最新の臨床医学 2月5日(火)内科Ⅱ(循環器・腎臓・老年医学)

内科2

 

日本循環器病学会のHPには、有益情報が満載されていますので、それを紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

心疾患など、慢性疾患を有する人たちは以前には病状の悪化を恐れるあまり、医師でさえも運動を禁止する傾向にありました。

 

それが、最近では運動によって患者の生活の質・人生の質(QOL)が改善することが明らかにされてきました。

 

現在では、むしろ許容範囲内であれば運動・スポーツへ参加することを勧めています。

 

心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)では、学校、職域、スポーツにおける心疾患の重症度に応じた運動許容条件を示しています。

 

ただし、心疾患患者の運動許容条件については、無作為化比較試験のような高いエビデンスがありません。

 

Q3.

心疾患における運動強度は、どのように表示するのですか?

 

A 

ガイドラインでは、スポーツあるいは運動の強度をMETs表示で示しています。これは一般的にもよく使われている表示方法です。高血圧症や心疾患を有する方には、運動許容条件判断の上で有用な分類方法として第36回べセスダ会議より提示されている方法があります。これは、動的運動あるいは静的運動が各々どの程度関与しているかによって分類しています。

 

疾患別運動許容条件

 

職業スポーツ選手など強い運動が必要な場合を除いて、基本的には最大運動能の40~60%または嫌気性代謝閾値(AT)レベルを上限とします。

 

その上で、疾患ごとの特異的制限事項を勘案して許可条件を決定します。

 

たとえば、心房細動の合併例では安静時の心拍コントロール状況ばかりでなく、運動に対する心拍応答を考慮して血行動態の面からも検討されます。

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

 

心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)では、学校、職域、スポーツにおける心疾患の重症度に応じた運動許容条件を示していますが、心疾患患者の運動許容条件については高いエビデンスがありません。

 

しかし、心疾患患者の水氣道®稽古における運動許容条件を『疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)』から学ぶことはとても意義があるといえるでしょう。

 

水氣道®では、心疾患患者の重症度の判定やそのための検査についてのエビデンスを利用して、参加者のフィットネス検査(体組成・体力検査)を実施し、運動療法としての有効性を検証するとともに、その前提として安全性の高いプログラムを構築してきました。