最新の臨床医学:神経病学< 視神経脊髄炎>

視神経脊髄炎(NMO)は、頭痛を訴える40歳前後の女性に多い病気です。

 

突発性の視野障害で発症する場合は、眼科や脳神経外科を受診することが考えられますが、自律神経障害などの症状で高円寺南診療所を受診されるケースもあり得ると考えています。

 

 

視神経脊髄炎(NMO)は、主として視神経と脊髄を障害する炎症性疾患です。

 

従来、多発性硬化症の亜型と考えられてきましたが、血清NMO-IgG(抗AQP4抗体:アクアポリン4に対する抗体)の特異性が高いことがわかり、多発性硬化症の病態とは異なることがわかってきました。

 

また、NMOではオリゴクローナルバンドは通常陰性であることも、多発性硬化症との違いです。

 

 

2015年に国際パネル(IPND)が、視神経脊髄炎関連疾患(Neuromyelitis optica spectrum disorder:NMOSD)の診断基準を発表しました。

 

 

また視神経脊髄炎(NMO)では、脳MRI所見が多発性硬化症の診断基準を満たさないことがあります。

 

欧米に比較して日本などに多い病態だとされます。

 

 

視神経脊髄炎(NMO)は、多発性硬化症の病態とは異なるため、治療方針が異なります。

 

視神経脊髄炎(NMO)の再発予防には、急性期のステロイドパルス療法から引き続き、経口ステロイド、免疫抑制剤(アザチオプリンなど)の投与を行います。

 

ただし、インターフェロンβ製剤はNMOを再燃させる可能性があるため、使用しません。