日々の臨床⑤:12月28日木曜日<高齢発症の関節リウマチの特徴と鑑別>

総合リウマチ科(膠原病、腎臓、運動器の病気を含む)

 

<高齢発症の関節リウマチの特徴と鑑別>

 

 

高齢発症の関節リウマチは、男女比にほとんど差が無く、膝や肩などの大関節からの発症が多いです。

 

自己抗体陰性で、リウマチ性多発筋痛症RS3PE症候群に類似の症状で発症する場合があります。

 

特徴的な診断指標が無いため、経過をみなければ両者を鑑別できない場合があります。

 

高齢者であるため関節リウマチのアンカードラッグであるメトトレキサート、生物学的製剤を使用すると重篤な感染症が起こることがあるので特別な注意を要します。

 

 

リウマチ性多発筋痛症は、関節周囲炎(滑液包炎)であり、関節包の外の炎症(腱鞘滑膜炎や滑液包炎など)を特徴とします。

 

多発筋炎のような筋炎ではないため筋逸脱酵素の上昇はありません。ステロイド療法には比較的反応しやすいです。

 

 

RS3PE症候群は、50歳以上の男性に好発し、両側対称性の急性多関節炎をきたし、手背部・足背部の腱鞘滑膜炎による著明な浮腫を呈することが特徴です。

 

骨びらんのない早期のRF陰性の高齢者関節リウマチとの鑑別はしばしば困難となります。