<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(1)>
<はじめに>
前回、人体を構成する3つの要素とは「氣」、「五臓」、「経絡」である。とお話しました。
これからはしばらくは、「氣」についてお話していきます。
皆さんは「氣」と言われて何を想像しますか?
「元氣がない」「氣が滅入る」「氣をいれる」等「氣」を使った言葉ってけっこう使いますよね。
目に見えないものなのでイメージしづらいですが、氣を理解すると東洋医学のほとんどを理解できるほど重要なものですので、ゆっくりと解説していきます。
(以前、氣の感じ方を解説しましたので読んでみて下さい。)
今回は「氣」の作られ方について解説します。
<先天の精、後天の精>
まず、氣の元になっているのは、「精(せい)」です。
「精」が変化して「氣」になります。
「精」は「先天の精(せんてんのせい)」と「後天の精(こうてんのせい)」の2種類があります。
「先天の精」は両親から受け継いだ精で五臓の一つである「*腎」に蓄えられます。発育、生殖などに関わります。(*腎については後ほど解説していきます。西洋医学の腎臓に相当します。)
不足すると発育不全、生殖機能低下の問題が起きます。
「後天の精」は五臓の一つである「*脾・胃(消化器官)」で作られます。飲食物の消化吸収の源です。飲食物から「後天の精」が作られ「先天の精」を補充していきます。(*脾・胃については後ほど解説していきます。西洋医学で胃に相当します。)
加齢、無理なダイエットなどで精が不足し氣が少なくなると身体が老化します。例えば、耳、骨、髪などに影響を与えます。
加齢によって、耳の聞こえが悪くなる、骨粗鬆症、脱毛、白髪になるのはこういう理由があるのです。
<まとめ>
・「氣」は「精」が変化したものである。
・「精」は「先天の精」「後天の精」の2つの種類がある。
・「先天の精」は両親から受け継いだのもで「腎」に蓄えられる。
・「後天の精」は飲食物から消化器官である「脾・胃」で作られ「先天の精」を補充する。
高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭
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