脊髄小脳変性症(SCD)は神経変性疾患です。神経変性疾患とは、ある系統の神経細胞が徐々に障害されていく疾患群の総称です。

 

ただし、血管障害、感染、中毒などの明らかな誘因がないことが特徴です。

 

パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)が良く知られています。

 

通常は、緩徐進行性の経過をたどります。

 

 

脊髄小脳変性症(SCD)は、小脳またはその連絡線維の変性により、主な症状として運動失調を呈する疾患の総称です。

 

神経変性疾患のうちで脊髄小脳変性症小脳変性症を分類すると、孤発性(遺伝しない)のものと遺伝性のものに二大別されます。

 

孤発性のものには、多系統萎縮症(MSA)群と皮質性小脳萎縮症(CCA)があります。

 

また遺伝性のものは常染色体遺伝形式であり、優性遺伝と劣性遺伝とがあります。

 

常染色体優性遺伝性脊髄小脳変性症の中には、CAGの3遺伝子の繰り返し配列(トリプレット・リピート)による異常な延長が原因である疾患が存在することが知られています。

 

わが国で最も多いのはMachado-Joseph病/SCA3です。

 

遺伝子伸長(リピート)は蛋白質へと変換される場合はグルタミンへと翻訳され、ポリグルタミンを含む封入体を形成します。

 

 

リピート数が多くなると症状が重篤化します。

 

フリードリッヒ運動失調症は常染色体劣性遺伝形式をとります。

 

 

この病気の根治療法はありません。

 

この疾患にはリハビリテーションが推奨されます。適切にリハビリテーションを行うことで症状を和らげ、身体の機能の低下を防ぎ、普通の社会生活を支障なく長く続けていくことが十分に可能となります。

 

リハビリテーションは、感覚や動きのトレーニングによる日常生活の活動度(ADL)や生活の質(QOL)の維持と向上を目的としています。

 

また、なかには身体を動かさないため、廃用症候群と呼ばれるさまざまな障害を起こすケースがありますが、こうした症状も継続的なリハビリテーションにより改善できます。

 

SCDは原因が不明で進行性のため、途中でリハビリテーションをあきらめる方もおられます。

 

しかし、「難病だからこそ」「進行性だからこそ」、それを少しでも遅らせるために水氣道®によるリハビリテーションが有用です。

 

今回は木村英一さんが「水氣道との出会い」を記してくれました。

 

手書きの原稿を掲載いたします。

 

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「水氣道との出会い」

 

 

水氣道をはじめて約一年になりました。

 

始めたきっかけは、ある病気(ジストニア)でした。

 

楽器(トランペット)を演奏する仕事ですが、演奏に影響が出てきたのです。

 

オーケストラでの演奏は常に緊張した状態に置かれ、楽器の演奏の姿勢も長時間同じ姿勢で、知らず知らずのうちにストレスが蓄積されて身体がリラックス出来ない状況になってきたように思えます。

 

飯嶋先生より水氣道のことを伺い、すがる思いで始めました。

 

 

初めは今までの緊張した状態のためか、水の中でなかなかリラックス出来ませんでした。

 

筋肉にも歪みがあったのかも知れません。

 

 

本来はジストニアを治すつもりで取り組んでましたが、以前より考えてた指揮者、指導のための体力作りに意識を切り替えて取り組むことにしました。

 

指揮者は本番では約2時間、リハーサルだと4~5時間立ちっぱなしで音楽を作る作業が続きます。

 

体力と共に集中力も必要です。

 

水氣道は、まさにそれを養うためには理想的だと思います。

 

 

取り組み方の意識を切り替えてからは、水氣道の日が楽しみになりました。

 

疲労感も最初の頃とは違い、心地良い疲労感になり、水の中でのリラックスも徐々に出来るようになり、筋力も付いてきたような気がします。

 

特に活水航法、理気航法に取り組むことによって、身体の柔軟性、筋力、呼吸法、集中力に良い影響があるように感じます。

 

 

今後どのような効果があり、どのような結果が出るかわかりませんが、水氣道を楽しんで行けたらと思っております。

 

 

木村英一