ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。
関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。
関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。
関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。
現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。
監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生
解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。
ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。
関節リウマチ患者での運動、生活での注意点④
Q
普段の食事で気を付けることはありますか?
関節リウマチ患者が食べた方がいい物はあるのですか?
A
栄養バランスのよい食事をとりましょう。肥満には気をつけましょう。
関節リウマチの患者さんが食べてはいけないような食品はありません。
偏った食事を避けて、バランスよく栄養をとることを心がけましょう。
骨粗しょう症がある方はカルシウムを、貧血を起こしている方は鉄分をしっかりとることを心がけましょう。
食べ過ぎによる肥満は、関節の負担につながりますので、食事の量には気をつけましょう。
【高円寺南診療所からのコメント】
関節リウマチそのものに対する食事療法については代替医療を含めて多数出版されていますが、積極的にお勧めできるものは見出せません。
だからといって、関節リウマチの患者さんが食事や栄養に無関心であっては良い結果はもたらされないでしょう。
川合教授は、簡にして要を得た回答をされています。
まず、関節リウマチという病気にこだわらないで、一般的に推奨されている健康な食生活をすること、次に、関節リウマチに合併し易い、肥満、骨粗鬆症、貧血に注意し、治療もしくは予防目的での栄養食事療法を工夫する、ということになるでしょう。
最近では、難治性の腎障害や肺病変(胸膜炎、間質性肺炎)の合併も以前より注目されています。
このように、関節リウマチは、関節滑膜という局所の病気ではなく全身病であるという理解ができれば、栄養管理も全身を見据えてすすめていくことの重要性に気づくことができるのではないでしょうか。
ここでさらにご紹介したいことがあります。
それは、有益な食事療法や運動療法に取り組むためには、開始時点でのアセスメント(評価)が必要だということです。
ご自分のフィットネス状況を把握しておけば、食事療法も運動療法も効果を挙げることができます。
つまり、関節リウマチに対する評価だけでなく、もっと一般的な健康水準を把握し、その変化を定期的にモニターすることで、セルフケアの有効性を客観視することができるからです。
高円寺南診療所では『体組成・体力テスト』というフィットネス・チェックを定期的に受けることを推奨しています。
人間ドックや自治体の健診は主として病気の早期発見ですが、フィットネス・チェックはそもそも病気になりにくい条件を整えていくための尺度で構成されています。
関節リウマチの治療効果が上がらないと、痛みや運動障害のため、どうしても運動不足になりがちです。
それはやがて肥満をもたらし、脂質異常症や糖尿病に発展します。
また、高血圧を引き起こします。これらの生活習慣病が重なると動脈硬化を進展させ生命予後の低下を来してしまいます。
大学病院で関節リウマチの専門外来を受診していた方が、高円寺南診療所を紹介されて来院されることがあります。
大学は研究機関を兼ねるため、安定期にある患者さんに対するケアは十分に行き届かないことがあることも已むを得ないと思います。
リウマチ科の専門医であれば、骨粗鬆症対策がきわめて大切であることを知らないはずはありません。
しかし、実際に骨量を計測して、適切なアドヴァイスを受けている方はほとんどいませんでした。
高円寺南診療所では、関節リウマチの患者さんには頸椎のX線検査と骨量計測は必ず行っています。
その結果、骨粗鬆症や上位頸椎の障害を早期のうちに発見することがあります。
骨粗しょう症の栄養指導や治療を併用することによって、関節リウマチの症状が改善し、薬剤を減量できた例は少なくありませんでした。
なお、水氣道®に定期参加して有酸素運動能力が高まると、筋肉量が増加するだけでなく骨量の増加も期待できます。
閉経直後の方ばかりでなく、70歳代後半の方でも骨量増加が見られました。
これは、もう少し症例数を集めてから統計学的に検証していきたいと考えています。
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