ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。
最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。
食物アレルギー③
Q
口腔アレルギー症候群とは?
A
口腔アレルギー症候群は、食物の摂取によってひきおこされ、唇や口の中にかゆみ、ヒリヒリ感、腫れがみられます。時にのどがしめつけられる感覚が生じたり、稀にアナフィラキシーをきたすこともあります。
原因食物は果物・野菜が主です。また、花粉症を合併することが多いことも特徴です。これは果物・野菜の抗原と花粉抗原との間に共通抗原性が存在するためです。
主な花粉と交差反応性が報告されている果物・野菜
シラカンバ
バラ科(リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、モモ、スモモ、アンズ、アーモンド)、セリ科(セロリ、ニンジン)、ナス科(ポテト)、マタタビ科(キウイ)、カバノキ科(ヘーゼルナッツ)、ウルシ科(マンゴー)、シシトウガラシ、等
スギ
ナス科(トマト)
ヨモギ
セリ科(セロリ、ニンジン)、ウルシ科(マンゴー)、スパイス、等
イネ科 、ウリ科(メロン、スイカ)、ナス科(トマト、ポテト)、マタタビ科(キウイ)、ミカン科(オレンジ)、豆科(ピーナッツ)、等
ブタクサ
ウリ科(メロン、スイカ、カンタロープ、ズッキーニ、キュウリ)、バショウ科(バナナ)、等
プラタナス
カバノキ科(ヘーゼルナッツ)、バラ科(リンゴ)、レタス、トウモロコシ、豆科(ピーナッツ、ヒヨコ豆)
食物アレルギー診療ガイドライン2012(作成:日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会)より転載
【高円寺南診療所からのメッセージ】
口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome: OAS)は、特定の食物を摂取したときに口唇や口腔内粘膜の腫脹、痒みや咽頭部の異常感を生じるもので、近年になって注目されるようになりました。
ポイントは花粉症(シラカンバ、ハンノキなど)と合併することが多いことです。
これを花粉・食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome : PFS)といいます。
診断は問診が重要です。血清中の特異的IgE抗体測定(RASTなど)も行います。
プリックプリックテストや確定診断のための経口負荷試験がありますが、高円寺南診療所では、アナフィラキシーショックの誘発の危険性を冒してまで実施する意義はないとする立場です。
治療の基本はアレルゲンの除去ですが、加熱処理により経口摂取可能となることが多いです。
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