最新の臨床医学 1月17日(木)骨粗鬆症についてQ&A

りうまち

 

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。

 

骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

 

それぞれのQ&Aのあとに【杉並国際クリニックからのコメント】を加えました。

 

Q3

カルシウムやマグネシウムをサプリメント(保険機能食品)からとるのは問題ない?

 

A

カルシウムやマグネシウムは食事からとることが良いでしょう。しかし、不足する場合は、補助としてサプリメントを使用することは問題ないでしょう。

 

しかし、骨粗鬆症予防や、健康の維持・増進のためには、やはり毎日3度の食事が最も大切です。

 

骨粗鬆症予防に関わる栄養因子は、カルシウムやマグネシウムだけでなく、エネルギー、タンパク質、リン、ビタミンA、B、C、Kなどのほか、とくにカルシウム吸収に深く関わる因子としてビタミンDも大切です。毎日の食事でいろいろな種類の食品を食べることによって、エネルギーや微量栄養素も含め、体や骨に必要な栄養素をバランスよく(過不足なく)とることができます。

 

マグネシウムを多く含む食品は、魚介類(まぐろ、かつお、牡蛎など)、肉類、ほうれん草やバナナ、ごま、落花生などです。ビタミンDを多く含む食品は、魚介類(いわし、かつお、まぐろなど)、きくらげ、干ししいたけなどのきのこ類があげられます。

 

 

【杉並国際クリニックからのコメント】

<Aである。しかしBである。しかしCである。補充説明D>という文章がおかしいので、<Aである。そしてCである。補充説明D。しかしBである。>という流れに直してから書き換えてみることにします。

 

カルシウムやマグネシウムは食事からとることが良いでしょう。そして骨粗鬆症予防や、健康の維持・増進のためには、やはり毎日3度の食事が最も大切です。毎日の食事でいろいろな種類の食品を食べることによって、エネルギーや微量栄養素も含め、体や骨に必要な栄養素をバランスよく(過不足なく)とることができます。しかし、不足する場合は、補助としてサプリメントを使用することは問題ないでしょう。

 

このような文章であれば、カルシウムやマグネシウムの摂取は原則として食事からとるべきであって、例外的に不足する場合に限っては、あくまでも補助的にサプリメント使用を考慮すべきである、ということが伝わり易くなると思います。

 

ただし、それでも問題がないわけではありません。カルシウムやマグネシウムが不足している場合には、まず原因究明が必要です。安易にサプリメント(保険機能食品)を使用して帳尻を合わせるというのは望ましくありません。辻褄(つじつま)を無理やり合わせようとしてもやがて付けが回ってくるだけです。

 

そもそも、何がどれだけ不足しているのかわかっている場合のみに不足分をサプリメントで補う意味が生じるはずだからです。それにもかかわらず、当て推量や思い込みで、あるいは不安だからという理由だけでサプリメント(保険機能食品)を無暗に使用している人が増えていることが気がかりです。そうしたタイプの人たちには、サプリメント摂取を口実にして、肝心の普段の食事を欠食したり、栄養のバランスを軽視したりして平気でいる人が目立ちます。

 

サプリメント(supplement)というカタカナ表記も問題です。カタカナ表記の言葉は多くの日本人に勝手なお得イメージをもたらし、各自の妄想を膨らませる副作用をもっているように思われます。サプリメント愛好者の多くはサプリメントの意味を正しく答えることができないのが現実です。

 

そもそもカルシウムやマグネシウムだけが顕著に欠乏しているのであれば、低カルシウム血症、低マグネシウム血症という病名が付されます。まずは、それらの原因を究明すべきでしょう。

 

低マグネシウム血症は,アルコール依存症患者,コントロール不良な糖尿病患者,および高カルシウム血症を有するかまたはループ利尿薬の使用している患者で生じる可能性があります。

 

そして、低マグネシウム血症が続くと副甲状腺ホルモンの分泌が低下することによって低カルシウムをもたらすことがあります。