心室頻拍は、心臓の単独の病気というよりも、何らかの基礎疾患があって、特に心機能が低下している場合に起こり易いようです。
基礎疾患というのは、虚血性心疾患、拡張型心筋症、肥大型心筋症、不整脈原性右室心筋症、心サルコイドーシス、弁膜症、先天性心疾患などです。
サルコイドーシスでは、心筋の炎症性変化のために心室頻拍、心室細動、高度房室ブロックなどの不整脈が起こります。
脈拍を触れない心室頻拍は無脈性心室頻拍といいます。
有効な循環を維持できない不整脈であるため、心室細動と同様の治療が必要であり、意識がなく無脈性心室頻拍が持続する場合にはACLSを開始します。
電気的除細動ののちアドレナリン・バゾプレシン無効時に投与します。
ACLSとは「Advanced Cardiovascular Life Support」の略で、日本語では二次救命処置と翻訳されます。
ACLSは気管挿管、薬剤投与といった高度な心肺蘇生法を示します。
心停止時のみならず重症不整脈、急性冠症候群、急性虚血性脳卒中の初期治療までを網羅したものへと進歩してきています。
これに対して一次救命処置をBLSといいます。BLSは、Basic Life Support(一次救命処置)の略称です。
急に倒れたり、窒息を起こしたりした人に対して、その場に居合わせた人が、救急隊や医師に引継ぐまでの間に行う応急手当のことです。
専門的な器具や、薬品などを使う必要がないので、正しい知識と適切な処置の仕方さえ知っていれば、誰でも行うことができます。
BLSは人工呼吸、心臓マッサージによる心肺蘇生法からはじまりましたが近年は除細動までもその範疇に入るようになりました。
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