ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。
最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。
アトピー性皮膚炎④
Q
食事療法は効果がありますか?
A
アレルゲンと確認されているものは、避けるべきと考えます。必ず食物アレルギーに精通した医師または専門の医師に相談してください。
【高円寺南診療所からのメッセージ】
次第に悪化して治りにくくなった重症例が少なくありません。
その対策として、厳密な食事制限による成長障害や育児ノイローゼ、ダニ除去を主体とする生活環境の整備疲れ、家庭内暴力、ひきこもり、登校拒否、遅刻や欠勤、休職、離婚や失業といったいろいろな社会問題が浮かび上がっています。
アトピー性皮膚炎だからといって体の状態はみんな同じではないため、全員に当てはまる食事療法はありません。
そのため、食事の事を述べるのが一番難しいのですが、大きく3つのパターンがあります。
自分の食生活を見直して、必要な栄養素を摂ることが改善ポイントの2番目です。
3-(ア).
血虚型=栄養不足タイプ(貧血になりやすい)
マクロビオティックなどで、野菜、果物、穀物、豆類が多く、肉や魚が少ない食事。
低たんぱく、低ビタミン、低ミネラルによって、貧血を招きやすく、重度になると生理が止まります。肌のハリやツヤが無くなり、意欲や性欲も低下、細かい事が気になりギスギスしやすくなる傾向があります。
その様な方は、栄養不足が隠れていると思われますので、「糖質制限」よりのたんぱく質・脂質を足す食事をお勧めします。ただし長い間、肉などの動物性を食べていない方は、急に食べると消化不良で下痢や便秘などの症状を起こしやすくなってしまいます。消化を助ける梅干や大根おろし、レモン水などを補いながら少しずつ動物性を増やしていきましょう。
3-(イ).
血毒型=デトックスタイプ
高たんぱく、高脂質で糖質制限よりの食事をされている方で、アトピーが悪化しているパターンの方です。
動物性食品のデメリットには、ホルモン剤や保存料、発色剤などの毒性が増えやすいほか、体が酸性体質に傾きやすい、食物繊維不足から便秘になりやすいなどが挙げられます。
この場合は、野菜や穀物(玄米・雑穀)、発酵食品を足した食事に変えるとよいでしょう。
ポイントとしては、便通の様子を観察することです。最低でも1日1回は排便があること、理想は1日2回です。
その理由は、食べ物は約12時間で腐敗が進むためです。腐敗が進むとアンモニアなどのガスが増えて、様々なアンバランスを招く要因になります。その様な便は臭いも強くなります。
3-(ウ).
糖質過剰タイプ
ご飯、パン、パスタ、ピザ、ラーメン、うどん、そばなど炭水化物が多い食事です。糖質過剰でビタミンやミネラルが不足する現代人でもっとも多いカロリーオーバーの栄養不足状態です。
コンビニやスーパーのお惣菜、丼ものが多くないでしょうか。
このタイプは、低血糖症も招きやすいのが特徴です。お菓子やコーヒーが常食になっており、目覚めが悪く、昼食後に眠くなる。ホルモンバランス、自律神経のアンバランスを招きやすくなり、アトピー改善とは遠ざかってしまいます。
この場合は、炭水化物の量を減らして、野菜・お魚・お肉・海草を増やした食事にしましょう。
さらに、どのタイプの方でも避けた方がよい食事をお伝えします。
・トランス脂肪酸(マーガリン・ショートニング・ファットスプレッド)
・過剰なオメガ6系の油(ひまわり油、紅花油、コーン油、ゴマ油、サラダ油、大豆油、綿実油、くるみ油、グレープシードオイル)
・過剰な糖質(ごはん・パン・パスタ・うどん・ラーメン・ピザ、お菓子、ジュース、おせんべい、和菓子、洋菓子)
・グルテン過剰(小麦粉)、カゼイン過剰(乳製品)
食事については、様々な意見や見解があります。
「絶対」という食事法は存在しませんし、遺伝子の関係もあるので個人差が大きく影響します。
ただ、もしも今のあなたが不調状態にあるならば、いつもの食事を見直すことがアトピー改善のヒントになるでしょう。
3番目の改善ポイントは、アトピー改善を目指すうえで必要なサプリメントです。
サプリメントは実に様々な種類があり、人によって何を摂った方がよいかは若干変わってきます。
1.糖鎖:細胞の活性化とコミュニケーション
2.乳酸菌:腸内環境の改善
3.カルシウム&マグネシウム、微量ミネラル:ステロイド性骨粗鬆症
4-(ア).
細胞から元気になる「糖鎖」
糖鎖(とうさ)は、私が最も大切と考える要素です。
その理由は、体の土台になる材料であり、根本的な問題に関わるからです。
今まで様々なサプリメントを試してみましたが、結局のところ体の土台がしっかりしていないと意味がないと思わせてくれました。
Q5
民間療法やマスコミで勧められている治療法は効果がありますか?
A
まれに症状が良くなることはありますが、「治る」ことはありません。
よく「○○がアトピーに効いた!」、「△△でアトピーが治った!」という広告を目にしますね。しかし、それは間違いです。
特に「アトピー性皮膚炎を起す体質が治る」、「完全に治る」というのは誇大広告です。
ある人には効果があっても、必ずしも自分にも効くとは限りません。アトピー性皮膚炎は、長期慢性疾患です。
良くなったり悪くなったりを繰り返す体質は変えられなくても難病ではありませんから、標準治療のコントロールのコツさえつかめば、適切な軟膏療法で、見た目では全く分からないほど症状をきれいにして、普通に暮らすことができる疾患です。
民間療法の種類は主に
(1)体質改善、
(2)乾燥肌の改善、
(3)皮膚の殺菌・浄化、
(4)炎症をおさえる効果、に分けられます。
(1)については、体質は遺伝に関わることなので、簡単に改善することはできません。
(2)は、たとえば乾燥肌用の保湿効果をうたっているものであれば、かぶれなど悪い影響がなければ、使用しても問題はありません。
しかし、多くのものは(4)の効果も同時にうたっており、ステロイド剤の代わりに使うことを宣伝していたりします。
本来、体の中で炎症をおさえる働きをするステロイド剤を使わず、これだけで治そうとすると、かえって症状がひどくなるのです。
また(3)についてですが、健康な人の皮膚には常に菌はついています。ですから、けっして菌をゼロにする必要はありません。
普通に入浴をして、低刺激性の石けんで強くこすらずに洗って皮膚を清潔に保てばよいのです。殺菌をするだけでアトピー性皮膚炎が良くなることはないのです。
民間療法のすべてが悪い、効かないというわけではありません。
肌の保湿に関しては効果があり、患者さんの使用感もよく、症状に悪影響を与えるものでなければ、通常の治療法に加えることも可能です。ただし、その際には必ず医師と相談してください。
【高円寺南診療所からのメッセージ】
民間療法のすべてが悪い、効かないというわけではありません。
肌の保湿に関しては効果があり、患者さんの使用感もよく、症状に悪影響を与えるものでなければ、通常の治療法に加えることも可能です。
1990年代に入り、ステロイド外用薬の副作用がマスコミによって過度に取り上げられ、ステロイドバッシングが流行りました。
副作用を危惧してむやみに治療を中断したり、使用頻度を大幅に減らしたり、ADによく効くという民間療法が氾濫し、アトピービジネスが横行しました。
その結果、患者さんやその家族が振り回された“治療の混乱期”を経験しました。
1999年から厚生労働省研究班や日本皮膚科学会によるAD治療ガイドラインが作成され、安全かつ適切な治療法が公開され、次第に治療に関する混乱は終焉し重症例は少しずつ減ってきました。
しかしながら、いまだ社会の波に乗り切れず、頑なに本来の治療法を受け入れない、不信感が強く中途半端な治療しか受けられない重症な患者はまだ数多く存在しています。
また、頭では理解していても日常生活に追われ、本来すべき必要な治療法を実践できない、正しい治療法を修得する機会のない患者さんも少なくありません。
また、何らかの要因で急速に悪化し社会生活に支障を来たしている患者さんもおります。
いろんな治療法が言われていますがまだ確定的でだれにでも有効な治療法はないのです。
治療の原則は抗原からの回避です。
アトピーの体質は直すことができると説明する人もいますが体質の意味が人によってことなっています。
体質をその人のDNAの情報(遺伝子)で決まるという立場をとれば否定的です。
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