最新の臨床医学 12月7日(金)アレルギーの病気についてQ&A

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギーの病気についてQ&A 

 

 

花粉症①

 

Q

どんな花粉によって花粉症は引き起こされますか。

 

A 

花粉症を引き起こす花粉は数十種類以上知られています。大別すると樹木花粉、草本花粉、ブタクサなどです。

 

図2は代表的な花粉とその飛散地域、飛散時期を地域ごとに示したものです。地域により大きく異なりますが日本での花粉症の特徴はなんといってもスギ花粉症です。

 

ただ、スギ花粉飛散は沖縄には見られず、北海道も南部の函館などに限られています。

 

北海道では樹木花粉症としてシラカバ花粉による花粉症がみられることが特徴です。

 

ヒノキは関東以西に広く分布していますが、特に西日本ではヒノキ花粉飛散数はスギ花粉飛散数を上回っているところが少なくありません。

 

これらの花粉の飛散時期は地域により違いがあります。また、花粉がどのくらいの距離まで飛散するかは花粉の種類によって大きく異なり、スギでは数十キロメートル以上の飛散があるとされていますが、カモガヤ、ヨモギなどの草本花粉は数十メートル、せいぜい飛んでも数百メートルといわれています。

 

ご自分の住んでいらっしゃるところでどんな花粉がいつごろ飛んでいるのかを知っておくと役に立ちます。

 

<図2>

kafun1

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

この質問は、特定の患者さんからのものではないことは、回答の内容から察することができます。ここでは、まず東京もしくは近郊に在住していて高円寺南診療所に通院可能な圏内の方を対象として、内容をしぼりこんでみます。

 

花粉症を引き起こす花粉は、たしかに数十種類以上で、大別すると樹木花粉(木本植物)と草本花粉です。

 

花粉症の原因となる代表的な植物を分類してみます。

 

木本植物は、

マツ目 ヒノキ科(スギ、ヒノキ)

ブナ目(カバノキ科:シラカンバ、ハンノキ / ブナ科:コナラ、ブナ)

 

草木植物は、

イネ科(ホソムギ、カモガヤ、チモシー)

キク科(ブタクサ、ヨモギ)

 

以上、ヒノキ科、カバノキ科、ブナ科、イネ科、キク科の5科の花粉が、わが国の花粉症の90%以上を占めます。

 

 

図2は、関東圏では1月からスギ、ヒノキ、ハンノキなどが示しています。

 

例年、年明け早々に対応し始めなければならないのが、スギ花粉症です。もっとも、スギ花粉単独の花粉症は少なく、通年性アレルギー性鼻炎、スギ・ヒノキ花粉症、多重感作花粉症、薬剤性鼻炎などに遭遇することが多いです。

 

また、かぜなどに起因する急性鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎、好酸球増多性鼻炎、血管運動性鼻炎なども鑑別すべき疾患です。