ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。
骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。
多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。
しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。
骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。
そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。
それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。
それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。
Q
骨粗鬆症患者は転倒時に骨が折れやすいのでしょうか
先日、70歳の母が転倒して大腿骨(足の付け根)を骨折しました。
「骨粗しょう症だから骨折した」と担当医に言われたそうですが、骨折の原因は転倒で骨粗鬆症とは関係ない気がします。骨粗鬆症の患者は、転倒の際に骨折する確率が高いのでしょうか
A
大腿骨頚部骨折の最大の危険因子は骨粗鬆症です。骨粗鬆症になると、骨の強度を保つための骨梁(こつりょう)が減ってしまうため、ちょっとした衝撃で骨が折れやすくなってしまいます。
骨粗鬆症でない方でも、ひどい転び方をすれば骨折することもありますが、骨粗鬆症の患者さんの方が大腿骨頚部骨折の危険性が高いのは確かです。
【高円寺南診療所からのコメント】
まず、この質問者は、患者本人ではなく息子か娘ということになります。相談対象である70歳の女性の子供であることから、質問者はおそらく50歳以下、40歳代かもしれません。このような素朴な疑問を抱いたまま、あいまいなままにしないでおくことは二重の意味で大切です。
というのは、まず質問者の母親である70歳の女性の健康管理のため、もう一つは質問者自身の身にも将来振りかかってくる可能性の高い問題だからです。
このケースの場合、問題となっている医学情報は伝聞に過ぎません。ですから母親の報告を鵜呑みにせず、専門医に質問することは、高齢者をサポートすべき立場にある家族にとっては賢明な行為だと思います。
このケースは、骨折を問題にしており、部位は「大腿骨(足の付け根)」とのことです。
この骨折部位は、とても重要な情報です。この質問の回答者は、ただちに<大腿骨頚部骨折>という医学用語に置き換えて説明をはじめています。
この大腿部近位部骨折は、骨粗鬆症が原因で発生する脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折のなかでも患者数が最も多く、わが国では2012年に19万例発生したと推計されています。
脆弱性骨折とは、軽微な外力によって発生した骨折です。軽微な外力とは、立った姿勢からの転倒か、それ以下の程度の力です。
そして、骨粗鬆症のおもな臨床症状は脆弱性骨折とそれに続発する機能障害や慢性疼痛です。大多数は骨折を起こすまで無症状で経過します。
ですから、たいていの骨粗鬆症の患者さんは病識が無いため、骨折してはじめて病気を知ることになります。
まさに、晴天の霹靂ということになり、医師の見立てをにわかに信じることができないのもやむをえないことです。
しかし、その後の患者さん自身の人生や、サポートをするご家族の将来のためにも病気に対する正しい認識が必要になってくるのです。
なぜなら、大腿骨近位部骨折の場合は、より直接的に日常生活動作(ADL)の低下や寝たきりに結び付きやすく、長期的には生命予後を悪化させる(寿命を縮める)からなのです。
そして、骨粗鬆症の治療の目的は骨折予防です。ですから、治療目的は、まず骨折リスクを低下させることにあります。
予防は早いに越したことはありません。この質問をきっかけとして、母親の継続的なケアの必要性を改めて認識するとともに、質問者自身の骨粗鬆予防対策をはじめることも大いに意味のあることだと思います。
特に、この質問者が女性である場合、更年期(およそ45~55歳)に差し掛かっている可能性があり、自分自身の骨量をチェックしておくなどの備えを始めることも大切なのではないでしょうか。
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