ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

こちらのHPで確認することができます。

 

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

 

関節リウマチの治療薬について①

 

ステロイドを飲めば、関節リウマチは治るのですか?

 

ステロイドは、関節リウマチを完全に治すことはできませんが、炎症を強く抑え、痛み、腫れ、こわばりを改善できる薬です。

 

ステロイドは関節リウマチに使われる薬の中で炎症を抑える作用が最も強く速く効く薬ですが、関節リウマチを完全に治すことはできません。

 

痛み、腫れ、こわばりに非常に効果がありますが、感染症や骨粗しょう症などの副作用もあるため、医師の指示に従って服用することが、とくに大切です。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

ステロイドの初期投与量は経験的に決められています。

 

ステロイドは関節リウマチの長期的治療薬とはなりえないため、高円寺南診療所では治療初期から経口ステロイド薬を処方することは例外的な場合に限っています。

 

しかし、関節リウマチを得意としない整形外科からの紹介例では、高容量ステロイドが既に投与されていて閉口することがしばしばあります。

 

ただし、関節炎に対して非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の効果が得られない場合には、おもに中等量以下、多くは低用量ステロイドが用いられることはあります。

 

内服は高容量では1日3回投与としますが、生理的分泌の日内変動にあわせて朝により多く用います。

 

初期量は通常2~4週間継続します。高疾患活動性の関節リウマチでは、プレドニゾロン換算で1日10mg以下を抗リウマチ薬開始から効果発現までの間併用することがありますが、実際にはステロイドの減量に苦労することがしばしばです。

 

 

それでもステロイドが有用な事例があります。

 

それは妊娠時です。

 

妊娠すると抗リウマチ薬は使えなくなります。その場合にステロイドを用いますが、胎盤移行性がないプレドニゾロンを用いることができます。

 

また、授乳中もプレドニゾロン1日20~30mg以下の投与は可能です。

 

 

関節リウマチの治療薬について②

 

リウマチの薬を飲んでいますが、セイヨウオトギリソウをとらないように、と説明されました。どのくらいの量なら飲んでも大丈夫なのですか?

 

医師や薬剤師に、セイヨウオトギリソウをとらないように言われた時は、一切とらないようにしましょう。

 

関節リウマチの薬に限らず、薬の種類によっては、セイヨウオトギリソウなどの影響で、体の中で薬の濃度が高くなりすぎたり、効果が強く出すぎてしまうことがあります。

 

同じ理由で、グレープフルーツジュースなどもとらないように注意されることがあります。

 

医師や薬剤師から健康食品や食事に注意をされた時は、その指示をしっかり守るようにしましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート,以下「SJW」という)を摂取することにより薬物代謝酵素であるチトクロームP450,特にサブタイプであるCYP3A4及びCYP1A2が誘導されることが知られています。

 

セント・ジョーンズ・ワートと医薬品の相互作用に関する文献報告によれば、関節リウマチの治療薬の中ではシクロスポリン(免疫抑制薬)との相互作用が問題になるようです。

 

シクロスポリンはCYP3A4で代謝を受ける薬物であり,SJW含有食品との併用により血中濃度が低下したとする複数の臨床例が報告されています。

 

いずれの症例においても、移植後、シクロスポリンやアザチオプリン等の免疫抑制薬の投与でコントロールされ、シクロスポリン濃度は安定していたが、市販のSJW含有食品(抽出物300mg含有)を1日3回摂取したところ、摂取開始3週間後にシクロスポリンの血中濃度の低下がみられ、生検の結果、急性拒絶反応が観察されました。

 

両症例とも拒絶反応を疑わせる他の要因は見あたらず、SJW含有食品の摂取を中止したところ、シクロスポリンの血中濃度は回復したという報告です。

 

これらの医薬品とSJW含有食品は併用すべきではないが、医薬品を服用中でSJW含有食品を摂取している場合は、SJW含有食品の急な摂取中止により好ましくない症状があらわれるおそれがあるので十分な注意を払いつつ、SJW含有食品の摂取を中止する必要があります。

 

 

関節リウマチの治療薬について③

 

1ヵ月以上関節リウマチの薬を飲んでいますが、関節痛は良くなりません。

 

薬の効果が出るまで、どれくらい時間がかかるのでしょうか?

 

抗リウマチ薬は、効果が出るまでに時間がかかります。

 

関節リウマチの治療薬のうち、ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬は、飲むとすぐに効果が現れますが、抗リウマチ薬は、効果が出るまでに、ふつう数週間から数ヵ月程度の時間がかかります。

 

また、副作用を防ぐために、最初は少ない量が処方されていることも多いため、1ヵ月くらいでは薬の効果を感じられないこともよくあります。

 

また、抗リウマチ薬の種類によっても、患者さんによっても、効果が出るまでの時間は違います。

 

治療薬の効果に満足できない場合や、症状が良くならず不安な場合などは、正直に医師に相談してみるとよいでしょう。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

代表的な抗リウマチ薬であるメトトレキサートによる症状改善は内服開始後1-2ヶ月で出始めることが多く、最大効果発現には4ヶ月かかることもあります。

水気道と私〜新たな3つの気付き〜

 

第1回(3回シリーズ)

 

皆さんこんにちは。水気道3級初等修錬生の大坂です。

 

度々不定期でこちらへ書かせて頂いていますが今回も宜しくお願いします。

 

今回もまた、水気道を通して新たな気付きがありましたので、「3つの気付き」として、紹介させて頂こうと思います。

 

最初の気づき

まずは「自分の為」の水気道

 

修錬生3級という立場にいながら、この意識が足りませんでした。

 

私は5月6月と仕事を理由に弛みが生じ、休みがちになっていたのですが、

 

先生の方からは心の内を見抜かれ「中途半端なら辞めろ!」と、厳しい言葉を言い渡されました。

 

この時思ったのは、「自分は本当に自分の為に水気道をやってきたか?。」ということです。

 

正直、「はい」とは言えませんでした。行けば先生が喜んでくれるんじゃないか?とか、自分のことは棚に上げて人の為にやろうとか、そんな気持ちが多く混じっていた気がします。

 

「力無き愛は無力なり」という言葉もありますが、自分が自分を高めていかなければ、人の力になることも難しくなります。

 

やはり始まりは自分の外側に目を向けるのではなく、自分の内側。まずは自分自身の為にやっていこうと強く思ったのでした。

 

 

RSさんのメッセージを3回(3週)にわたってご紹介いたします。

 

 

 

RS3

 

第3回:「継続は力なり」の巻

 

=苦手意識の克服⇒体力増強⇒気力向上⇒可能性の拡大=

 

RSさんは昨年の11月初旬に初診、11月下旬には順調に鍼治療も開始できたのにもかかわらず、表面的な初期の治療成績は芳しいものではありませんでした。

 

慢性疼痛の患者さんの中には、症状の季節変動があって、秋から年末にかけて悪化するタイプの人がいます。

 

それは、主に気温の低下が関係しているように思われます。

 

治療の初年度であれば適切な治療を行っても効果が現れにくい時期です。

 

逆に言えば、極寒の季節まで辛抱して治療を続けていければ、その後の長期的な回復が見込めることが多いです。

 

線維筋痛症では、J-FIQスコアを病気の活動性や治療効果の客観的指標として用います。

 

 

RSさんのスコアは以下の通りでした。

 

2017・11初旬 J-FIQ 56.7(疾患活動性:中等度)

 

2017・11下旬 鍼治療開始

 

2017・11下旬 J-FIQ 58.4(疾患活動性:中等度)

 

2017 12初旬J-FIQ 69.9(疾患活動性:中等度)

 

ちなみに、J-FIQ 70以上では線維筋痛症の疾患活動性は高度、と評価されます。

 

 

RSさんはご家庭の様々な事情もあり、必ずしも治療計画通りには通院できてはいないのですが、それでも諦めることなく信じて、一歩一歩前進を続けてきました。

 

そのような方の多くは、結果を急ぐあまりに「これだけ努力しているのに少しも良くならない」と悲観的に受け止めがちです。

 

しかし、RSさんは何と「驚きである。」との感想を記されています。現代人はややともすれば疑い深く、性急に結果を手に入れようとしがちですが、こうした態度は慢性的な病気の治療には、大抵の場合、逆効果です。

 

なぜなら、自然な完治のためには、気づき、驚き、そして感動が不可欠だからです。

 

 

「初めて水氣道に行ったのは2月半ばだった。」

 

RSさんが、水氣道を始めるまでの間は、さまざまな障壁がありました。

 

自分でその気の無い人に対して、いくら時間とエネルギーを費やして説得してもなかなか決断していただけないことがほとんどです。

 

その場合は、しかるべき時期が到来するのを祈って待つほかはありません。自己決定というのが、自然治癒には不可欠です。

 

 

「泳ぎは苦手、身体中は痛い、果たしてついていけるかな?と思ったが、まず、先輩方に優しく親切に接して頂き、安心した。」

 

水氣道は泳ぎではありません。しかし、プールでのトレーニングというと、多くの人は泳ぎと同一視してしまう傾向があります。

水氣道は、水泳とは異なり、水中での立位での律動的有酸素運動です。

 

泳ぎには得手不得手があったとしても、未だ経験したことが無い水氣道に最初から苦手意識をもつのはナンセンスです。

 

ただし、泳ぎの得手不得手以外に、身体運動そのものが痛みを伴うものであると決めつけてしまっている人にとっては、水氣道に限らずあらゆる身体活動が脅威であることは理解できます。

 

そういう方は、日常生活の中でも絶えず痛みを味わっているのですから無理もありません。

 

ただし、発想を変えて、身体活動がどのみち痛いものなのであれば、新しい方法でそれ以上に痛くならなければラッキーであるくらいに思えればしめたものです。

 

動いたら痛む、と思い込んだまま運動したら、サイドブレーキを引っ張りながら、アクセルを踏むようなことになってしまいます。

 

水の中では、身体のサイドブレーキが緩みます。

 

そのため、サイドブレーキが解除された人は、楽に、痛まずに体が動くことを体験して驚くのです。

 

RSさんは「水中では、思いのほか体が動かせてびっくりした。」

と述べていますが、彼女も無意識のうちに常に引っ張っていたサイドブレーキが、水氣道の稽古中に、いつの間にかブレーキが解除されていたことを経験できた一人なのです。

 

彼女は、体を動かすと痛いもの、という永年の固定観念に支配されていたため、体を楽に動かすことができたことが予想外でした。

 

期待していた以上の経験ができたのでびっくりしたのでしょう。その結果、「楽しかった。」という感想で、快癒へ向けてのスイッチが入りました。

 

快癒のスイッチが入るためには、いくつかの条件があるように思われます。

 

それを列記してみます。

 

1)あるがままの自分を受け入れ、あるがままの自分を開示することによって、治療者との信頼関係を築くための覚悟をもつ。

 

2)希望へと繋がる勇気を育んで治療を継続する。

 

3)自分が愛され意味ある存在であることを実際に体験し、それを楽しめるようになる。

 

そして、持続的な回復というものは、何らかのきっかけがあってスイッチが入ったとしても、劇的に治癒することはまずありません。

 

たとえ症状が劇的に改善しても、多くの場合、再発が避けられません。

 

再発しない確実な治癒のパターンは、ごく自然な流れで軽快していきます。

 

その自然な流れとは、まさに「薄皮が一枚一枚はがれていく様に少しずつ良くなってきている。」(第2回レポート)というような治療経過です。

 

持続的な回復といっても一直線ではありません。

 

実際には、日によっては、少し悪くなるような揺り戻しもあり、短期的には波動を伴いながらも、中長期的にみれば改善のトレンドが形成されていくのが普通です。

 

RSさんも水氣道による典型的な改善のトレンドをたどってきました。

 

① 「通うにつれてだんだん足の筋肉がついてくるのが実感できている。」

②「病院での治療と、水氣道のおかげで、体調が少しずつ良くなってきている。」

③「気力も前よりついてきた。(こうして文章が書ける!)

④「薬の副作用からも解放された。」

⑤「日常生活でできる事が少しずつ増えてきた。」

 

そして、最後に「(感謝!)」

 

思いもよらぬ達成感、それに伴う感動が感謝を生みます。

 

この感動を忘れないで、稽古を継続していけば、再発することなくなることでしょう。

 

いずれ、RSさんからは、後日譚のレポートがいただけることを、今から期待しております。

 

 

第1回:ポリファーマシーの巻(2018・8・7)

 

第2回:新療法を巡る葛藤の巻(2018・8・14)

 

第3回:「継続は力なり」の巻(2018・8・21)

類似名称にご注意ください

 

日本水氣道協会は、以下の4つの登録商標を得ています。

 

水氣道®、

水気道®、

suikido®、

Mindfulness Group Aquabics®

 

 

しかし、最近、水氣道、水気道、suikidoの名称を使用して活動している欧州の団体の広報活動が活発化してきています。

 

この団体と、日本水氣道協会はまったく関係はありませんのでご注意ください。

 

 

2018年8月6日現在、Googleで検索をすると、水氣道、もしくはMindfulness Group Aquabicsのキーワードではこの団体のデータは検索されません。

 

しかし、水気道のキーワードで検索すると、

Suikido 水気道、

SUIKIDO 水気道 on Vimeo

 

が表示されますが、これらは日本水氣道協会とは無関係です。

 

またSUIKIDOまたはSuikidoで検索すると

 

Suikido Dojo-Home / Facebook,

 

SUIKIDO YOGA practised by Chris Valles / Facebook

 

が表示されますが、これらも日本水氣道協会とは無関係です。

 

<ストレス②>

 

そもそもストレスとは何でしょうか?辞書で調べてみました。

 
精神緊張・心労・苦痛・寒冷・感染などごく普通にみられる刺激(ストレッサー)が原因で引き起こされる生体機能の変化。
 
一般には,精神的・肉体的に負担となる刺激や状況をいう。
「 ストレスを解消する」
 
強弱アクセントで,強めの部分。強勢。
 
物体に加えられる圧力。
 
外的圧力に対する弾性体内部の反発力。
 
『三省堂 大辞林』
 
 
 
 

 思ったより意味が多かったです。普段よく使うのは①ですね。

 

 

「ストレスって悪いもの」というイメージがありますが、

「一般には,精神的・肉体的に負担となる刺激や状況をいう。」

刺激や負担ですので、好ましいモノや、嫌なモノもひっくるめてストレスです。

 

 

ストレスにも良いストレスと、悪いストレスがあるようです。

 

「良いストレス(eustress)」とは、例えば、目標、夢、スポーツ、よい人間関係など、自分を奮い立たせてくれたり、勇気づけてくれたり、元気にしてくれたりする刺激とその状態です。

 

「悪いストレス(distress)」とは、例えば、過労、悪い人間関係、不安など、自分のからだやこころが苦しくなったり、嫌な気分になったり、やる気をなくしたり、まわりの人に何らかの迷惑を及ぼしてしまうような行動をとったりするような刺激とその状態のことをいいます。

 

「ライフデザイン研究所」から引用

 

 

良いストレス、悪いストレスは考え方や気持ちの持ち方にも影響があるのではないでょうか?

 

例えば、何か目標をもって新しいことへの挑戦することは必ずストレスを伴います。(Nogucciは苦手です)

 

しかし、頑張ろうとする意欲や気持ちは、やりがいとなります。

 

 「良いストレス」とは、自分を高めていく過程に、良い刺激となって関わっていきます。

 

 

 一方、「悪いストレス」とは、辛い状況のなかで「やらなくてはいけない」「頑張り続けなくてはいけない」と自分を追い込み、過剰に行動を続けることで生じるストレスです。

 

その状態が続けば、心は悲鳴をあげ、身体に表れるようになります。

 

例えば、倦怠感、不眠、頭重感や頭痛、胃痛など、様々な症状が出てくることがあります。

 

適度のストレスは自身の成長につながります。

 

しかしながら、過度のストレスは体調を崩す原因にもなります。

 

上手に付き合っていくことが大切ではないでしょうか?

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

日本心療内科学会のHPです

 

心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

そこでのQ&Aは、想定した事例です。

 

Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。

 

※「質問」をクリックすると表示されます。

 

と書かれています。

 

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。

 

そこで、「質問」「答え」の後に、

<高円寺南診療所の見解>

でコメントを加えることにしました。

 

 

 

「質問3」

発達障害を疑われている息子です。

 

知らない人に会うときや、初めての場所に行った後に、必ず身体が動かないと言って布団から出られなくなります。

 

本人は、理由がわからないと言います。

 

何かいい薬などはないでしょうか?

 

 

「答え」

息子さんの場合、体が動かない、布団から出られない状況は、新しい場面に対する緊張や不安によるものと考えられます。

 

ご本人は理由がわからないようですが、新しい場面では、人や場の状況を読み取り、見通しを立てて適切に行動する事が求められます。

 

新しい場面で当惑する事がどのようなことだったのか、家庭や学校や友人関係での変化、問題となる行動の引き金や、問題行動の増減などの心理社会的背景も含めた観察が必要です。

 

ところで慣れた場面ではうまく行動できているようです。

 

これまでの家庭や学校での生活で、息子さんなりに緊張や不安に対処できるようになって慣れてきたプロセスを振り返り、息子さんの安定に役立った対処法に加えて新たに必要な対処法を身につけることで緊張や不安は軽くなると考えられます。

 

発達障害のある子どものさまざまな問題についての基本的な対応は、薬物療法というより、理解あるかかわりと環境整備や生活指導が中心となります。

 

子どもの持つ能力を伸ばし、自分で問題に対処出来るようになるために、社会技能やコミュニケーション技能の訓練などの心理教育的なかかわりが重要です。

 

しかし攻撃性、多動性、執着、常同行動、強迫行為、不安やイライラやうつなどが認められ、家庭や学校での適応に問題がある場合、自己や他者に身体的危険が及ぶ可能性が高い場合、そして本人も辛い場合には、行動上の問題を抑制、緩和し、子どもの心を安定させるために副作用に注意しながら薬による治療を併用することがあります。

 

しかし子どもの状態によって薬物の種類や効き方は異なります。

 

また心理教育的な介入も子どもの状況に合わせて導入の時期や内容を考慮する必要があります。

 

小児を診ている心療内科では子どもさんの問題や症状を心身両面から理解して、身体症状に対する治療を始めとして、子どもさんやご家族と相談しながら適切な心理教育的な治療や薬物療法を進めて行きます。

 

一度受診されて、困ったことや問題点について十分に相談されることをお勧めします。

 

(荒木 登茂子)

 

 

 

<高円寺南診療所の見解> 発達障害?

 

未成年の発達障害の対応は一般の心療内科では難しいと思います。

 

荒木先生は<小児を診ている心療内科>と簡単に解説されておりますが、私の知る範囲では、心療内科の専門医で小児の発達障害を診ている医師はほとんど存在しません。

 

心療小児科医という専門領域は十分に確立していないどころか社会的にも認知されていません。

 

近くでは、西国分寺の東京都立小児総合医療センターに児童・思春期精神科が開設されています。

 

そちらのホームページを参考にしていただければと存じます

 

 

この専門領域は、どうしても臨床心理士をはじめとする心理専門職の協力が不可欠です。

 

荒木登茂子先生は、九州大学心療内科の臨床心理士です。

 

心理専門職としてのご経験からの適切な解説ではあります。

 

ただし、相談者は障害を疑われている児童本人ではなく、多くの場合彼らの両親であるということについての言及が欲しいところです。

 

保険診療をベースとする通常の心療内科専門医の診療構造の中での対応となると、児童本人よりも、保護者対応が極めて困難になることもあることが想定されます。

 

場合によっては、心療内科について重大な誤解が生じかねないということを付言しておきたいと思います。

 

漢方治療に関しては

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHP

を検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

 

Q

西洋薬(新薬)と漢方薬は、どこが違うのですか?

 

A

西洋薬(新薬)は、人工的に化学合成された物質がほとんどで、その多くは一つの成分で構成され、強い薬理作用を示します。

 

一方漢方薬は原則として、二種類以上の天然の生薬で構成されています。

 

多くの成分を含んでいるため、一つの漢方薬で、いろいろな症状に対応することができます。

 

「例えば高血圧にはこの薬」というように、それぞれの症状に対して薬が対応する西洋医学と異なり、漢方薬の場合、体はひとつと考えて「この人にはこの薬」というように薬を選んで治療を進めます。

 

ですから時には同じ病気でも人により薬が異なったり、全く違う病気の人に対しても同じ薬が出ていたりします。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

慶應義塾大学病院漢方医学センター診療部の解説で、高血圧の薬を例に挙げています。

 

現在の高血圧診療は、西洋薬(新薬)の種類は豊富です。

 

合併症を有さない高血圧に対しては、カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬の4系統の薬剤のいずれかの系統の一剤が第一選択薬とされています。

 

ですから、「例えば高血圧にはこの薬」というほど大雑把な対応は過去の話です。

 

ただし、たしかに、西洋医学ではそれぞれの症状に対して、そのつど対応する薬を増やしていく傾向になりがちであるとはいえるでしょう。

 

また、漢方薬の場合、体はひとつと考えて「この人にはこの薬」というように薬を選んでいくと記述されていますが、まさにそのとおりです。

 

ただし、これも心療内科指導医・専門医の立場からいうならば、漢方薬は心身一如の薬だということを付け加えておきたいところです。

 

漢方薬は体の全身の調子を整えてくれるだけでなく、同時に心理や情緒状態をも整えてくれるものが少なくありません。体か心か、ではなく、体も心も、というのが真の漢方治療だと考えることができます。

 

その理由は、漢方医学は、近代ドイツで心身医学の基礎ができるずっと以前から、心身医学的な考え方を伝統的に発展させてきたからです。

 

漢方薬の場合

<同じ病気でも人により薬が異なったり>(同病異治)、

<全く違う病気の人に対しても同じ薬>(異病同治)は、

ごく日常的なことです。

 

ただし、これは漢方薬に限らず西洋薬(新薬)においてもしばしば行われることです。

 

ですから、漢方薬と西洋薬との使われ方の相違点をことさらに対立させるばかりではなく、西洋医学的な発想で漢方薬を用いたり、逆に漢方医学的な発想で西洋薬(新薬)を用いたりする工夫もしばしば必要になってきます。

 

中国では中西医結合といって、中医(中国伝統医学)と西医(西洋現代医学)を統合して診療する試みが続けられていますが、それぞれの医師は互いに異なる種類の免許を持った医師が担当します。

 

日本の医療が世界中の中でも特に優れている点の一つは、単一の医師免許で西洋薬も漢方薬も一枚の処方せんで同時に処方できることです。

 

一人の患者さんに対して2つのアプローチを同時に処理できる医学の素晴らしさに気づくことができた医師は幸いだと思われるし、何よりも患者さんのために大きな貢献ができることは大きな財産だと思います。

 

この偉大なるメリットを活用しない手はないと思うのですが、皆様はいかがお考えですか。

 

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

今回は「百会(ひゃくえ)」です。

 

IMG_2967

 

場所は耳頂点を左右に結び頭の頂点にあります。

 

「頭痛」「頭重」「ヒステリー」「不眠」「高血圧」「耳鳴り」「鼻づまり」等に効果があります。

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

 

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に【高円寺南診療所からのメッセージ】を加えています。

 

 

気管支喘息(成人)③

 

Q5

経口ステロイド薬の処方について教えてください。

 

A

短時間作用性吸入β2刺激薬を使用しても症状の改善やピークフロー値の回復がない場合にプレドニゾロン換算で1日あたり0.5mg/kg体重の量のステロイド薬を症状や状態に合わせて、3~7日間投与しながら吸入ステロイド薬に移行するのが一般的です。

 

患者が手持ちのステロイド薬を家庭に有していて、ピークフロー値や症状から患者が判断して服用するような喘息の自己管理に有用と考えられます。

 

ただこのような自己管理は普段から患者と医師がよく治療について話し合い、患者が喘息状態の把握や治療法について十分な理解を持っていることが必要です。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

喘息の患者さんに経口ステロイド薬を新たに処方しなければならないような症例は、これまで経験したことはありません。

 

ただし、喘息の診療のために呼吸器専門医を受診し、治療反応が不良のため経口ステロイドを処方されていた方が、当方に転医してこられたことがあります。

 

その方は、大きな心理社会的なストレスを抱えていらして、薬物療法に対しても恐怖感や不信感の強い方でした。

 

前医から処方された経口ステロイド剤は継続しつつ、吸入薬や漢方処方、心身医学療法を駆使することで、およそ4週ほどで経口ステロイド薬から離脱できました。

 

現在は、元気に水氣道を続けていらっしゃいます。

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチと他の病気との関係について①

 

Q

関節リウマチの方は糖尿病になりやすいと聞きましたが、本当ですか?

 

A

治療に使う薬の影響で、糖尿病になりやすくなることがあります。

 

関節リウマチそのものが、糖尿病を引き起こすことはありません。

 

ただし関節リウマチの治療に使われるステロイドや一部の抗リウマチ薬の影響で、糖尿病を引き起こしやすくなることはあります。

 

血糖値が気になる方や、糖尿病の心配がある方は、一度、主治医に相談してみましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

治療薬以外にもっと基本的な問題がありそうです。

 

それは、関節リウマチの患者さんのライフスタイルです。

 

軽症で痛みのコントロールが達成できていれば、健康人と同様の運動量を維持することも可能ですが、関節炎の持続や関節破壊の破壊が進行している場合は、運動量が低下しがちなのではないでしょうか。

 

関節リウマチ患者さんで虚血性心疾患が多くなることが参考になります。

 

この現象の理由は、関節痛のために運動不足となってしまい、肥満、脂質異常(高コレステロール血症)をきたし、動脈硬化がおきやすくなるからではないかとか、非ステロイド消炎鎮痛剤との関連などが指摘されています。

 

さらに、炎症が動脈硬化を進めるのではないかということも最近分かってきて、関節リウマチの患者さんは炎症のために動脈硬化が進みやすく、虚血性心疾患が多いのではないかといった推測がなされています。

 

適切な運動習慣というのは適正な体重維持と筋肉量や骨量の維持のみならず、糖質や脂質の代謝を改善することは医学的常識です。

 

それに加えて、適度な運動習慣は、精神的なストレス発散にも役立つことを見逃してはならないと思います。

 

関節リウマチも糖尿病も精神的ストレスや緊張の持続によって増悪します。

 

また、精神的ストレスが引き金となって過食に陥る現代人は決して少なくありません。

 

高円寺南診療所では、水氣道®への参加を呼び掛けています。

 

関節リウマチの患者さんにとって、水氣道がどのくらい効果的であるのかの例証は枚挙に尽きません。

 

関節リウマチのみならず関連する生活習慣病全般を改善しているデータを持っています。

 

 

 

関節リウマチと他の病気との関係について②

 

Q

薬で関節リウマチの症状が良くなれば、骨粗しょう症などの合併症になる危険性もなくなるのでしょうか?

 

A

関節リウマチの症状にかかわらず、骨粗しょう症への注意を続けましょう。

 

関節リウマチを治療することは、関節の骨粗しょう症の予防にもつながります。

 

ただし、女性の閉経後など、高齢になると起こる骨粗しょう症は、関節リウマチとは直接関係しないので、常に注意を続ける必要があります。

 

また、関節リウマチの治療薬のひとつであるステロイドを飲み続けていると骨粗しょう症が進むことがあります。ステロイドを使っている方は、定期的に骨粗しょう症の検査を受けることが勧められます。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチにおける骨粗鬆症

 

上記の解説は誤解を生じるので改めて説明します。

 

関節リウマチは骨粗鬆症を合併しやすい疾患です。

 

(1)傍(ぼう)関節性と全身性

 

関節リウマチにおける骨粗鬆症は

1)傍関節性と、2)全身性、に大きく分類できます。

 

傍関節性とは、炎症があり腫れて痛い関節の近くの骨におきる局所的な骨粗鬆症です。

 

関節リウマチの初期に特徴的な所見の一つでもあります。

 

全身性はその名のとおり全身に生じる骨粗鬆症です。

 

 

(2)関節リウマチにおける様々な骨粗鬆症の誘因

 

関節リウマチに合併する骨粗鬆症の誘因は様々です。

 

1)女性の場合での閉経、2)加齢、3)炎症、4)動かさないこと、あるいは関節の動きが制限されていること、5)治療によるステロイド、など様々な複数の要因が重なっている場合があります。

 

関節リウマチは骨粗鬆症を合併しやすい疾患であるため、関節リウマチを診たら、骨粗鬆症のチェックをして予防を始めるべき、というのが高円寺南診療所での方針です。

 

実際に、某大学病院で関節リウマチに対する生物学的製剤による治療を勧められていた患者さんで、骨粗鬆症が進行していたケースを複数例経験しました。

 

骨粗鬆症の治療を併行したところ、骨量も増加し、関節リウマチの症状も軽快しました。高価な生物学的製剤を開始する代わりに、元気に水氣道®を続けています。

 

 

関節リウマチと他の病気との関係について③

 

Q

関節リウマチの方はがんになりにくいと聞いたのですが、ほんとうでしょうか?

 

A

関節リウマチとがんの関係はよく分かっていません。

 

以前は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を飲んでいる方は大腸がんなどになりにくいという説があり、そのため関節リウマチの患者さんはがんになりにくいと言われていました。

 

しかし、今は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が補助的な薬になったので、以前と同様かどうかは分かりません。

 

最近の研究では、逆に一部の治療薬はがんの発生率を高める可能性があるという報告もあります。

 

例えば、メトトレキサートや生物学的製剤を使用している患者さんでは、悪性リンパ腫が若干増えるとされていますが、そもそも活動性の高い関節リウマチは、その合併率が高いため、薬の影響がどの程度あるのかについては結論が出ていません。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

日本人の関節リウマチ患者の死因として重要なのは肺病変と悪性腫瘍(がん)です。

 

この両者に関しては、治療により頻度が低下する可能性よりも増加する可能性が懸念されています。

 

メトトレキサートや生物学的製剤の使用は関節リウマチの標準治療になってきています。

 

日本人のリウマチ患者の生命予後の改善を伴ったQOLの改善をいかに導くべきかまでの結論はでていません。

 

 

高円寺南診療所では、生物学的製剤の使用が不可避な症例に関しては、入院設備のある専門医療機関へご紹介する方針ですが、現在までのところ一桁台の少数例に留まっています。