最新の臨床医学 1月23日(水)内科Ⅲ(糖尿病・内分泌・血液・神経)

 

Q1-4 

糖尿病は1種類ではなく、複数の病型があると聞きました。病型の分類はどのように行うのですか?

 

【要点】

  • 糖尿病の成因分類は、糖尿病の他に糖代謝異常を含めた分類です。
  • 糖尿病と糖代謝異常の成因は、大きく分けて、(Ⅰ)1型、(Ⅱ)2型、(Ⅲ)その他の特定の機序・疾患によるもの、(Ⅳ)妊娠糖尿病の4つに分類します。なお、現時点でどれにも分類できないものを分類不能とします。
  • 糖尿病の分類は、原因による分類(成因分類)が主体です。ただし、インスリン作用不足の程度に基づく病態(病期)を併記します。
  • 成因分類にあたっては、家族歴、発症年齢と経過、身体的特徴、膵島関連自己抗体、ヒト白血球抗体(human leukocyte antigen : HLA),インスリン分泌能/インスリン抵抗性の程度、遺伝子検査など、種々の臨床的情報を総合して判断します。
  • 一人の患者が複数の成因を持つことがあります。

 

 

Q1-4-1 

糖尿病は、すべてが生活習慣病ではない、というのは本当ですか?

 

 

【 杉並国際クリニックの実地臨床からの視点 】

糖尿病患者の大多数を占めるのが2型糖尿病です。その成因には多因子遺伝が想定されています。

 

これらはインスリン分泌低下やインスリン抵抗性をきたす複数の遺伝因子です。

 

こうした遺伝要因に加えて、過食(特に高脂肪食)・運動不足などの生活習慣、およびその結果としての肥満が環境因子として加わると2型糖尿病を発症し易くなります。糖負荷後の早期のインスリン分泌低下が特徴です。

 

しかし、インスリンが枯渇し、病期がインスリン依存状態まで進む割合は限られています。