今回は、脈状について解説していきましょう。

 

 

最初は「浮沈(ふちん)」について解説します。

 

 

「浮沈」とは身体の中の陽氣の位置を示します。

 

 

「浮」は脈に軽く触れたときに強く感じる脈を言います。

 

 

体表部に氣があることがわかります。

 

 

「沈」は脈を沈めたときに強く感じる脈を言います。

 

 

身体の奥に氣があることがわかります。

 

 

病気のときは病気の位置がわかります。

 

 

「浮」の時は体の浅いところに氣の停滞があり、発熱、悪寒、頭痛、腰痛、関節痛等の症状が出ます。

 

 

「沈」の時は体の内側に氣が溜まっていて、胃腸症状、口渇、便秘、下痢などの症状が出ます。

 

 

次回は「数遅(さくち)」の脈について解説します。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギーの病気についてQ&A 

 

 

花粉症①

 

Q

どんな花粉によって花粉症は引き起こされますか。

 

A 

花粉症を引き起こす花粉は数十種類以上知られています。大別すると樹木花粉、草本花粉、ブタクサなどです。

 

図2は代表的な花粉とその飛散地域、飛散時期を地域ごとに示したものです。地域により大きく異なりますが日本での花粉症の特徴はなんといってもスギ花粉症です。

 

ただ、スギ花粉飛散は沖縄には見られず、北海道も南部の函館などに限られています。

 

北海道では樹木花粉症としてシラカバ花粉による花粉症がみられることが特徴です。

 

ヒノキは関東以西に広く分布していますが、特に西日本ではヒノキ花粉飛散数はスギ花粉飛散数を上回っているところが少なくありません。

 

これらの花粉の飛散時期は地域により違いがあります。また、花粉がどのくらいの距離まで飛散するかは花粉の種類によって大きく異なり、スギでは数十キロメートル以上の飛散があるとされていますが、カモガヤ、ヨモギなどの草本花粉は数十メートル、せいぜい飛んでも数百メートルといわれています。

 

ご自分の住んでいらっしゃるところでどんな花粉がいつごろ飛んでいるのかを知っておくと役に立ちます。

 

<図2>

kafun1

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

この質問は、特定の患者さんからのものではないことは、回答の内容から察することができます。ここでは、まず東京もしくは近郊に在住していて高円寺南診療所に通院可能な圏内の方を対象として、内容をしぼりこんでみます。

 

花粉症を引き起こす花粉は、たしかに数十種類以上で、大別すると樹木花粉(木本植物)と草本花粉です。

 

花粉症の原因となる代表的な植物を分類してみます。

 

木本植物は、

マツ目 ヒノキ科(スギ、ヒノキ)

ブナ目(カバノキ科:シラカンバ、ハンノキ / ブナ科:コナラ、ブナ)

 

草木植物は、

イネ科(ホソムギ、カモガヤ、チモシー)

キク科(ブタクサ、ヨモギ)

 

以上、ヒノキ科、カバノキ科、ブナ科、イネ科、キク科の5科の花粉が、わが国の花粉症の90%以上を占めます。

 

 

図2は、関東圏では1月からスギ、ヒノキ、ハンノキなどが示しています。

 

例年、年明け早々に対応し始めなければならないのが、スギ花粉症です。もっとも、スギ花粉単独の花粉症は少なく、通年性アレルギー性鼻炎、スギ・ヒノキ花粉症、多重感作花粉症、薬剤性鼻炎などに遭遇することが多いです。

 

また、かぜなどに起因する急性鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎、好酸球増多性鼻炎、血管運動性鼻炎なども鑑別すべき疾患です。

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。

 

最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。

 

しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。

 

骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

 

それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

Q

母乳で子育てをすると骨粗鬆症になりやすいのですか?

 

先日、骨粗鬆症と診断されました。

 

出産後に母乳を長く与えていたのが原因でしょうか

 

A

出産後に母乳を長期間与えていても、骨粗鬆症にはなりません。母乳をよく与えた方が、むしろ骨粗鬆症になりにくいとの考えが一般的です。

 

最近の研究では、妊娠期にはカルシウムの吸収・利用が良くなることや、授乳期にカルシウムを多く摂取してもいったん骨量は減少しますが、授乳終了後約6ヵ月で元に戻ることが分かりました。

 

そのため、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」では妊婦・授乳婦のカルシウム付加量がなくなり、「目安量(700mg/日)を目指して摂取することが勧められる」「妊娠中毒症等の胎盤機能低下がある場合は積極的なカルシウム摂取が必要である」としています。

 

平成18年の「国民健康・栄養調査」によると20-39歳の女性のカルシウム摂取量は476mg/日しかありません。18-49歳女性のカルシウム摂取目標量は600mg/日ですので、明らかに摂取量が不足しています。

 

妊娠・授乳中には700mg/日のカルシウム摂取が勧められていますので、妊娠・授乳を機会に十分なカルシウムをとるよう心がけましょう。ちなみにカルシウムの上限量は2300mg/日ですので、通常の食事で上回ることはありません。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

 この質問者には、感謝です。全くの盲点でした。乳児にとって母乳栄養のメリットが大きいことは理解していましたが、母体の側の健康については十分に理解していなかったからです。

 

このような質問に対して、

「母乳育児が終ったら急激に骨が強くなることがわかっており、さらに母乳育児は骨粗鬆症を防ぐという報告もあります。(順天堂大学医学部付属静岡病院2011年夏号より)」という回答があります。

 

ああ、そうなんですか。というくらいあっさりしていて結論は解り易いのですが、今一つメカニズムがわかりにくいです。

 

そこで、新潟市民病院患者総合支援センター(スワンプラザ)長/産科部長 倉林工 先生の以下のレポートを引用して妊娠後骨粗鬆症(post-pregnancy osteoporosis)について触れておきたいと思います。

 

 

特集 女性のライフサイクルと骨・カルシウム代謝 Seminar

 

妊娠後骨粗鬆症の病態・診断・治療

ただ妊娠後骨粗鬆症は,原因が不明で稀な病態です。逆の見方をするならば、ほとんどの女性は妊娠に直接的に起因する骨粗鬆症は起こらないことを意味します。授乳開始前にすでに骨粗鬆症になっているケースはまれなので、授乳のみが原因で骨粗鬆症になることがあるのか、ということが課題になります。

 

妊娠後骨粗鬆症は初産婦に多く,妊娠後期や産褥の授乳中に発症します。脊椎骨折による持続する激しい痛みと行動制限を伴うことが多いようです。その診断には,骨折がなければdual energy X-ray absorptiometry(DXA)による腰椎や大腿骨頸部の骨密度(BMD)測定が最も有用な方法です。骨折の診断には、古典的な椎体X線像が多くの場合使用されるが,magnetic resonance(MR)は妊娠中も安全に使用可能で,椎体骨折や骨髄浮腫の診断にも有用です。

 

骨吸収は妊娠後期と授乳期に亢進するが,産褥期の授乳中止後に骨形成が亢進し,骨構造もほとんど回復します。

 

薬物療法の有用性が確立せず,また妊娠や断乳後に骨量や骨強度が回復するため,現時点では妊娠後骨粗鬆症に対して薬物療法が必要かどうか不明です。

 

いずれにせよ、産褥期の授乳中止後に骨形成が亢進し,骨構造もほとんど回復するということが質問に対する回答のポイントだと思います。

<ご案内>

 

ヒルデガルド・フォン・ビンゲンの教えは、人間中心の生活の神学です。

 

神学を礎とするヒルデガルトの自然療法は、中世から現代の世界に至るまで人類に偉大な貢献をしてきたといえるでしょう。

 

今回は初年度であるため、当研究会の第一の目的は本格的な聖ヒルデガルト“自然医学”研究会設立の準備、第二の目的は研究会ファシリテータの養成とします。

 

 

< プログラム >

 

朝ミサ:6:30~7:00am  (カトリック高円寺教会聖堂)

 

朝食会:7:00~8:00am  (喫茶店アローム)

 

研究会:8:00~11:00am (カトリック高円寺教会集会室)

 

第Ⅰ部・・・ヒルデガルト・フォン・ビンゲンに学ぶ(~8:50am)

 

 

   <小休憩>(~9:00am)

 

第Ⅱ部・・・心霊医学入門(~9:45am)

 

<ティータイム休憩>(~10:00am)                                                            

 

第Ⅲ部・・・臨床心身栄養学(~10:30am)

 

第Ⅳ部・・・ボディ・ワーク(~10:50am)

 

 

初金ミサ:11:00~11:30am(カトリック高円寺教会聖堂)

 

 

第1回 2018年12月7日

ヒルデガルド・フォン・ビンゲンの人生と功績

 

ルカが描く心霊内科医イエスー私が見た奇跡① イエスの奇跡の再現

 

臨床心身栄養学①<スポーツ心身栄養学>

 

 

第2回は2月1日(金)です。

 

 

参加希望の方は

 

03-3318-1822

 

高円寺南診療所 受付担当 野口

スピリチュアルというと、音楽の世界では、黒人霊歌(ニグロ・スピリチュアル)が良く知られています。

 

医療や緩和ケア、心理学の領域ではスピリチュアリティという言葉が用いられます。とりわけ、ターミナルケアやガン治療など終末医療で注目される概念です。

 

ただし、心霊術とか交霊術でもスピリチュアル、スピリチュアリティ、スピリティズムなどの用語が用いられているため、一般の方には不可解で怪しげな言葉であるといった懸念が拭い去れないのではないかと思います。

 

 

スピリチュアル(英: spiritual)は、ラテン語の spiritusに由来し、霊的でること、霊魂に関するさまを表すキリスト教用語です。

 

キリスト教神学では、スピリチュアリティ(霊性)が用いられます。なお、わが国のキリシタン時代には、ポルトガル語読みでスピリツアル(すぴりつある)と表記されていたそうです。

 

現代英語としてのspiritualは、宗教的・精神的な物事、教会に関する事柄、または、神の、聖霊の、霊の、魂の、精神の、超自然的な、神聖な、教会の、などを意味します。

 

 

このように列記してしまうと、かえってわかりにくいのでOXFORD現代英英辞典を調べてみました。

 

① connected with the human spirit, rather than the body or physical things: “OPP”METERIAL

 

② connected with religion:-compare TEMPORAL

 

 

理解の助けとなるのは、まず1の“OPP”METERIAL(対義語:物質的)です。

 

spiritualの意味は、人間の身体や肉体よりもspiritに関与していること。

 

次いで、compare TEMPORAL(TEMPORALを参照のこと)、とありますが、宗教に関与していること。

 

 

temporalについては、

①(formal)connected with the real physical world, not spiritual matters:

 

(公式用語) スピリチュアルな事象ではなく現実の実体のある世界に関連

 

② (formal) connected with or limited by time:

 

(公式用語)時間に関連する、または時間の制約を受ける

 

③ (anatomy) near the temple(s) at the side of the head

  

(解剖用語)頭部の両側のtemple(こめかみ)に近い(もの)

 

 

私が医学生であった頃、解剖学の授業では、身体部位はすべて日本語、英語、ドイツ語の他にラテン語でも覚えさせられたことを思い出します。

 

実際、日本の解剖学用語辞典には、この4言語が併記されていました。骨学ではtemporal bone(側頭骨)を覚えましたが、日々の診療ではtemporal region (側頭部)とかtemporal headache(側頭部痛)という表現をカルテに記載していることが多いです。

 

ただし、一般の方にとっては、templeは寺院という意味の方で用いられていることが多いと思います。

 

私自身、templeには「こめかみ」という意味があることには気づきませんでした。

 

皆様、それでは食べ物は良く咀嚼(そしゃく)して、「こめかみ」を使って良く噛み、人生を良く味わいましょう。

 

そういえば、「かみ」しめることと神は同じ語源であると聞いたことがあります。オオカミ(狼)は大神だとか。

 

獅子舞の獅子に頭を噛んで貰うと縁起が良いというのも、このあたりに関係があるのかもしれません。

 

 

私が興味深いと感じるものの一つは、temporalと時間との関係です。

 

temporalを時間的と訳すとき、しばしば、これと一対を形成するのがspacial(空間的)です。

 

しかし、spiritualが空間的かと言うと、どうもそうではならないのが言語の難しい所です。

 

spiritualとはむしろ、空間的制約や時間的制約を受けない、すなわち「時空を超えた」世界での生き方ということにはならないでしょうか。

プラセボ(偽薬)効果とは、

「偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられることを言う。」

ことです。

 

 

この効果を利用した物があります。

 

「プラセプラス」という偽薬で、プラセボ製薬が作っている錠剤です。

 

パッケージや錠剤を薬そっくりにした加工食品です。

 

 

介護現場などで活用されているようです。

 

 

「高齢者の過剰服薬や処方薬依存は、”薬を服用する”という行為で安心したい場合が多い。薬効成分が入っていない偽の薬なら、患者さんの体に悪さすることもなく、介護側も安心して使えると思った」(産経新聞より)

 

 

プラセボは、新しい薬を開発するとき、本当に効いているかわ調べるためにプラセボと比較、プラセボとの差が薬の「真の効果」とされています。

 

プラセボでの症状改善は、人間にもともと備わった自然に病気を治す力(自然治癒力)の影響が大きいと考えられています。

 

プラセボで症状が改善するのはこれまで飲んだ人が「本物の薬を飲んでいる」と思いこむことが必要で、プラセボと分かって飲む場合は効果がないと考えられていました。

 

最近の研究では、プラセボと分かっていて飲んでも症状の改善がみられるという研究結果が報告されています。

 

ニセモノとわかっていても効果でるとは?不思議ですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

それは日本心療内科学会のHPです。

 

 心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。※「質問」をクリックするとが表示されます。

と書かれています。

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。そこで、「質問」「答え」の後に、

<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

「質問16」

胃・十二指腸潰瘍にストレスが関係していると言われたのですが、心療内科で受診をした方がいいでしょうか?

 

「答え」

むずかしい質問です。

胃・十二指腸潰瘍がストレスで発症するとはいえません。

 

ヘリコバクターピロリ菌の感染がある場合、危険因子となります。

 

ですから、まずは通常の消化性潰瘍の治療をうけるべきです。

 

プロトンポンプ阻害剤といった制酸剤を中心とした薬物療法と背景に胃粘膜のピロリ菌感染があれば、除菌をすることが重要です。

 

これらは一般内科、消化器内科で受けられるのがよいでしょう。

 

ですが、もしあなたがそうした治療を受けたうえで、主治医からあなたの胃・十二指腸潰瘍にはストレスが関係していると言われたとしたら、おそらくそれは、形態的に見た胃・十二指腸潰瘍の状態とあなたが訴える胃や十二指腸からの痛み症状が釣り合わない(潰瘍がほとんど治っているのに、強い痛みを訴える)のだと思います。

 

これには、上部消化管の機能異常と刺激への感受性の亢進が関係し、この両者には心身のストレスが関与することも多いからです。

 

心療内科はこのような病態の治療を専門的に行います。

 

まずは、内科的な薬物治療に加え、食事、睡眠のとりかたなどの生活指導を行います。ここまでは一般内科と大きな違いはありませんが、加えて緊張や疲労の蓄積を自覚する方法や緊張や疲労の緩和法(リラクセーション法)を指導します。

 

さらに必要があれば心理面からの治療を併用しますが、こうしたケースはそう多くはありません。

 

ですので、あなたが一般内科や消化器内科で胃・十二指腸潰瘍の治療を受けられたうえでも、胃痛などの症状が続いて困られた場合は、心療内科を受診されるのがよいでしょう。

 

(福永幹彦)

 

 

<高円寺南診療所の見解>

回答者の福永幹彦先生は、関西医科大学心療内科教授です。ご専門は、心療内科全般、消化器心身症(過敏性腸症候群・機能性ディスペプシア)、慢性疼痛とのことです。

 

質問は、要するに、胃・十二指腸潰瘍で心療内科を受診して良いのかのお尋ねです。

 

そこで<「答え」難しい質問です。>というのでは、質問者は困ってしまうことでしょう。患者さんの質問は至って平明であり、何ら難しいことはありません。答えるのが難しい質問、あるいは答えにくい質問だということでしょう。

 

ここで「胃・十二指腸潰瘍」というのは、胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍ということであって、一般に消化性潰瘍と呼ばれるものと考えます。心療内科専門医としては、まず、胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍という診断が確定しているのかどうかを確認することからはじめるべきでしょう。

 

消化性潰瘍が確定診断であって、患者さんが、何らかのストレス(正確には、ストレッサー)を自覚しているのであれば、心療内科を受診していただくことは、その患者さんにとって、とても望ましいことだからです。

 

もし、「胃・十二指腸潰瘍」というのが患者さん自身の自己診断であって、ストレス性潰瘍を疑っているケースであったとしても、心療内科専門医であれば相談にのることは可能だと思います。なぜならば心療内科専門医は、消化器内科専門医ではなくとも、少なくと一般内科医だからです。しかし、世の中には、精神科医など内科医でない心療内科標榜医がほとんどなので、福永教授は明確に回答しにくかったのかもしれません。

 

私が脈を診ていると患者様に「脈で何がわかるのですか」と尋ねられる時があります。

 

 

簡単に言うと、脈の状態を診て体に流れている氣の状態を探っています。

 

 

最初に手首にある動脈に軽く触れます。

 

 

その後に一番深くまで沈めます。

 

 

最後にその中間の深さで脈を診ていきます。

 

 

次回は・浮沈、・数遅、 ・虚実と名のついた脈状について解説します。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられているので独自のコメントを付して紹介して参りました。

 

これに引き続き、富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&Aをご紹介いたします。

 

 

そこでも、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

Q

リウマチに漢方は効きますか?

 

A

関節リウマチは関節滑膜の異常な増殖を主体とした慢性の炎症性疾患です。

 

その原因は不明ですが、免疫学的な異常が背景にあることは間違いなく、炎症が持続して関節が破壊されていきます。

 

治療としては、現代医学的には、免疫抑制剤を含めた疾患修飾性抗リウマチ薬や、非ステロイド性抗炎症薬が中心となっておりますが、全身症状として全身倦怠感や食欲不振、貧血、浮腫などが持続したり、前述の薬を駆使しても良くならなかったり、副作用のために使える薬が限られてしまったり、合併症があるために通常の治療が受けられないなどといったことがよく起こります。

 

こういったことで、漢方を希望して受診される方も多いのですが、このような場合に限らず、漢方薬はすべてのリウマチ患者さんに幅広く使っていただいてよいのではないかと思っています。

 

というのは、約3~4割の患者さんは漢方薬のみで治療可能で、副作用の多い薬剤を併用しなくて済むからです。

 

残りの6~7割の方は病気の勢いが強いために、何らかの現代医学的な薬を併用せざるを得ませんが、炎症を抑えきれなくても風邪をひきにくくなる、だるさが改善するなど、全身症状に対する波及効果が期待できます

 

また余談ですが、八味地黄丸に含まれる山薬は、山芋の根なので山芋アレルギーの方に、猪苓湯に含まれる阿膠はゼラチンアレルギーの方に、禁忌となっています。そのため、食物アレルギーにも十分に注意を払うようにしてください。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

『リウマチに漢方が効きますか?』と患者さんから尋ねられて、上記のような答えを述べても、最後まで聞いてくださる方ばかりではありません。

 

もちろん、話し言葉ではなく、書き言葉での回答なのである程度はやむを得ない点もあることでしょう。

 

しかし、まずYesかNoかの問いかけに対しては、YesかNoかで答えるのが親切というものでしょう。

 

そこで、再掲します。

 

Q『リウマチに漢方が効きますか?』

 

A『はい、効きます。ただし、全員に効くとは限らないのは現代薬と同じです。』

 

<漢方薬はすべてのリウマチ患者さんに幅広く使っていただいてよいのではないか>というのは少し言い過ぎです。漢方薬が嫌いな方に対して、説得してまで処方する必要はないと思います。そのようなケースでなければ、ほとんどの方に処方することが可能です。

 

また、<約3~4割の患者さんは漢方薬のみで治療可能>という根拠があいまいです。

 

特に関節リウマチの初期に関節変形が進行するので、一見、症状が軽快しているかのように見えて不可逆的な関節変性を見落さないように標準的治療をするのが、リウマチ専門医の常識です。

 

実際、漢方薬を併用した関節リウマチの標準治療が進展した結果、長期的には<約6~7割の患者さんが漢方薬のみでコントロール可能>というのが、高円寺南診療所の実績です。

 

漢方薬は、関節リウマチに対する抗炎症効果のみならず、<全身症状に対する波及効果が期待>できるということ、つまり、体全身のコンディションを整え、体調ならびに気分が安定し、家事や仕事などの生産性を向上させてくれる効果は確かに認められています。