場合

 

⑤具体的な推奨が困難なケース

〈CKDステージG1~5〉脳卒中(慢性期),末梢動脈疾患

日本消化器病学会ホームページ

 

を検索してみました。

すると、

患者さんとご家族のためのガイド

が公開されていますので、ご参考になさってください。

 

 

規定により直ちに転載できませんので、「消化性潰瘍」の概要を紹介し、コメントを加えることにしました。

 

Q10 

消化性潰瘍の予防は、どのようにするのでしょうか?

 

Q10-1

消化性潰瘍の予防は、どうするのでしょうか?

 

 

消化性潰瘍の多くは、ヘリコバクター・ピロリ菌感染症が原因です。

ですから、原因菌であるピロリ菌の除菌治療が再発予防のためには有効です。

除菌療法のメリットは、除菌に成功すれば、その後は長期間にわたる潰瘍治療の必要がなくなると考えられているからです。

 

 

Q10-2 

消化性潰瘍の再発を予防するには、どうしたらよいでしょうか?

  

脳卒中や心筋梗塞の再発予防のために少量のアスピリンを長期間処方されている患者さんの場合、以前に消化性潰瘍を発症したことのある人では、アスピリンによる潰瘍再発のリスクが高いといわれています。アスピリンは非ステロイド性抗炎症薬の一種です。このような人にもプロトンポンプ阻害薬もしくはP-CABを併用することが潰瘍の再発予防に有効とされています。

 

なお、変形性関節症や関節リウマチなどで非ステロイド性抗炎症薬の服用を続ける必要がある場合は、なるべくCOX-2選択的阻害薬に変更することを試みます。そして、酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬、P-CAB)により胃酸の分泌を抑えたり、プロスタグランディン製剤により粘膜を保護したりすることによって潰瘍の再発を予防します。

 

潰瘍発症の原因は、他に喫煙やストレスが依然として重要です。ヘリコバクター・ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬ばかりが注目されていますが、禁煙指導は臨床医としては基本的任務であり、ストレス・マネジメントの重要性は軽視されてはならないものと認識すべきだと思います。

 

 

 

<バカとつき合うな>

 

堀江貴文(ホリエモン)と西野亮廣(キングコング)の共著です。

 

その中で自分に当てはまるものがあったので、紹介しながら反省していきたいと思います。

 

 

この本の中には28個のバカがあります。

 

その中で痛いところを突かれたと感じたのが、

 「人と同じことをやりたがるバカ」

 

「目的とアプローチがずれているバカ」

 

「我慢を美徳にしたがるバカ」

 

「未熟なのに勘にたよるバカ」

 

「自分の常識を平気で振りかざすバカ」

 

「先に設計図を描きすぎるバカ」

 

いっぱいあてはまりました。

 

 

今回は

「人と同じことをやりたがるバカ」

 

”みんなと同じことをやっていたら、チャンスが巡ってくる可能性は低い”ということです。

 

仲良しの和の中に入らず、戦略を立てて、違うことをしたほうがメリットは大きい。(メリットしかないと書いています。)

 

 

なんとなく、和の中で他の人と同じことをしがちです。

 

その中に居れば思考停止してなんとなく居られる。

 

周りと同じことをすることで、自分一人責任を取らなくて済む。

 

 

しかし、違うこと(外に出ること)をやろうとすると、

考え、工夫することを自分でしなければなりません。

 

Nogucciがとても苦手なことです。

 

 

「人と同じことをしない」というのは、勇気も必要です。

 

やみくもに違うことをする、ということではなく。

新しいことを始めるというのは、今までのやり方を考え、新たに工夫をしていく。

という勇気を持ちたいと思います。

 

 

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

大学病院の心療内科のHPを紹介します。

 

東北大学心療内科です。

 

<杉並国際クリニックの立場から>でコメントを加えることにしました。

 

 

摂食障害

 

【神経性やせ症】(拒食症)、【神経性過食症】は、やせている状態を美とみなす社会風潮の影響を受け、思春期の女性が罹患する【摂食障害】です。これらは、急激な栄養低下が生じるか病悩期間が長引くと、横紋筋融解、心不全、腎不全、脳萎縮、骨粗鬆症、骨髄膠様変化、消化管運動異常などが生じ、生命の危険を伴う疾患群です。

 

最近は男性や20代以上の年齢層でも多くなっています。若い女性で食事量が不足し、低体重性の無月経がある時は、神経性やせ症が疑われます。嘔吐を繰り返す、緩下剤や利尿剤を大量に使用する場合、電解質異常から死に至る場合があり、専門的な治療が必要です。心療内科では個々の患者さんにあわせたテーラーメイドの治療を行っています。摂食障害治療支援センターを院内に開設していますのでそちらも参照して下さい。

 

 

<杉並国際クリニックの立場から>

摂食障害は精神的な理由で食事の摂り方が異常になる疾患で、東北大学心療内科は

<【神経性やせ症】(拒食症)、【神経性過食症】は、やせている状態を美とみなす社会風潮の影響を受け、思春期の女性が罹患する【摂食障害】です。>

と説明しています。

 

しかし、摂食障害は神経性やせ症、神経性過食症の他に、【過食性障害】があり、三病型に分類されます。

 

杉並国際クリニックでは摂食障害といえば、【過食性障害】>【神経性過食症】>>【神経性やせ症】(拒食症)です。

 

摂食障害は、最近は男性や20代以上の年齢層でも多くなっています。このうち、【神経性やせ症】(拒食症)の患者さんは病識に乏しいことが多いためか、自らの意思で受診される方は少ないです。しかも、医療機関を受診する段階で、すでに入院加療を要するケースが目立ちます。

 

これに対して、【神経性過食症】の多くは外来通院によるケアが可能です。

 

過食性障害は、むちゃ食い障害とも呼ばれ、反復するむちゃ食いエピソードを示す障害です。過食性障害では、神経性過食症と同様に、繰り返される過食が特徴ですが、神経性過食症と異なり嘔吐や下剤といった代償的ダイエット行動は伴いません。また、その過食には苦痛を感じており、

1)早食い、

2)苦しいほど満腹になるまで食べる、

3)空腹感がなくても食べる、

4)過食を知られるのを恥じて一人で食べる、過食後に自己嫌悪やうつ気分、

5)強い罪責感に苛まれる、

のうち3つ以上当てはまり、習慣化して行われる(3ヶ月にわたって週1回以上のペースで)といった状態です。代償的なダイエット行動を伴わない過食症のため、過体重や肥満を呈する場合が多いことも報告されています。

 

東北大学の心療内科では<個々の患者さんにあわせたテーラーメイドの治療を行っています>とのことですが、大学病院でこの姿勢を明確にすることは尊敬に値します。杉並国際クリニックもこの姿勢を見習いたいところです。

<はじめに>

前回は「」の働きを解説しました。

 

 

体内の氣の運動を調節する働きのことを「疏泄(そせつ)」と言い、血液の貯蔵の働きのことを「蔵血」いいました。

 

 

また、「肝」には「怒」の感情、「筋」「目」に関係が深いことをお伝えしました。

 

 

今回は「心」の働きを見ていきましょう。

 

 

(氣についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

 

<西洋医学での心臓の働き>

 

 

心臓は体全体に血液を送り出すためのポンプの役割を行います。

 

 

1分間に約60~80回、1日に10万回以上休むことなく拍動を繰り返して血液を全身に送り出します。

 

 

 

<東洋医学での心の働き>

 

 

東洋医学でも「心」は血液を体全体に送り出す役割を担うと考えています。

 

 

「肝」がどの組織にどれくらいの量の血液を送るか決めるのに対し、「心」は血液を循環させる働きを担います。

 

 

また、「心」は「精神活動の源」であり、「汗」、「舌」と関係があると言われています。

 

 

古代の人が「心」が「精神活動の源」と考えたのは、不安があると心臓の拍動が亢進し、リラックスしていると心臓の拍動がゆっくりになることから、精神状態を心臓の拍動で感じていたのだと思います。

 

 

「心」が「汗」と関係があると考えたのは、緊張すると心臓がドキドキし手に汗をかくことから、そのように考えたのかと思います。

 

 

また、「汗」が大量に出ると血液の粘稠性が高まり血液を巡らせるためにより心臓に負荷がかかることを先人たちは知っていたのかもしれません。

 

 

「心」が「舌」と関係があると考えたのは「舌」には血管が集中しているので、「舌」の色によって、血液循環がうまく働いているかがわかると考えたようです。

 

 

実際、手足が冷える人は、舌が紫っぽい色になることがあります。

 

 

現在のように身体状況を把握できる機器がない時代に、五感だけでこれだけのことを把握してきた古代の人の素晴らしさを感じずにはいられません。

 

 

<まとめ>

 

「心」は血液を体全体に送り出す役割を担う

 

 

・「心」は「精神活動の源」

 

 

「汗」、「舌」と関係が深い

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介いたします。

 

 

 Q

家族(知人)と同じ症状(病気)なので貰って服用して良いですか?

 

A

「証(しょう)」(Q1を参照)の箇所で説明した様に、西洋医学の診断で同じ病名がついても、漢方医学的な診断が違う場合には使う薬も違います。自己判断で服用せずに必ず医師または薬局・薬店にご相談ください。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

「知人と同じ症状なので貰って服用」した経験のある方は結構いるようです。

 

一番問題なのは、自分に効果がある薬だからといって、他人に強く勧める方です。このような悪しき行為は、漢方薬に限らず、とくに睡眠薬などでもみられる現象です。幸い、このような理解のレベルの方は、杉並国際クリニックの診療レベルを知って積極的に選んで定期的に受診されている患者さんにはみられません。

 

なぜならば、同じ症状だからといって、同じ原因によるものとは限らないし、同じ病気であるかどうかの判断はできないはずだし、仮に同じ原因で同じ病気だったとしても、効果の現れ方や副作用の起こり方は、一人一人の体質やコンディションの違いによって異なることを学習されているからです。

 

漢方薬は副作用の無い安全な薬だという思い込みや、素人判断によって他人に害を及ぼしかねないことに対して鈍感な方も珍しくはない昨今です。杉並国際クリニックは、そうした誤りに対しても、懇切丁寧に訂正させていただき、皆様と同様に、皆様の周囲の人々にとって有益な結果が得られるよう支援させていただきたいと考えています。

 

一方で、中医学の伝統的な考え方の一つに、「母子同服」というものがあります。最近では、高齢者の認知症にも使われるようにもなった漢方薬で、古来より子どもの心身症に使う「抑肝散」は、昔から母子同服が望ましいと指示があります。心理学も発達していない時代に、漢方治療では母子関係の重要さに着目していたのです。

 

一番身近いいるお母さんなどの存在は、子どもに大きな影響を与えます。子どもの病気の原因がお母さんとの関係にあることも少なくありません。そのため、漢方療法では、診察時には子どもだけでなく、お母さんの様子も観察します。

 

子どもに質問しているのにお母さんが先取りして返事をする(過干渉)、子どもがいちいちお母さんの顔色を見ながら返事をする(過剰適応)、というような場合、お母さんの干渉が強すぎて子どもにストレスを与えていると考えられます。特にお母さんが精神的に不安定である場合は、子どもだけでなくお母さんにも気持ちを静める漢方薬を処方するようにします。これを「母子同服」といいます。

 

この場合も、医師による見立てによって処方された漢方薬を内服していただくのが原則であって、お母さんが自己判断で「母子同服」を行うことはとても危険ですので、厳に戒めてください。