―ゾフルーザ錠(抗インフルエンザ錠)服用後の患者から耐性ウイルス検出―
国立感染症研究所は、1月24日(木)に、新しいインフルエンザの治療薬「ゾフルーザ」を使った患者から、治療薬に耐性をもつ変異ウイルスが検出されたと発表しました。
塩野義製薬(大阪市)が開発、昨年発売したゾフルーザは、タミフルのように5日間連続でのみ続けたり、吸入が必要だったりする従来の薬と比べ、1回錠剤をのめば済み便利な夢の薬というイメージで24日(木)のTV番組で話題になったそうです。
この日は、くしくも国立感染症研究所での発表があった日ですが、こちらの情報にアクセスできるのは限られたスペシャリストに過ぎません。
しかし、臨床試験の段階から、従来のインフルエンザ治療薬より耐性ウイルスが生まれやすいと指摘されていたため、当院では当初から処方を控えてきました。
ゾフルーザの臨床試験では、耐性変異ウイルスの検出率が12歳未満で23・3%、12歳以上で9・7%と高いため耐性ウイルスが広がると薬の効果が薄れることが懸念されます。
これに対してタミフルの耐性変異ウイルスの検出率は0~2%程度です。註)
昨年12月に耐性変異ウイルスが発見されました。変異を持たないウイルスに比べて、ゾフルーザに対する感受性が約80~120倍低く、これは臨床的には、ほとんど無効であることを意味します。
「薬の特徴を踏まえた上で適切で注意深い処方を」と呼びかける専門家もいるようですが、「ゾフルーザは使用すべきではない」と解り易く断言できないのは残念なことです。
註)約2,000名の患者を対象としたタミフルの臨床試験の累計データでは、耐性変異ウイルスの検出率は成人で0.32%,小児で4.1%です。
また、日本国内における過去5シーズンのNA阻害剤(タミフル) 耐性ウイルス検出率は、0~1.9%で推移しており、2018/19シーズンは2019年1月現在、約250株の解析株からNA阻害剤耐性ウイルスは検出されていません。
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