最新の臨床医学 10月18日(木)関節リウマチについてQ&A

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

以下のHPで確認することができます。

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

Q

関節リウマチ患者の仕事について②

 

リウマチが原因で入院したり、長期の休養が必要になったりして、就業に差し支える可能性はありますか?

 

関節リウマチのリハビリなどを目的に長期入院をするようなことは最近では少なくなりました。

 

ただし、一部の治療法の導入や合併症で入院が必要なことはあります。また、症状の進行によっては、就業に影響が出ることもあります。

 

関節リウマチによって関節がひどく痛むような場合であっても、入院して安静にすることは、一般に病状の回復にはつながりません。

 

ですから関節リウマチそのものの治療のために、長期に入院をするようなことはありません。

 

ただし、関節リウマチの合併症で長期入院が必要となったり、また症状が進行して関節が変形した場合などには、就業に影響が出ることもあるでしょう。

 

そうしたことを防ぐためにも、治療を続けていくことが大切です。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

このような質問をされる方は、背景に特殊な事情を抱えていることが多いので、リウマチ専門医としてはあまりお気楽な回答をしていただきたくはないです。

 

まず専門家でない限り、関節リウマチと、悪性リウマチの区別がつかないことがほとんどです。

 

関節リウマチの中でも悪性関節リウマチという病気では、関節以外に内臓の炎症(肺、胃腸など)の治療のため比較的長期間入院することがあります。

 

まずこれに言及する必要があります。

 

その他にも入院や長期の休養が必要になることはあります。

 

いくつかの典型的な例を挙げてみます。

 

まず一番多いのが関節の手術をするための入院でしょう。

 

手術する関節や部位(頸椎など)・術式により入院期間は異なりますが、手術後一定レベルまでの機能が回復するまでの期間入院が必要となります。

 

つぎに関節リウマチの症状が増悪し外来でのコントロールだけでは困難となった場合(関節リウマチに随伴する発熱や日常生活も困難なくらいの関節痛など)にも症状が沈静化するまで入院する場合があります。

 

また、関節リウマチ治療の主薬(アンカードラッグ)であるメトトレキサートの副作用により、入院を余儀なくされるケースは少なくありません。

 

高円寺南診療所でも若干経験があります。主要な副作用としては、感染症、血液障害、腎障害、肝障害、間質性肺炎などです。

 

メトトレキサート投与の際は、必ず葉酸(フォリアミン®)も処方して、骨髄抑制による造血障害を防いでいます。

 

また、診察の際には、毎回、超音波法による動脈血酸素分圧濃度を測定するなどして間質性肺炎の早期発見に心がけています。

 

それでも、急性間質性肺炎により入院治療に至った例を1例経験しました。

 

さらに患者さんの日常生活指導や自分で出来る日々のリハビリテーション・服薬指導などを勉強してもらう目的で教育入院をする場合もあります。

 

なお生物学的製剤であるレミケード治療の場合、投与中や投与後の副作用をモニターチェックする目的で1~数日の短期入院する場合もあります。

 

高円寺南診療所では、生物学的製剤を原則として使用しない方針なので、必要なケースでは入院施設のある専門医療機関を紹介しています。