ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。
最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。
アレルギーの病気について
食物アレルギー①
Q
食物アレルギーではどんな症状がでますか?
A
食物アレルギーの症状は表1に示すように非常に多彩です。ただし、これらの症状・疾患の原因のすべてが食物アレルギーではないことに注意して下さい。症状・疾患によって食物アレルギーが関与する頻度は大きく異なっています
食物アレルギーの症状で最もよくみられるのは皮膚です。約90%の患者さんは皮膚の症状を示します(図1)。
即時型の症状を呈する患者さんの約10%がアナフィラキシーという、全身蕁麻疹、喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下、意識障害といった重篤な全身症状を呈します。稀ではありますが生命にかかわることもあります。
小児期のアトピー性皮膚炎では食物特異的IgE抗体が高率に証明されますが、単純な即時型反応とは異なる反応です。IgE抗体が関与する非即時型反応という説明がなされています。食物が関与したアトピー性皮膚炎は2歳以下に多く、加齢とともに関与する頻度が減少していきます。
【高円寺南診療所からのメッセージ】
食物アレルギー類似症状を引き起こすものに仮性アレルゲンがあります。
役に立つサマリーをみつけましたので、出典とともにご紹介し、コメントを加えてみました。
(1) アレルギー類似症状:
仮性アレルゲンとは、食物中に自然に含まれている化学物質、あるいは保存されている間に産生される化学物質のなかで、アレルギー類似症状を起こす物質をいう。
仮性アレルゲンとして、ヒスタミンなどの血管作動性アミンを含む食品が知られている。
症状の出現は、アレルギー反応に基づくものではなく、含まれている物質の薬理作用による。
仮性アレルゲンが強い反応を起こすことはまれであり、厳密な除去食を必要とすることは少ない。
(2) 血管作動性アミンを含む食品:
ヒスタミン、チラミン、セロトニンなどが食品中に含まれている。ヒスタミン含有量が多い食品には、魚類(さば、いわしなどで特に鮮度が落ちたもので症状が出やすい)、発酵食品(チーズ、ワインなど)、野菜類(ナス、トマトなど)などが知られている。
チラミンは、チーズ、ワ イン、アボカド、バナナ、ナス、プラム、トマトなどに含まれる。
セロトニンは、バナナ、パイナップル、アボカド、プラム、トマトなどに含まれる。
(3) サリチル酸を含む食品:
安息香酸とその誘導体は、食品添加物として使用されているが、慢性蕁麻疹や血管性浮腫の原因となる。
アスピリンは、サリチル酸をアセチル化したものであるが、喘息発作(アスピリン喘息)の原因となる。
サリチル酸は安息香酸の誘導体であり、食品中に広く含まれている。サリチル酸は、ほとんどの果物や野菜類に含まれるが、イチゴ、トマト、オレンジ、パイナップル、ブドウなどに比較的多量が含まれている。
アスピリン喘息では、安息香酸とその誘導体に症状を起こすことがあり、過敏な例ではこれらの果物や野菜類にも注意が必要である。
出典:アレルギー疾患ガイドブック 2004 東京都健康局地域保健部環境保健課(現 福祉保健局健康安全室環境保健課) 平成16年3月発行
コメント:
血管作動性アミン:
血管の平滑筋に作用して収縮させたり弛緩させたりする作用のあるアミンです。仮性アレルゲンの話から脱線します。
仮性アレルゲンの一つとなりうるセロトニンは脳内物質でもあります。ストレスフルな現代社会で減少し易いのが、このセロトニンです。うつ病ではセロトニンが減少することが知られています。ですからセロトニンを増やすためには食事がとても重要になってきます。
セロトニンが体内で作られるためには『セロトニン三種の神器』とも呼べる栄養成分が必要になります。
一つ目、原料となる『トリプトファン』です。
これは、必須アミノ酸の一種です。
二つ目、エネルギー源の『炭水化物』です。
トリプトファンからセロトニンを合成するのに必要です。
三つ目は、補酵素としての『ビタミンB6』です。
セロトニン合成を促進させます。
この、三種の栄養素が入った食べ物をしっかり取り込めば脳内にセロトニンを増やす準備が整います。主食として、お米などの炭水化物、おかずとしてトリプトファンとビタミンB6の入った食べ物を取り込めば良いです。
<トリプトファンを含む食材>
・大豆製品(豆腐、納豆、味噌、醤油、枝豆、豆乳、きなこなど)
・乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
・鶏卵、魚卵(タラコ、スジコ、明太子など)
・ゴマ、ナッツ
・カツオ節
・アボカド、バナナ
<ビタミンB6を多く含む食材>
・魚類(サケ、サンマ、イワシ、マグロ、カツオ、サバなど)
・バナナ
・にんにく、しょうが
・未精製の穀類(玄米、胚芽パンなど)
・豆類(大豆、ヒヨコ豆、レンズ豆など)
トリプトファンは、たんぱく質に多く含まれていますが、同じたんぱく質でも動物性たんぱく質はトリプトファンを血液から脳内に移動するのを阻害すると言われています。そこで肉類よりも、魚や豆類などから取り込んだほうが良いでしょう。
高円寺南診療所では朝食を抜かないように勧めています。
これまで朝食抜きだった方には『バナナ』を推奨しています。
バナナには、トリプトファン、炭水化物、ビタミンB6という三種の神器が全てふくまれているからです。
生の果物や野菜の多くが身体を冷やしやすいといわれる根拠:
ほとんどの果物や野菜類に含まれるサリチル酸と関係がありそうです。
サリチル酸は、このように天然にも広く認められます。植物内(特に果実)にはエステル体であるサリチル酸メチルやサリシンの状態で存在しており、これは消炎剤に用いられています。つまり、身体を冷やす作用を持っているのです。
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