最新の臨床医学:循環器病学 <労作性狭心症>

労作性狭心症は、日常的な病気です。この病気の診断は必ずしも簡単ではありません。

 

運動負荷心電図や補助診断として心筋シンチグラフィ(²⁰¹Tl,⁹⁹mTc心筋血流製剤)を行うことがあります。

 

慎重で厳密な診断を試みるために待機し過ぎると、手遅れになったり、負荷試験が大きなリスクを伴たりします。

 

 

発作時は安静にして心筋酸素消費を減ずるようにします。

 

しかし、速やかに症状が軽快しない場合はニトログリセリンを用いったりすることがあるため、高円寺南診療所では早期に治療的診断を行います。

 

5ないし10分毎に3回用いて改善が不十分な場合は心筋梗塞への移行を警戒します。

 

実際には、この状態は生命の危機に関わるので、この状態に至らないように事前に手立てを講じておく必要だと思います。

 

 

非発作時にはβ遮断薬が中心となります。

 

ただし、経過によっては冠攣縮の合併も考え、硝酸イソソルビド(ASDN)、カルシウム拮抗薬を併用するようにしています。

 

また、冠血栓の予防には低用量のアスピリン製剤を投与します。

 

 

虚血性心疾患の薬物療法は、一般に危険因子の軽減、生活習慣の改善の上で、抗血小板薬、スタチン、β遮断薬、ACE阻害薬などの内科的治療を至適に行います。

 

急性および慢性虚血性心疾患への抗血小板薬として、アスピリン以外に血小板ADP受容体(P2Y₁₂)阻害薬(クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル)が使用可能となりました。

 

ただし、基礎及び臨床研究においてエビデンスの多い抗狭心症薬はβ遮断薬であり、しかも、心筋梗塞後の二次予防として長期生命予後を改善することが証明されています。