薬局サーベイランスによると、2019年1月21日~1月27日(19年第4週)の推定患者数は約228万人にのぼり、過去10シーズンの最大数を上回りました。

 

前回はインフルエンザ迅速検査キットについてでした。

 

今回は今シーズンのインフルエンザ大流行についての考察です。

 

Nogucciが原因として考えたのは、以下の3点です。

 

①インフルエンザワクチンの供給不足

②インフルエンザ迅速検査キットの弊害

③新薬ゾフルーザ

 

 

①インフルエンザワクチンの供給不足

今シーズンのワクチン量ですが、供給が少なかった昨シーズンよりさらに減っています。

特に昨年10月~11月までの供給量が特に少なかったのが特徴です。

 

ちなみに年末年始、当院でインフルエンザと診断された、新患の方ほとんどがワクチン未接種でした。

 

 

②インフルエンザ迅速検査キットの弊害

検査キット使用の弊害例として、

キットで検査を受け。陰性と診断されたため仕事を休めない方、

明らかにインフルエンザの症状と疑われる状態でも、陰性だったので薬を処方してもらえなかった方、

インフルエンザと疑わしいので3回検査を受けさせてやっと陽性と出たという方、

このように、インフルエンザに罹患しているにも関わらず、活動している方たちがいます。

 

診察のみであればインフルエンザと診断が出た可能性があるのに、キットで陰性と出たために、ウィルスをばらまく結果になっていることは皮肉なことです。

 

 

③新薬ゾフルーザ

ゾフルーザは1回飲むだけで終了です。タミフルだと5日間は飲み続ける必要があります。

 

熱が下がって楽になったら活動したくなるのは人情だと思いますが、熱が下がった状態から2日ほど様子をみる必要があります。

 

タミフルだと2~3日で熱が下がっても5日間薬を飲みますので、完治はまだだという気になります。

 

ゾフルーザのように1回飲み切りだと熱が下がったら治ったと思いってしまいます。

「1回飲み切りの新薬を飲んで2日で熱が下がった。もう大丈夫だろうと、直ぐに仕事に復帰した。そうしたら職場でインフルエンザ流行した。そういえばお医者さんから熱が下がっても2日は様子をみてと言われていた。」

という友人がいました。

「1回飲んで終了だから、熱が下がったら治ったと思うでしょ?直ぐに仕事に復帰しなきゃいけないし…」というのが彼の言い分でした。

 

今シーズンのインフルエンザの大流行、

Nogucciはこの3つの要因が大きいと考えています。皆さんはどう考えますか?

小倉百人一首を、皆でのびのびと歌って、異次元体験をしてみませんか!

 

聖楽院のレッスン生の皆様はもちろんのこと、水氣道会員の皆様をはじめ、杉並国際クリニックの会員の皆様一首ごとに個性的な和歌をトスティの優美なイタリアの旋律にのせて、古の歌人の魂をのびのびとうたってみましょう。

 

世界で初めてのその試みが、CDとなって、今年リリースされます。

 

作歌 小倉百人一首収載歌人、補作 飯嶋正広、作曲P.Tosti 

 

なお、今年の1114日(木)には、杉並公会堂小ホール(198)にて、杉並国際クリニック総合芸術祭の開催が決定しました。

 

新規参加者を募集しています。

 

 

トスティの調べで歌う小倉百人一首 収録企画

 

対象:トスティ50番 第1曲~第50曲

企画:飯嶋正広(聖楽院)

協力:西松朝男(オフィス・アミーチ)

収録:オフィス・アミーチ

 

<歌唱分担一覧>

第1期収録(2018年12月30日終了)キャスト

 

ソプラノ:隠岐彩夏

岩手大学教育学部芸術文化課程音楽コース卒業。 東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程、博士後期課程(独唱)修了。R.シューマンの歌曲を研究し博士号(音楽)取得。 第60回藝大メサイアのソリストを務める。 2009年第20回友愛ドイツ歌曲コンクール第一位。文部科学大臣賞受賞。副賞としてウィーン(ベーゼンドルファーホール)にてリサイタルを行う。2013年国際オペラガラコンサート(Théâtre Lyrichorégra 20主催。於カナダ・モントリオール)日本代表。2013.14年日本演奏連盟宗次エンジェル基金奨学生。2014年度三菱地所賞受賞。2016年第85回日本音楽コンクール声楽部門第一位、岩谷賞(聴衆賞)、E.ナカミチ賞受賞。NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」に出演。文化庁新進芸術家海外研修員、日米芸術家交換計画派遣生日本人フェローとして、2019年1月よりニューヨークへ渡米中。

 

テノール:隠岐速人

東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。 バリトンとして第13回国際マリオランツァコンクールファイナリスト、第48回日伊声楽コンコルソ入選。『椿姫』や『リゴレット』などおよそ20のオペラの主要な役を務めた。 2013年から1年間のイタリア留学を機にテノールに転向。 テノールとして『ラ・ボエーム』ロドルフォ、『ランメルモールのルチア』エドガルド、『仮面舞踏会』リッカルド、『椿姫』アルフレード、『妖精ヴィッリ』ロベルト、『リゴレット』マントヴァ公爵『蝶々夫人』ピンカートン、『トロヴァトーレ』マンリーコで出演。宗教曲ではモーツァルト作曲c mollミサのテノールソロを務めた。テノール3人の“Tre tenori”を始め、気軽に楽しめるコンサートを企画、主催している。2019年1月よりニューヨークへ渡米中。二期会会員。

 

伴奏ピアニスト:松岡あさひ

1985年 ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。幼少よりピアノ、作曲を学ぶ。 東京藝術大学音楽学部作曲科を首席で卒業。アカンサス賞、同声会賞受賞。 同大学院修士課程音楽研究科作曲専攻修了。 2006年第17回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第2位。 2007年、東京藝術大学モーニングコンサートにて、自作のオーケストラ作品「空に読む光」が藝大フィルハーモニア(指揮=田中良和、ソリスト=入川舜)により初演される。同年、奏楽堂学内公募最優秀企画「怪談」において、オペラ「荒絹」が初演され好評を博す。

2011年第18回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第1位受賞。

2012年より、文化庁新進芸術家海外研修員(音楽部門)として、ドイツ国立シュトゥットガルト音楽・演劇大学に留学し、作曲をCaspar Johannes Walter氏に、オルガン演奏法をMartha Schuster氏に師事。

 

 

第2期収録(2019年3月31日予定)キャスト

 

ソプラノ:野上結美

武蔵野音楽大学声楽科を総代にて卒業。 二期会オペラ研修所を修了後、岡村喬生演出NPOみんなのオペラ「魔笛」にて夜の女王役でオペラデビュー。読売交響楽団、NHK交響楽団、新日本フィルハーモニーとの共演、その他多数のコンサートに出演。 近年では、箏やダンサー、DJとのコラボレーション、CMなどの挿入歌など、独創的なステージワークスにも取り組んでいる。ヴォイストレーナーとしても定評があり、坂東玉三郎氏が芸術監督を務める太鼓芸能集団「鼓童」のメンバー及び研修生の歌の指導を担当。その他アイドルグループやJpopグループなど指導。 江戸川思い出の愛唱歌を歌う会指導。 二期会会員、二期会ロシア東欧オペラ研究会、北九州音楽協会、筑豊音楽愛好会、会員。

 

テノール:上原正敏

国立音楽大学大学院音楽研究科声楽専攻オペラコース修了。 二期会オペラスタジオ第30期修了。中村健、畑和子の両氏に師事。 オペラスタジオ在籍中の昭和61年度文化庁国内研修員に指名されている。 平成4年4月に私費でイタリアに留学しミラノ音楽院で研修。 平成5年ボローニャ歌劇場の東京地区オーディションに合格し、平成6年同歌劇場でのヴェルディ作曲「十字軍のロンバルディア人」の公開ゲネプロでアルヴィーノを演じた。 平成7年1月から2月にかけて同歌劇場で開催されたヴェルディ作曲「マクベス」でマルコムを演じる。また、演出家・指揮者のグスタフ・クーン氏の知己を得、平成6年12月より同氏主宰のアカデミア・モンテグリドルフォの一員となりレッスンを受けている。1993パドヴァ国際コンクール第2位、パヴィア国際コンクール第3位、サンバルトロメオ国際コンクール 第1位および金のオーク賞。二期会会員。

 

テノール:志摩大喜

東京藝術大学声楽科卒業。

二期会オペラ研修所マスタークラスおよびプロフェッショナルコース修了。

03年9月より国際ロータリー財団及びロームミュージックファンデーション奨学生としてイタリア、ミラノおよびピアチェンツァに留学しG.ニコリーニ国立音楽院をディプロマを取得して卒業。高丈二、畑和子、誉田昭宏、V.テラノーヴァ、M.グリエルミの各氏に師事。

05年11月には新国立中劇場にて文化庁人材育成事業オペラ公演「ジャンニ・スキッキ」に出演。

06年より小澤征爾音楽塾プロジェクトに参加。

08年2月文化庁人材育成事業オペラ公演「ポッペアの戴冠」に出演。 二期会公演でも鈴木雅明指揮による同作品に出演。

08年よりテノールリサイタルを毎年5月に開催している。

09年9月ミラノスカラ座日本公演オペラ「アイーダ」にエキストラ出演。 またヘンデル「メサイア」、バッハ・カンタータ諸作品、モーツァルト「戴冠ミサ」「レクイエム」、メンデルスゾーン「エリヤ」等のソリストを務める。 二期会新進声楽家の夕べに出演。

11年11月文化庁人材育成オペラ公演「魔笛」にタミーノ役で出演。

14年5月ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2014「魔笛」ハイライトにタミーノ役で出演(東京国際フォーラム・丸ビル)。 14年5月TOKYO FMホールにて『第7回テノールリサイタル~ベルカント・歌とこころのふるさとをめぐって~』を開催し好評を得る。

現在ウィスタリア・ミュージック・アカデミー講師(声楽・合唱)。 ミック松濤合唱団指導者および指揮者。国際ロータリー財団学友会会員。 日本ロッシーニ協会会員。二期会会員。

バロックオペラからモーツァルト、ロッシーニ諸作品、イタリア歌曲まで聴き手の心の琴線に触れるような音楽を目指して幅広く活動している。

 

伴奏ピアニスト:松岡あさひ(紹介済)

聖楽院<ボンジュール教室>開設のお知らせ

 

 

聖楽院のレッスンは、これまでは東高円寺の<音海教室>のみでしたが、平日のレッスンが困難な皆様の要望に応えて新たに開設しました。

 

開催日・時間:原則として第一日曜日11:00~12:00am(60分)

 

開場:高円寺南<シャンソン&カラオケの店>ボンジュール

     高円寺南4丁目7番4号(診療所を出て徒歩約2分)

 

初年度(2019)年間スケジュール

第1回:4月7日(日)

第2回:5月6日(月・祝)

第3回:6月2日(日)

第4回:7月7日(日)

第5回:8月4日(日)

第6回:9月1日(日)

第7回:10月6日(日)

第8回:11月10日(日)

第9回:12月10日(日)

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

大学病院の心療内科のHPを紹介します。

 

まずは、東北大学心療内科です。

 

<杉並国際クリニックの立場から>でコメントを加えることにしました。

 

東北大学付属病院のホームページから

 

心療内科のご案内

 

対象疾患と診療内容

 

消化器疾患 (その2)

 

機能性消化管障害では、ストレスを受けてから脳機能が変化し、消化管が影響を受ける脳→腸の病態経路があります。

それだけでなく、各臓器の信号が脳に伝達されて脳機能が変化する腸→脳の経路が病態形成を担っています。

これらの病態は、消化管機能検査と脳機能画像を用いて明らかにできます。

このため、機能性消化管障害はストレス関連疾患全般に応用可能なモデル病態と見なされています。

これらに対しては、消化管内圧測定、胃電図、バロスタット、マーカー消化管通過時間測定、脳機能画像、遺伝子多型分析、バイオマーカー、計量心理学的評価など、国内で最も充実した評価システムを用いて評価と診断を行っています。

 

 

<杉並国際クリニックの立場から>

<ストレスを受けてから脳機能が変化し、消化管が影響を受ける脳→腸の病態経路があります。それだけでなく、各臓器の信号が脳に伝達されて脳機能が変化する腸→脳の経路が病態形成を担っています。>

と解説されていますが、

これを<脳腸相関(brain-gut interactions)>といいます。

これを簡単に言い換えると、中枢神経系と消化器の働きが繋がっている、ということです。

 

日常臨床では「心理社会的ストレスによって過敏性腸症候群患者の消化器症状が発症もしくは増悪する」あるいは「消化管刺激に対する過敏性腸症候群患者の内臓知覚が過敏である」という現象がその代表例です。

 

これらの病態は、消化管機能検査と脳機能画像を用いて科学的・視覚的に分析できるようになりました。こうした脳腸相関の分析手法の発達により、<機能性消化管障害はストレス関連疾患全般に応用可能なモデル病態>と見なされるになりました。

 

東北大学心療内科は、こうした理論をもとに、消化管内圧測定、胃電図、バロスタット、マーカー消化管通過時間測定、脳機能画像、遺伝子多型分析、バイオマーカー、計量心理学的評価などを駆使できるので、国内で最も充実した評価システムを用いて評価と診断を行っているという自負が見られます。

 

第一線の医療機関は、このような環境には恵まれないので、世界最先端の研究に参画することは望めません。しかし、大学での研究成果は、日常臨床において大きな助けになってきたことは間違いありません。

聖楽院レッスン生の皆様へ

 

昨年は、<音海>会場でのレッスンでお馴染みの皆様の中から、以下のようなご希望をたびたび伺ってきました。

 

○平日のレッスンはお仕事の関係で難しい!

 

○社会復帰(リワーク)後も継続してレッスンを受けたい!

 

○家族や友人もさそっていっしょに参加したい!

 

 

そこで月に1回、日曜日のレッスンを準備しました。

 

レッスン会場は、JR高円寺駅からほど近い、そして診療所から最寄りの立地です。

 

新たな稽古会場の名称は<ボンジュール>です。

 

ゆったりとしたラウンジがあり、また、本格的なグランド・ピアノも整備されています。

 

 

レッスンのスケジュールは下記の通りです。

 

4月から、概ね第1日曜日の11:00~12:00

 

以下の日程で企画しております。

 

 ①4月7日

②6月2日

③7月3日

④8月4日

⑤9月1日

⑥10月6日

⑦11月10日

 

 

レッスンの目的:

 

①聖楽療法(呼吸、姿勢、動作・表現)により全人的健康増進を目指すこと

 

②日本および欧州の文化の粋を身近に味わい分かち合うこと

 

③11月14日(木)に杉並公会堂小ホール出演に向けての発表準備

 

 

レッスン教材:

 

①コンコーネ50番(百人一首歌詞付)

 

②歌曲 最新・日本歌曲選集 / 日本歌曲名歌集(原調版)音楽の友社

 

③イタリア古典歌曲集

 

 

レッスン内容:

 

①演奏者体操

②発声練習

③斉唱

④二人唱

⑤独唱

 

 

レッスン担当者:

 

聖楽院主宰/飯嶋正広、

専任ピアノ伴奏者/吉田奈津子

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

のHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

そのため、以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

現在は、三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております。

 

Q

中国の漢方薬と日本の漢方薬は同じですか?

 

A

違います。原点は中国の古医書に基づきますが、江戸時代にオランダから西洋医学が伝来し「蘭方(らんぽう)」と呼ばれたため、日本の医学は漢に由来する医学ということで「漢方」と呼ぶようになり、この時期から日本独自に発達したものです。

 

中国の漢方薬は「中薬(ちゅうやく)」と言い中医学という考えに基づいています。

 

「中薬(ちゅうやく)」の中には日本と同じ名前の処方もありますが内容や配合比率、量などは同じとは限りません。

 

また、日本で製造販売される漢方薬は厳しい安全基準が定められていますが、外国製の場合、日本で認められていない農薬や添加物などが使われていることがあります。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ> 

質問者は「中国の漢方薬」、「日本の漢方薬」という表現を用いています。質問者は医学、とりわけ漢方医学の専門家ではないと想定されますので、回答者は、まず用語の意味について解説するところから説明をはじめることが大切ではないかと思います。

 

そのそも漢方薬とは、日本の医薬品です。そして意外に思われるかもしれませんが漢方医学は、日本で発達した日本医学です。ですから、ことさらに「中国の漢方薬」というのは不適切な表現であり、ふつうは「中医薬」ということになります。専門家が、あえて「中国の漢方薬」と表現する場合には、特別な背景や事情があると考えてよいでしょう。

 

漢方医学は「気血水」「虚実」などの理論や、「葛根湯」などの方剤(複数の生薬の組み合わせ)を中国医学と共有し、テキストとして中国の古典医学書が用いられてきました。しかし両者には多くの違いがあり、漢方医学の特徴としては具体的・実用主義的な点が挙げられます。

 

現在の漢方の主流の一つである古方派では、中国医学の根本理論である陰陽五行論を観念的であると批判し排除しました。そのため、古方派漢方には病因病理の理論がなく、主に「証」の概念に応じて『傷寒論』など古典の記載に則って処方をします。証を立てるための診断法としては、腹診を重んじることが特徴です。脈診を重視する中医学とは対照的です。

 

また、日本で使われる生薬の種類は中国より少なく、一日分の薬用量は中国に比べて約3分の1です。

 

漢方医学の処方は、『傷寒雑病論』(『傷寒論』及び『金匱要略』と呼ばれる2つのテキストとして残る)を基本とした古い時代のものに、日本独自の経験に基づいて改変を加えたものです。「温病」(うんびょう)など、明から清にかけて中国で確立した理論は、温病論に関心のある専門家を除いて、ほとんど漢方医学には受け継がれていません。

 

杉並国際クリニックが使用する漢方製剤は、保険適応となっている漢方エキス製剤のみであり、一日分の薬用量も中国に比べて概ね3分の1以下です。ただし、古方派漢方医学のように腹診を尊重し、経験の蓄積に基づく実証的な立場を維持しつつ、中国医学の根本理論である陰陽五行論を軽視せず、むしろ尊重し、さらには西洋医学との組み合わせにより統合的な診断・治療を実践しています。

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(6)>

<はじめに>

 

前回は「五臓」と「血」の関係についてお話しました。

 

 

今回は「津液」と「氣」の関係についてお話します。

 その前に復習。

 

「血」は西洋医学でいう「血液」、「津液」とは西洋医学でいう「リンパ液」にあたります。

 

<「」と「津液」の関係>

 

 

」は「津液」に対しても「血」と同じ関わりを持っています。

 

 

「氣」は「津液」を「作り」「めぐらせ」「漏らさない」働きをします。

 

 

つまり

「氣」の 5つの作用のうちの

 

 

「氣」ちからによって「津液」を身体に循環させる「推動(すいどう)作用」、

 

 

「氣」から「津液」に変化する「気化(きか)作用」、

 

 

無駄に「津液」身体から漏らさない「固摂(こせつ)作用」が 「津液」にたいしても深

 

く関わっているのです。

 

 

「氣」の重要性がわかりますね。

 

 

まとめ

 

・「氣」が変化して「津液」になる(気化作用)。

 

・「氣」は「津液」を身体中に巡らせる(推動作用)。

 

・「氣」は「津液」を身体から漏らさない(固摂作用)。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

会場:帝京大学板橋キャンパス臨床大講堂および講義室

 

1日目:2019214日(木)

 

 

毎週木曜朝の心理カンファランスを終えて、板橋の会場に向かいました。

午後2時からの診療に間に合うように、以下のプログラムに参加しました。

 

 

一般口演2「尿酸と腎・トランスポーター」

 

特別講演「オートファジーの分子機構と生理的意義」

 

ランチョンセミナー1「糖尿病の病態における尿酸代謝の役割」

 

 

とりわけ、有意義だったのは、

 

ランチョンセミナー1「糖尿病の病態における尿酸代謝の役割」でした。

 

演者の朝日生命成人病研究所糖尿病代謝科の櫛山暁史先生(平成12年東大医学部卒)は、

 

<糖尿病専門医は、一般的に高尿酸血症や痛風に関心が無い>との発言(裏話?)されたのが特に印象的でした。糖尿病専門医が血清尿酸値にすら大した関心を払わないとすれば、糖尿病の患者さんにとっては極めて不利益な現状といえるでしょう。

 

 

このセミナーをチョイスしたのは、私の臨床経験上かねてから<痛風患者には糖尿病が少なく、糖尿病患者で痛風発作を訴える方が少ないのはなぜか>という疑問があったからです。

 

 

高尿酸血症は2型糖尿病発症のリスクがあることは知られていますが、実際には、高血糖状態では血清尿酸血が低くなります。その原因は、高血糖に伴う尿糖排泄の増加は尿酸排泄増加を伴うからです。また、糖尿病合併症である最小血管障害、大血管障害は血清尿酸血との相関関係があり、尿酸、あるいは尿酸の産生状況が関与する可能性が示されつつあります。

 

 

今後は、たとえ糖尿病専門医を受診中の方であっても、むしろ、そのような方であるからこそ、しっかりと、血清尿酸血の確認をし、潜在的な高尿酸血症を見落さないようにすることを心掛けたいと思います。

 

 

今回のテーマに関しては、研究をさらに深めて、水曜日の内科Ⅱなどで再度記事を掲載したいと思います。

 

明日の午前中も、第2日目も有意義な講演を聴きに行く予定です。

 

当クリニックは、新時代の要請にこたえることにとどまらず、その一歩先の未来を見据えた新世代のモデルクリニックを目指しています。

 

それは、マイ・クリニック化構想です。

 

 

これまでの医療機関は、高円寺南診療所も含めて、患者の皆様が受け身のままでの受診行動を取らざるを得ないシステムした。

 

 

「私の掛かりつけ医は高円寺南診療所でした。」から、

「杉並国際クリニックは、私が運営に参画している医療機関です。」へ

との画期的な意識転換を図っていただければ幸いです。

 

そうすれば、杉並国際クリニックの発展の意味と価値は、計り知れない共有財産となることでしょう。

 

 

マイ・クリニック化構想とは、このように旧来のスタイルから脱皮して、あなたが求める理想のクリニックを、会員(メンバー)ともに少しずつ計画的に共に育てあげ、創造し、共に成長していこうというクリニック運営構想です。

 

 

そのためにも、この杉並国際クリニックのHPの新着情報は、当クリニックからの一方的なメッセージの発信ばかりであってはなりません。

 

皆様の声をいただき、この<会員の声>を通して、私たち全員の共有財産にしていくことができればとても素晴らしい展開が期待できると思います。

 

そこで、杉並国際クリニックのHPの新着情報は、現代医療制度の問題、健康不安などについてのメッセージや、逆に、ご自分が励行している健康法や、生き甲斐論など、どのようなテーマでも歓迎します。

 

 

投稿先は、suikido@gmail.com です。

 

なるべく、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 

収載については可能な限り反映させていただくつもりですが、公益性、趣旨、倫理的配慮等その他を勘案し、当方で検討の後、1週間程で、掲載日程を通知させていただきます。

 

皆様の投稿をお待ちいたしております。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

蕁麻疹①

Q1 

蕁麻疹の原因にはどのようなものがありますか

 

A

蕁麻疹は、一部の例外を除き、ほとんどのものが皮膚の中にあるマスト細胞と呼ばれる細胞が活性化されることにより症状が起こります。マスト細胞を活性化する刺激としては、アレルギーの原因となる物質、薬剤、皮膚をこすることや温度の変化、皮膚を日光にさらしたり、汗をかいた時などがあります。

 

しかし、蕁麻疹の中で最も多く発生する特発性の蕁麻疹は、明らかな刺激なく症状を繰り返すことが特徴です。このタイプの蕁麻疹の要因としては、疲れ、ストレス、細菌やウイルスの感染、マスト細胞を活性化する自己抗体の存在などが知られています。しかし、これらがどのようにして特定の人に、またある時間にのみマスト細胞を活性化するのかということは、まだ良くわかっていません。そのため、蕁麻疹の原因とは一つではなく、いくつかの要素が組み合わさって一定以上のレベルにまで達した時に症状が現れると考えられます。

 

血管性浮腫と呼ばれる、まぶたやくちびるなどが突然膨れあがって2,3日かけて消える病型では、長く飲んでいる高血圧の治療薬の一種や遺伝子の異常が原因となっていることもあります。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹は、視診上では膨疹とされます。紅斑を伴う一過性、限局性の浮腫が病的に出没する疾患です。多くは強い痒みを伴うので、睡眠障害をもたらしたり、集中力を損ない日中の生産的活動を妨げたりなどQOLを大きく損なう原因にもなりえます。蕁麻疹について最も信頼できる情報ソースは、「蕁麻疹診療ガイドライン2018日本皮膚科学会ガイドライン」です。

 

蕁麻疹は、一般に皮膚マスト細胞が何らかの機序により脱顆粒し,皮膚組織内に放出されたヒスタミンを始めとする化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用することによって発症します。その結果、血管拡張(紅斑),血漿成分の漏出(膨疹),および痒みを生じます。

 

蕁麻疹におけるマスト細胞活性化の機序としてはI型アレルギーが広く知られているが,実際には原因として特定の抗原を同定できることは少ないです。

 

一方,蕁麻疹にはI型アレルギー以外に機械的擦過を始めとする種々の物理的刺激や薬剤,運動,体温上昇などに対する過敏性によるもの(刺激誘発型の蕁麻疹),明らかな誘因なく自発的に膨疹が出現するもの(特発性の蕁麻疹)などがあり,症例によりこれらの機序のいずれか,または複数の因子が複合的に関与して病態を形成すると考えられます(表1)。

 

特に 慢性蕁麻疹では,しばしばIgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己抗体やヘリコバクター・ピロリ菌感染などが関与し得ることが知られているが,それだけでは病態の全体像を説明できないことが多いです。

 

また, 直接的誘因は個体に曝露されると速やかに膨疹を生じることが多いのに対し,背景因子は個体側の感受性を亢進する面が強く,因子出現と膨疹出現の間には時間的隔たりがあることが多いです。また,両者における各因子は必ずしも一対一に対応しません。

 

そのため,診療においてはすべての原因をひとつの因子に求めるのではなく,蕁麻疹の病型,病歴,社会 的背景や蕁麻疹以外の身体症状などにも留意し,表1 を参考に何らかの因子の関与が疑われる場合には適宜それらを明らかにするための検査を行い,対策を講ずる姿勢が大切です。

 

 

表1 蕁麻疹の病態に関与する因子

1.直接的誘因(主として外因性,一過性)

1)外来抗原

2)物理的刺激

3)発汗刺激

4)食物*: 食物抗原,食品中のヒスタミン,仮性アレルゲン(タケノコ,もち,香辛料など),食品添 加物(防腐剤,人工色素),サリチル酸*

5)薬剤 : 抗原,造影剤,NSAIDs*,防腐剤,コハク酸エステル、バンコマイシン(レッドマン症候群),など

6)運動

 

2.背景因子(主として内因性,持続性)

1)感作(特異的IgE)

2)感染

3)疲労・ストレス

4)食物  抗原以外の上記成分

5)薬剤 :アスピリン*,その他のNSAIDs*(食物依存性運動誘発アナフィラキシー),アンジオテンシン変換酵素(ACE) 阻害薬*(血管性浮腫),など

6)IgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己抗体

7)基礎疾患 :

膠原病および類縁疾患(SLE,シェーグレン症候群など)造血系疾患,遺伝的欠損など(血清C1-INH活性が低下)

血清病,その他の内臓病変など  

日内変動(特発性の蕁麻疹は夕方~夜にかけて悪化しやすい)

 

*:膨疹出現の直接的誘因のほか,背景因子として作用することもある.

 

りうまち

 

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

以下のHPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。

 

骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

 

Q

カルシウムのサプリメントの吸収率はどれくらいでしょうか。

また、サプリメントで骨粗鬆症は予防できますか

 

 

A

不足しがちなカルシウムを補給するためには、毎日3度の食事のバランスが重要です。しかし、どうしても補えない日があればサプリメントからの補給もやむを得ないでしょう。

 

サプリメントに含まれるカルシウムの吸収率は、第6次日本人の栄養所要量におけるカルシウム所要量の算定に適用されたデータによると、乳児は50%、1~11歳は40%、12~17歳は45%、18~29歳では35%、30歳以降は30%となっています。

 

生体内におけるカルシウム吸収は、カルシウム源の違いや、同時に摂取する食物の栄養因子や、さまざまな生体の内因性因子(生体のカルシウムに対する必要度、健康状態、年齢、身体活動量など)によって、その吸収率は異なります。なお、サプリメントを摂取するタイミングは、空腹時よりも食事時のほうが吸収率がよいことから、食事のときに補給しましょう。

 

普段の食事に加えて、サプリメントからカルシウムを補給した介入試験では、骨量が増加し、さらには骨折予防効果も示したとする結果が、国内外において数多く報告されています。

 

食品でいえば、たとえば、牛乳は、カルシウム供給源として含有量のみならず吸収率においても優れた食品です。ヒトを対象にした食品別カルシウム吸収に関する研究結果においても、カルシウム吸収率は、牛乳39.8%、小魚32.9%、野菜19.2%を示し、牛乳に含まれる乳糖およびCPP(カゼインホスホペプチド:牛乳のタンパク質の主成分であるカゼインが消化される過程で生成される代謝産物)がカルシウムの吸収を促進していると考えられます。

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

カルシウムのサプリメントの吸収率が、乳児は50%、1~11歳は40%、12~17歳は45%、18~29歳では35%、30歳以降は30%となっているとのことです。

 

ここで、検討すべきは、30歳以降の吸収率が一律30%なのかどうか、ということです。また、その根拠を第6次日本人の栄養所要量におけるカルシウム所要量の算定に適用されたデータに求めていますが、摂取するサプリメントに含まれるカルシウム量と吸収率の積が重要な意味を持つはずです。

 

しかも、カルシウム吸収率は、平均値に過ぎません。また、空腹時より食事次の吸収率が高い、ということは、サプリメントは食事の代わりにはならないことを意味します。つまり、食事を補完するというサプリメントの本来の意味に立ち戻る必要があります。

 

サプリメントで骨粗鬆症は予防できるか、という問いに対しても、サプリメント単独で骨粗鬆症を予防できる証拠はありません骨量が増加し、さらには骨折予防効果も示したとする結果が、国内外において数多く報告されていますが、それは、あくまでも「普段の食事に加えて」ということが重要です。これらの介入試験では、「普段の食事に加えて」サプリメントからカルシウムを補給していることを改めて確認しておくべきでしょう。