フェイスブックに高円寺南診療所のページを作りました。

 

5月に色々と準備をして、6月から本格的に稼働しています。

 

 

診療所の休診情報や、水氣道のイベント、ドクトル飯嶋がこちらのホームページで公開したもので、解りやすくて役に立ちそうなコラム等を掲載していこうと思います。

 

 

「SNS試してみたいけど…」という方、いかがでしょうか?

 

「友達申請」をして頂ければ、高円寺南診療所Facebookに投稿があった時、お知らせが出ます。

 

 

「いまいちよくわからない」等、ご質問がある方はNogucciにお尋ね下さい。

 

どんな質問でも大丈夫です。

 

気軽に声をかけて下さい。

 

 

下記のリンクがFacebookのページです。↓

https://www.facebook.com/高円寺南診療所-2162736543954349/

 

 

<血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)>

 

 

皮膚にアザが発生し、発熱し、意識障害をきたす血液病があります。

 

原因:

先天性のTTPはADAMTS13(フォン・ビルブラント因子切断酵素)の先天的欠損により、ADAMTS13活性が低下することで、超高分子量vWF多量体が血中に増加して、血小板機能が亢進し、その結果、血小板血栓が多発します。

 

後天性のTTPの多くは原因不明ですが、一部は、妊娠、自己免疫疾患、悪性腫瘍、薬剤などを誘因として生じたADAMTS13に対する自己抗体が原因となります。

 

 

症状:

古典的5徴

 

①出血傾向(血小板減少性)

 

②溶血性貧血(最小血管障害性)

 

③腎機能障害(軽症)

 

④動揺性精神神経症状(抑うつ、けいれん、意識障害、運動麻痺など)

 

⑤発熱

 

他に原因のない血小板減少、溶血性貧血

 

 

 

先天性TTP

 

ADAMTS13(フォン・ビルブラント因子切断酵素)の先天的欠損

 

 

後天性TTP診断基準案

 

ADAMTS13活性<5%

 

抗ADAMTS13活性中和抗体(インヒビター)陽性

 

 

検査

TTPには溶血性貧血を伴います。

 

TTPにみられる溶血性貧血は、赤血球の機械的破壊による血管内溶血(細血管障害性溶血性貧血の範疇)であり、末梢血に破砕赤血球がみられるのが特徴です。

 

破砕赤血球は赤血球が細かく千切れたもので種々の異常形態(三日月形、三角形、角形、ヘルメット形、いがくり形など)をみとめます。

 

骨髄では巨核球の過形成が認められます。

 

生化学:

間接ビリルビン↑、LDH↑、ハプトグロビン↓(溶血所見)、Cr↑、BUN↑(腎機能障害所見)

 

凝固:

PT、APTTはともに正常

 

 

治療

無治療では90%以上が死亡します。

 

そのため早急な治療開始が必要です。

 

1)血漿交換療法(第一選択):この導入により、生存率は大幅に改善された。

先天性TTPでは、新鮮凍結血漿の定期的補充

 

2)脾摘(難治例)

 

3)免疫抑制療法(難治例)

 

4)リツキシマブ(後天性TTP)

 

なお、血小板輸血は禁忌です。

 

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

今回は「腎兪(じんゆ)」です。

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場所は臍の高さと同じ背骨から左右指2本分外側にあります。

 

 

「排尿障害」「腎炎」「勃起障害」「腰痛」「めまい」「月経不順」「浮腫」等に効果があります。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

< 胃ポリープ>

 

しばしば、相談を受けるものの一つに胃ポリープがあります。

 

ポリープを発見したら必ず切除すべきは、結腸のポリープであり、胃のポリープのほとんどは良性です。

 

胃ポリープは内視鏡検査をすると5~7%の割合で発見され珍しいものではありません。

 

 

胃ポリープとは胃の内腔に突出した隆起の総称で、肉眼的に観察されるものです。

 

ただし、胃の粘膜上皮が限局性に増殖したものであって、非上皮性腫瘍や最初から悪性を強く疑うような病変はこれに含めません。

 

つまり、胃ポリープは一般的に良性ポリープであり、基本的には経過観察でよいことになっています。

 

ただし、大きくなるにつれて出血と癌化の問題が生じやすくなることも念頭に置くべきでしょう。

 

増大したポリープでは表面がもろく、出血を伴い貧血の原因となることがあります。

 

単発のことも多発性のこともあります。

 

 

胃ポリープは病理学的には、背景となる周囲の胃粘膜変化により分類されます。

 

過形成ポリープ

胃粘膜の萎縮性変化を伴う胃炎を背景とします。

 

これは胃腺窩上皮の過形成による腺管の延長と嚢胞状拡張を特徴とします。

 

間質には炎症細胞浸潤、浮腫、毛細血管拡張を伴います。胃ポリープの大多数を占め、加齢とともに増加します。

 

このタイプのポリープに癌が存在する頻度は0.6~2.1%とされていますが、サイズによって頻度は異なります。

 

1㎝以下では癌はほとんどみられません。

 

1~2㎝での癌の頻度は0.9%、

 

2㎝以上での癌の頻度は8%、

 

そこでポリープが1㎝未満の場合は、経過観察で良いですが、ヘリコバクター・ピロリ菌による萎縮性胃炎を背景に生じることが多いため、その場合は、除菌治療にてポリープの縮小、消失が期待できます。

 

ポリープが1㎝を超える場合には、内視鏡的切除(ポリペクトミー:粘膜切除)が勧められています。

 

 

胃底腺ポリープ

萎縮を伴わない胃体部の胃底腺領域に好発します。

 

 

腺腫性ポリープ

良性と悪性の境界病変とされます。

 

一般社団法人 日本消化器内視鏡学会のホームページに、分かり易く説明されているのでご紹介いたします。

 

http://www.jges.net/faq/faq_answer04.html

 

 

Q4.胃ポリープについて、過形成性ポリープと胃底腺ポリープの違いは何ですか?

 

1) 過形成性ポリープと胃底腺ポリープ

胃ポリープとは胃に発生する上皮性、良性、隆起性病変のことをいいます。

 

広義には腺腫、粘膜下腫瘍、癌など胃の中に隆起した病変の総称として使用されることもあります。

 

胃ポリープは過形成性ポリープ、胃底腺ポリープ、特殊型(炎症性、症候性、家族性)に分類されます。

 

一般診療で多くみられるのは過形成性ポリープ(写真1)と胃底腺ポリープ(写真2)です。それぞれの特徴を表1に示します。

 

「過形成性ポリープはヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)陽性(感染している)で萎縮性胃炎を背景に様々な病変を併発すること」、「胃底腺ポリープはH.pylori陰性で病的意義のない所見であること」は理解しておくべき大切な事項です。

 

「過形成性ポリープは悪玉、胃底腺ポリープは善玉」であり、高脂血症の「LDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉」と同じように考えるとよいでしょう。

 

胃X線(バリウム)検査での両者の鑑別も大切で、胃底腺ポリープを内視鏡検査で再検査することは患者さんに不利益となります。

 

今後、H.pylori陰性者や胃食道逆流症(GERD)などでプロトンポンプ阻害薬の服用者が増加すると、胃底腺ポリープに遭遇する機会も増加することが予想されます。

 

なお、胃底腺ポリープでの癌発生例も報告されていますが、その頻度はきわめて低いと考えます。

 

 

2)ポリープのフォローアップと切除の適応

過形成性ポリープも基本的には経過観察でよい病変です。まずは大きさ2cm以上で増大傾向、癌化(癌の併存)の可能性、出血のあるものを切除(ポリペクトミー)の適応と考えます。

 

抗凝固薬、抗血小板薬を服用している場合は、休薬による脳心血管イベントのリスクを比較衡量し、切除の適応を慎重に決定すべきです。よほどの貧血進行の原因でなければ、控えたほうがよいでしょう。

 

特に超高齢者では切除の適応はありません。胃底腺ポリープの処置は原則、不要です。

 

写真1

写真1

 

 

写真2

写真2

 

 

表1

表1

 

 

 

 

<特発性肺線維症>

 

呼吸器疾患の中には原因不明なもの、原因を特定することが困難な例が少なくありません。

 

原因不明の間質性肺炎特発性間質性肺炎といいます。

 

この種の間質性肺炎の中でもっとも頻度が高いのが特発性肺線維症です。

 

 

特発性肺線維症は慢性進行性の経過で、診断から平均生存期間は3~5年で予後不良な疾患です。

 

死亡原因としては、急性増悪例40%、慢性呼吸不全進行例25%、肺癌合併例10%とされます。

 

こうした病態の管理が予後の改善に重要です。

 

 

難病ではありますが、診断、治療に関して国際的なガイドラインがあります。

 

2015年のガイドラインでは抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)が条件付きで推奨薬物となりました。

 

なぜ、条件付きなのかというと、両薬物とも高額な薬価であること、消化器症状を中心とした副作用があること、などが問題となっているためです。

 

また、胃食道逆流症が特発性肺線維症の発症、増悪および急性増悪に関連があると考えられています。

 

そこで、プロトンポンプ阻害薬、ヒスタミンH₂受容体拮抗薬が条件付きで使用が推奨されています。

 

 

最新のガイドラインは、特発性肺線維症の治療ガイドライン2017です。

 

 

なお、一般の方に分かり易い解説としては、シオノギ製薬のHPがお勧めです。

 

喫煙が発症の危険因子であることをきちんと紹介している点でも評価できます。

 

これをご紹介いたします。

 

http://www.shionogi.co.jp/IPF/patient/about/

 

 

 

特発性肺線維症(とくはつせいはいせんいしょう)

 

 

特発性肺線維症(とくはつせいはいせんいしょう)【英語ではIdiopathic Pulmonary Fibrosisと表記され、略してIPF(アイピーエフ)と呼ばれています】とは、肺胞(肺を構成しているやわらかい小さな袋)に”傷”ができ、その修復のためにコラーゲンなどが増加して肺胞の壁(間質)が厚くなる病気です。

 

そのため、咳が出たり、酸素がうまく取り込めなくなり息苦しくなります。特発性肺線維症は次第に進行し、肺が固くなり膨らみにくくなるため、呼吸が維持できなくなる場合もあります。初めの頃は安定していても、ある時期から進行しはじめることもあります。

 

一般に肺線維症の約半数は、発症原因がわかりません。

 

このような肺線維症を「特発性肺線維症」(特発性とは原因不明という意味です)と呼びます。

 

しかし、喫煙が、特発性肺線維症を発症する危険因子とされています。

 

50歳以上で発症することが多く、男性に多い傾向にあります。

 

<一過性全健忘>

 

永久的記憶の欠落を生じるが、日常生活で困った様子がみられないという病気があります。

 

誘因なく突然発症し、発作中は意識清明ですが、

新しい記憶ができない(前向性健忘)、

発作前にさかのぼり記憶が障害される(逆行性健忘)症状を主徴とする症候群です。

 

 

発作は平均5~6時間続き、24時間以内に消失するといった予後良好な経過をたどります。

 

しかし、発作中の記憶は永久に欠落します。

 

発症の75%が50~70歳代で、40歳未満での発症は稀です。

 

見当識は保たれるが、近時記憶障害のため、同じ質問を繰り返します。

 

数唱などの即時記憶、自分の生い立ちなど遠隔記憶は保たれ、意味記憶や手続き記憶も保たれ、失語や失行もないので料理や自動車の運転も可能です。

 

 

原因

不明です。従来から両側の海馬障害によると考えられています。

 

そして、片頭痛、脳血管障害、代謝異常および脳静脈灌流異常などが推測されています。

 

精神的なストレスなど情動的なもの、水浴、水泳およびバルサルバ負荷が誘因となることが報告されています。

 

 

診断基準(Hodge,1990)

1)発作中の情報は、その間ほとんど目撃していた目撃者から得られる

 

2)発作中、明らかな順行性健忘(=前向性健忘)が存在する

 

3)意識障害はなく、高次脳機能障害は健忘に限られる

 

4)発作中および発作後に神経学的局所症状はない

 

5)てんかんの特徴がない

 

6)発作は24時間以内に消失する

 

7)最近の頭部外傷や活動性のてんかん(治療中、もしくは過去2年間にほっさがあったもの)のある患者は除外する

 

 

検査

高性能MRI検査で、頭部単純MRI拡張強調像で、発症直後に異常はないが、6~72時間で海馬CAI領域を中心に小さな異常信号を検出することがあり、補助診断とします。

 

ただし、この所見は10日後までに消失します。

 

 

予後

再発は稀で、6~10%程度と報告されています。

 

<心サルコイドーシス(特に、心臓限局性サルコイドーシス)>

 

サルコイドーシスは胸部X線写真で両側肺門部リンパ節の腫大(Bilateral Hilar Lymphadenopathy; BHL)が健診などで偶然発見される場合が多いです。

 

この場合には、自覚症状はほとんどありません。

 

また、若くてBHLだけで見つかって、あまり症状もないという患者さんでは、8割がた自然に治ってしまいます。

 

それから、病気が肺の中まですすんできて胸部X線写真で顕著な陰影があってもあまり自覚症状がないのが、この病気の特徴のひとつです。

 

逆にいうと、進展度が自分ではわからないわけですから、定期的に医療機関で胸部X線写真を検査し続けることが必要です。

 

それでも肺の陰影が長く続くと、進行して「肺線維症」という状態になって、せきや息切れがでてくることがあります。

 

自然になおってしまう患者さんがいる一方、肺線維症になって、肺移植の適応になる方もおられるわけです。あまり進行する前に治療を開始する必要があります。

 

 

サルコイドーシスは特定疾患であり、早期の診断は副腎皮質ステロイドの投与の適応の判断を含め重要です。

 

組織診断群と臨床診断群とにわかれ、まずサルコイドーシスを診断し、それの診断基準を満たしたあと、心サルコイドーシスの診断を満たすか否かの検討をする手順を踏むのが通常です。

 

 

最近の動向としては、心エコー検査―での局所的壁運動異常所見は、ガドリニウム造影MRIにおける心筋の遅延造影とともの副徴候から主徴候に変更されました。

 

また、PET-CTが主徴候に加えられました。サルコイドーシスは、一般的に心臓以外では予後良好な疾患であり、肺や皮膚、眼のサルコイドーシスはいったん全身精査をされれば、その後は経過観察のみで済む場合が多いです。

 

 

しかしながら、心臓には心臓限局性サルコイドーシスという病型があります。

 

心サルコイドーシスは進行性に心機能が低下していく可能性のある予後不良な疾患です。

 

副腎皮質ステロイドなどの薬物療法が基本となりますが、心機能低下、心室性不整脈の発生が認められれば植込み型除細動器の考慮も必要です。

 

なお、心臓以外のサルコイドーシスからのちに心サルコイドーシスが発症する場合があります。

 

ですから、サルコイドーシスが一般的には予後良好な疾患だからということで、定期的な心臓を含めた経過観察を怠らないようにすることが大切です。

 

<認知症に対する水氣道の可能性②>

 

認知症予防に効果的な運動療法としての水氣道®の可能性

 

一般的に、認知症予防のための運動療法の目的は、まずは認知機能の低下抑制や向上にあります。

 

そのための方法は、有酸素運動や筋力トレーニング、およびそれらの複合的なトレーニングの実施が推奨されています。

 

ただし、運動療法による認知症予防の有効性は部分的に確認されている段階であることは、念頭に置かなければなりません。

 

このような現状においては、認知症予防のためには有酸素運動のみ、筋力トレーニングのみより、複合的なトレーニングが望ましいとして考案されたエクササイズの一つが水氣道®です。

 

 

現状の水氣道®の継続参加会員は全員高齢者も含めて認知的には健常者です。

 

健常高齢者を対象とした運動介入による認知機能に対する効果を検討した系統的総説²では、運動実施により認知機能の向上は可能であるという見解が得られています。

 

2)Smith PJ, Blumenthal JA, Hoffman BM, et al: Aerobic exercise and neurocognitive performance : a meta-analytic review of randomized controlled trials. Psychosom Med 2010; 72:239-252.

 

 

ただし、認知症予防の中心的な対象者である軽度認知障害(MCI)を有する高齢者を対象とした系統的総説によると、実行機能、認知処理速度、記憶について有意な効果が認められず、言語流暢性のみ効果が認められたのみでした。

 

しかし、運動のみではなく、認知課題を同時に実施するコグニサイズ(認知運動訓練と訳すべきか?)というで、軽度認知障害(MCI)の高齢者を対象としたランダム化比較試験(RCT:評価の偏りを避け、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法)³で、処理能力、言語能力の向上を認めたほか、健忘型では、全般的な認知機能低下抑制、記憶力向上、脳萎縮進行抑制効果が認められました。

 

3)Suzuki T, Shimada H, Makizoko H, et al: A randomized controlled trial of multicomponent exercise in older adults with mild cognitive impairment. PLoS One 2013 ; 8 : e61483

 

 

この論文の著者らは、認知症予防のための運動療法には、認知課題を含めた複合的な要素を取り込む必要性を示唆しています。

 

水氣道®は、有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動機能の向上と同時に、水中運動という環境を活用して感覚機能を向上させ、同時に認知機能訓練の要素も取り込んでいますが、こうした先行研究のエビデンスにも合致することを確認することができます。

 

 

さらには、健常高齢者群と軽度認知障害(MCI)をもつ高齢者群のそれぞれを対照群と介入群に無作為に割り付けて、介入群に対して、運動とともに、食事指導、認知トレーニング、血管リスクのモニタリングといった複合的な介入⁴を2年間実施して比較した研究があります。

 

その結果、神経心理学的検査バッテリーの総合点の変化に有意差が認められ、多面的介入の効果が示されました。

 

4)Ngandu T, Lehtisalo J, Solomon A, et al: A 2year multidomain intervention of diet, exercise, cognitive training, and vascular risk monitoring versus control to prevent cognitive decline in at-risk elderly people (FINGER):a randomized controlled trial. Lancet 2015;385:2255-2263.

 

 

水氣道は運動療法であるとともに認知トレーニングであるほか、水氣道本部事務局を兼ねる高円寺南診療所では、頚動脈エコー検査など血管リスクのモニタリングを行い、複合的な介入をしていることの意味も理解していただけるものと考えます。

 

 

 

まとめ

 

運動療法による認知機能向上のメカニズムは、生物学的レベルや行動学的レベルにとどまらず、社会心理学的レベルも含めて統合的に作用していると考えられています。

 

これらのすべてのレベルでの作用効果を期待できるシステムとしての基盤として、水氣道は集団的エクササイズとしての体系を備えています。

 

そして認知症の予防効果を期待できる運動療法の条件は、早期の運動開始、運動の継続(運動習慣の形成)、有酸素運動と筋力トレーニングの複合運動プログラム、運動ばかりでなく認知課題を実施するコグニサイズ、多面的介入、介護者支援などが実証データとともに挙げられています。

 

水氣道は、これらの諸条件をすべて包含したエクササイズです。

 

このように水氣道は認知症予防のためのエクササイズとしては、現代の国際水準においても最先端をリードすることができる可能性に満ちています。

 

しかし、認知症に対する運動療法の実証研究は緒についたばかりです。

 

水氣道®でのデータ収集と解析により、水氣道の改良を継続しつつ、積極的に実践し、普及活動を推進していく必要があります。

 

皆様の積極的な参加による健康管理のための自助、参加者相互の互助、さらには地域社会をはじめ国際社会におけるさまざまな外部の協力支援組織との協働をはかっていくことが切望されます。

 

<カンジタ血症・播種性カンジダ症>

 

血液疾患、薬剤、全身状態悪化など様々な原因によって、細胞性免疫が低下したり、白血球の主力である好中球が減少したり、機能障害を来すことがあります。

 

高円寺南診療所に通院中の皆様の中にも、このような状態に陥り易いリスクをもっている方々が皆無ではありません。

 

抗菌薬や抗真菌薬は濫用による耐性菌の出現、拡大が問題になっているので、処方に当たっては、原因菌のみならず薬剤感受性検査を実施し、適切な薬剤を投与することが重要であると考えられています。

 

カンジダ血症・播種性カンジダ症は、主に免疫抑制状態の患者で、広域抗菌薬に反応しない、つまり薬が効かず発熱し、進行すると全身臓器の播種性(ほかの組織や器官・臓器あるいは全身に広がる性質)病変を形成する病気が知られています。

 

 

カンジダは、たとえば高カロリー輸液など、中心静脈ライン関連血流感染症の主要な原因菌の一つです。

 

球形から卵形の酵母様真菌です。

 

真菌とは、一般にカビ、キノコ類のことで、細菌とは異なり真核細胞の一種です。大きさは通常の細菌より数倍大きいです。

 

臨床的には、カンジダ・アルビカンズの他、カンジダ・グラブラータ、カンジダ・クルセイなどの分離頻度が高いです。

 

 

カンジダ・アルビカンスは、治療薬であるフルコナゾール汎用により、フルコナゾール耐性菌が出現しています。

 

なおカンジダ・アルビカンス以外のカンジダ非アルビカンス・カンジダと総称しますが、これらもフルコナゾールに低感受性であることがあります。

 

カンジダ・グラブラータの15~25%が、フルコナゾールに低感受性を、カンジダ・クルセイはフルコナゾールに自然耐性を示します。

 

検査は

1.血液培養(他にカテーテル尖端培養も)、

2.血清診断(β-Dグルカンやマンナン抗原などの検出)、

3.播種病巣の検索(眼底検査など)を行います。

 

検査センターから血液細菌培養結果が酵母性真菌として報告された場合、カンジタ種の同定がまだなされていない状態、特に重症例、高齢者、担癌患者(癌にかかっている方)、好中球減少および最近アゾール系薬の使用歴がある場合には、カンジタ菌血症の初期治療としてエキノキャンディン系薬ミカファンギンカスポファンギン)が推奨されています。

 

これらの薬剤は、真菌の壁構成成分であるβ-Dグルカンの合成を阻害することで効果を発現します。

 

軽症例かつフルコナゾール耐性カンジタのリスクが低い場合には、初期治療としてフルコナゾールの使用も可能です。

 

カンジダが血液培養から分離された場合、すなわち、カンジダ菌血症の場合、原則として全例が治療適応となります。

 

カンジダ菌血症の場合、眼内炎合併の有無や血液培養陰性化の確認を行う必要があります。

 

臨床的に安定し、血液培養陰性化が確認されれば、エキノキャディンからフルコナゾールに変更を検討します。

 

非好中球減少カンジダ菌血症で、明らかな転移感染巣が無い場合の推奨治療期間は、血液細菌培養が陰性化し、カンジダ菌血症に起因する症状が改善してから2週間です。

 

 

このように、診断がついただけでは、治療方針を自動的に決定することはできず、経時的な観察と、計画的な検査にもとづくきめ細やかなケアを行わなければ生命を救えないところが、最近の感染症管理の特質になってきています。

<誕生日を迎えて>

 

Nogucciは、「天命を知る」誕生日を迎えました。

 

昨年の誕生日に、体重のことしか書いておらず、翌週に改めて目標を掲げました。

 

それから、あっという間に1年たちました。

 

 

昨年は

 

Nogucciは生まれ変わって、1日1日を真剣に生き、

「あれ?今までと違う、変わったね。」と喜んでもらえるよう

努力、工夫を重ね、精進してまいります。

 

という宣言しました。

 

 

この宣言の通り1日1日を大切にしてきました。

 

しかしミスも多く、まだまだ工夫が足らないと反省の日々です。

 

 

変わった点は、勉強を始めました。勉強嫌いの私が4月から社会福祉士の資格の勉強をしています。

 

もう、「いっぱいいっぱい」だと思っていましたが、工夫する余地がまだまだあり、勉強する時間をひねりだせた!と、今までの自分の甘さを痛感しています。

 

来年の誕生日に向けては、工夫をこらして時間を無駄にせず、さらに成長できたと実感できるよう、1日1日を大切に過ごしていきます。

 

そして、Nogucci成長したね、と言って頂けるよう、精進してまいります。